Nikon待望の超望遠ズームレンズ「NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6VR S」の購入から1ヶ月が経ちましたので、ゆるゆるとレビューしたいと思います。
1ヶ月目の外観の感想
レンズを隅々まで見渡した時に、パッと目につくのはMADE IN JAPAN。日本で使られているからといって性能に大きな差はないと思いますが、自国で製造されているってだけで上がりますよね。
最近になって気づいたのがSラインのロゴ。Zレンズの発売初期のレンズより「S」が大きくなっていますね。調べてみたらどうやらZ105mm F2.8 VR Sから変更されていたみたい。
完全に好みの問題ですが、こちらの方がデザイン的に洗練されているように感じます。
自重でレンズが伸びない
1ヶ月使ってみてやっぱり良いなと思ったことは、自重でレンズが伸びないこと。
以前、Fマウントで使っていた超望遠ズームレンズでは、この問題がすごくストレスだったので、これだけでも買った甲斐があるというものです。
重心移動レス機構
私は超望遠ズームレンズをジンバル雲台で使用することが多いのですが、この手の鏡筒が伸びるズームレンズは、大きく焦点距離が変わると、その度に重心位置を移動させる必要がありました。
しかし「重心移動レス機構」のおかげで(ある程度テンションが効いたジンバル雲台であれば)200mm辺りに重心バランスを置けば、動体撮影には影響の出ない程度のごく僅かなお辞儀で済みます。これも嬉しい機構でした。
三脚座リングに工夫が欲しかった
三脚座リングには位置指標が付いていますが●マーク同士、目視で合わせるタイプですので、ピッタリ一致しているのかどうか分かりにくいです。
横パノラマから縦パノラマに構図変更したい場合に、いちいち水準器の向きを変えなくても済むように、三脚座リングにクリックストップ機構が付いていてほしかったです。
それか●マークではなく、細めのラインで合わせるタイプであれば、目視でも合わせやすかったと思います。
仕方がないので、カッティングステッカーで位置合わせ用のマークを新たに貼り付けました。
フードが固い
これに関しては多少個体差があるかもしれません。
新品当初はフードが妙に固く、特に収納時に逆さにつけるとなかなか外せず、どっち方向に回せば良いのか分からなくなることがありました。
収納時の緩め方向が分かりやすいようにステッカーを貼っていました。
ただ使っているうちに馴染んできたのか、はたまたコツを掴んだだけなのか分かりませんが、1ヶ月も使っているとまったく固さが気にならなくなっていたので、この記事を書くにあたって剥がしました。
L-Fn2ボタンが便利
手持ち撮影で重いレンズをつけていると、ボディ側の再生ボタンを押すのもひと苦労です。
また望遠レンズでは連写することが多いので、撮影後のプレビューをOFFにしています。しかしやっぱり撮った画像をすぐに再生したい場合も多いので、L-Fn2ボタンに再生を割り当てています。
人差し指で押せるこの位置にボタンがあるのはとっても楽。また90度ごと4箇所に付いているので縦横構図関係なく常に同じ場所にボタンがあるというのはストレスフリーです。
1ヶ月経って良いなと思った機能はこれくらいでしょうか?
画質カリカリ
画質はズーム全域でカリカリ。周辺まで破綻がないとは言い過ぎですが、Fマウント時代の超望遠ズームレンズと比較したら差は一目瞭然です。
2倍テレコンと組み合わせた時の画質も良好です。圧縮効果を利用したお馴染みの「建物&お月さま」を撮影するレンズとしても良さそう。
テレ端では開放で周辺減光・周辺部の画質の低下が見られ、F16まで絞ると回折で画質低下が見られます。
周辺まで意識する場合はある程度絞ったほうが良いですが、開放から中央部は十分シャープですので、個人的には絞り過ぎない限りは問題ないかなと感じました。
ボケ味はやや固め
ボケは固めな印象です。口径食の影響なのか周辺部では玉ボケの変形が顕著。
さほど色収差は気にならない
明暗差が大きい場面であっても収差は僅かな色づきに抑えられています。まだ補正しなければならないほどの激しい色収差には出会っていません。
自然な色づきで色乗りは良好
上の画像はjpg撮って出しですが、実際に目で見たままに近い自然な発色で、背面モニターで確認した時は、あまりにも見た目のまんまだったので思わず「うおっ!」と声が出ました。
周囲にいた観光客の目には、三脚を撮影して「うおっ!」と奇声を上げる変態に写ったに違いありません。
1ヶ月使ってみて最後に二言三言
このレンズを注文した時に「高いレンズだな」と感じましたが、その評価自体は変わっていません。やっぱり少し高いなと思います。
ただしその値段に見合うだけの性能は有していますし、質感も悪くありません。個人的にMADE IN JAPANなのも良いです。
これまでZマウントで超望遠といえば「Z70-200mm F2.8 VR S」にテレコンを付ける必要がありましたが、その組み合わせよりもこちらの方が画質は良いので、400mm域、もしくはそれ以上の焦点距離をメインで撮影していくなら、とても良いレンズだと思