持っている2倍テレコンとZ50と組み合わせたら1200mmの超望遠組めるな…
といった理由でニコンの新レンズ「NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S」を買いました。
しかしレンズのレビューはあちこちで読めると思いますし、作例なんかももう飽き飽きでしょうから、当ブログでは三脚目線でご紹介したいと思います。
NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR Sに適したレンズフット
では早速レンズフットから見ていきましょう。
実測のサイズはこのようになっています。どうやら「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」の三脚座と同じ寸法のようですね。
NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sの三脚座の実測寸法は以下の通りです。
項目 | 数値 |
長さ | 約67mm |
幅(後側) | 約33mm |
幅(前側) | 約28mm |
ネジ穴の間隔 | 30mm |
後端からネジ穴までの距離 | 約19mm |
三脚座は外してしまって、KIRKの70-200用のレンズフット LP-70 と レンズサポートブラケット LS-1N2 の組み合わせで換装しちゃうのが、現時点では最良だと思います。
但し、ニコン公式のサポートによると三脚座の寸法はZ70-200mmF2.8と同様だが共用はできない。との事です。
このレンズフットの詳細の知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
他には望遠レンズサポーターを使うのも良いと思います。
NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR Sに適した雲台
レンズフットは決まったので、お次は雲台。使えそうな候補は5つあります。エントリーはこちら。
①ReallyRightStuff BH-55 & Wimberley サイドキック SK-100
②ReallyRightStuff コンパクトパンニングクランプ PC-LR-40 & Wimberley モノジンバルヘッド MH-100
③アクラテック 自由雲台 GXP
④ReallyRightStuff パノジンバル雲台 FG-02
⑤ReallyRightStuff ビデオ雲台 FH-350
WimberleyのサイドキックSK-100は非常に操作性は快適ですが、角度制限があるので被写体によっては向かない可能性があります。
Wimberleyの一脚用雲台MH-100も操作性が良いですが、RRSのコンパクトパンニングクランプが、ここまで重い機材だとパンの動きが渋くなってしまいます。
アクラテックGXPは500mmF4クラスまでの望遠レンズをジンバルスタイルで運用できるように設計されています。若干の頼りなさは感じますが、なかなか良いと思います。
ReallyRightStuffの油圧式のパノジンバル雲台FG-02。良いのは分かりきっていましたが、改めて実感しました。重く大き過ぎるのが欠点ですが、操作性は間違いなく一番です。
ReallyRightStuffのビデオ雲台FH-350はこのレンズで使いたいがために残していました。動画を撮るならこれが一番ですが、静止画となるとFG-02には及びません。重く大き過ぎるのも欠点ですね。
というわけで、動きのある被写体を撮影する場合は、重量級でも良いならジンバル雲台、軽さを求めるならジンバル機能付きのACRATECHの自由雲台がベストだと思います。
風景撮影など被写体に動きが無い場合は、自由雲台ならReallyRightStuff BH-50やARCA-SWISS Z1+などボールサイズが50mmを超える大型自由雲台、3Way雲台ならHuskyヘッド、ギア雲台ならManfrotto 405やARCA-SWISS C1 cubeといった、大型機材対応の耐荷重の大きいモデルを選ぶと良いでしょう。
NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR Sに適した三脚
望遠レンズを扱う上で、ブレに関しては雲台よりも三脚の性能の方が重要かもしれません。
今回25.2mmから、36.7mmまで4種類の太さの三脚で性能テストを行ってみました。検証にエントリーした三脚はこちら。
①Gitzo トラベラー1型 GK1545T-RTI 25.2mm-14.7mm
②ReallyRightStuff アドベンチャー ASCEND-14L PF 28.4mm-16.3mm
③ReallyRightStuff ウルトラライト TFC-24L Mk2 32.7mm-20.3mm
④ReallyRightStuff バーサ TVC-34L 36.7mm-24.5mm
数値では太さをイメージしにくいと思いますので、比較図を描いてみました。
GitzoのGK1545TRTIの1段目と、RRSの一番細い脚のパイプ径がほとんど変わりませんね。
これだけパイプの太さが違うと「ブレにも影響が出そう!」と、何となく想像していただけるのではないかと思います。
5分ほど時間のズレがあるため、風の強さの違いなどが多少結果に影響しています。がしかし、パイプ径の違いが撮影結果に大きな影響を及ぼす事が、この動画で何となく伝わるのではないかと思います。
4本の検証テストはパイプ径の太さの順番通りの結果となりました。作例を紹介すると長くなり過ぎるので割愛させていただきます。上の動画は、一番太いRRS TVC-34Lと一番細いGitzo GK1545T-RTIとの比較です。当たり前ですが一番顕著に違いが分かると思います。
もちろん、GitzoのGK1545T-RTIが悪いという内容では無いので、誤解なきようお願いします。
撮影結果を左右するパイプ径以外の要因
この見出しの通り、三脚の性能を左右するのは、パイプの太さだけではありません。
三脚の最大の弱点となる部分、それはこの「パイプとパイプの継ぎ目」です。
継ぎ目だらけの棒よりも、継ぎ目のない一本の棒の方が強い。というのは想像すれば誰でも理解できることだと思います。
ナットロックの部分は5cm程度パイプを重ねて、その重なった部分を締め付けて固定しているだけですから、三脚の脚を伸ばして機材を載せれば当然「撓み(たわみ)が発生します。
分かりやすくするために少し大袈裟に描きましたが、上の図のように下に行くほど負荷がかかり撓みも大きくなります。
撓みが大きいほどブレやすくなります。段数が多いほどコンパクトに収納できて持ち運びが便利ですが、ブレやすさと利便性はトレードオフの関係と言えるでしょう。
もうひとつの要因は「基部」。センターコラムとかスパイダーとか呼ばれることもある「各脚が接続されている頭頂部」のことです。
三脚の基部には大きく分けて「センターポールタイプ」「システムタイプ」「フラットタイプ」の3種類があります。
センターポールタイプはその名の通りセンターポールがあるタイプです。高さ調整を一本でできるため非常に便利な機構です。
しかし、このイラストを見て、ブレそうなのはどちらでしょうか?誰がどう見たって右の方ですよね?このようにセンターポールは伸ばせば伸ばすほどブレやすくなります。
ひと塊りの金属部品と、数種類のパーツが組み合わさった部品では、どちらがより強いでしょうか?
こちらも図を見るまでもなく、誰が考えたって答えは簡単で、ひとつの塊の方がガタ付きがなく、強いに決まってます。
本当は雲台さえ付けずに、三脚の頭頂部にカメラをセットできれば、一番理想的と言えます。
しかしです。だからと言って、雲台を付けないと良い構図合わせは出来ません。
また望遠レンズとなると被写体が動くものである事が多いので、ジンバル雲台であったり、ビデオ雲台を使いたい場合もあるでしょう。
こういった雲台は正確に水平を取れていないと、水平がガタガタな失敗写真になってしまいます。
何度も撮影場所を変えたり、構図変更をしたい場合に、いちいち脚で水平を出していると貴重な撮影時間を無駄にしてしまうどころか、シャッターチャンスを逃すことにも繋がりかねません。
たとえ剛性は劣ったとしても、レベリングベースがあった方がスムーズかつスピーディーにセッティングできますので、結果的に良い作品に繋がる可能性が高いでしょう。
邪魔な手前の雑草をフレームに入れないために、あえてセンターポールを伸ばすこともあります。
このようにブレに繋がる可能性のあるアクセサリーであったとしても、被写体や撮影条件、使う機材に応じて、三脚を選ぶ事が重要となります。
まとめ
最後に、このレンズを使うにあたって重要な点をまとめます。
●レンズフットはKIRKの70-200用のレンズフット LP-70 と レンズサポートブラケット LS-1N2 の組み合わせが最高 。(三脚座に望遠レンズサポーターを装着するのも良い)
●動体撮影で最適な雲台は、重くても良いならしっかりとしたジンバル雲台、軽い方が良いならジンバル機能付きのアクラテック自由雲台。
●ネイチャーで最適な雲台は、50mm以上の大型自由雲台。
●(可能な限り)三脚のパイプは太く、段数は少ないものを選ぶ。
●(できれば)センターポールは伸ばさない。
明日は休みなので、さっそくこのレンズを抱えて撮影しに行こうと思いますー。
〜あえて記事にするほどでもない、Z100-400mmのちょっと小ネタ〜
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残念ながら今回のフードが微妙にサイズが異なりました。一見すると同じようなサイズに見えたのでガッカリでした…。残念ですが円形フィルターを使うしかなさそうです。
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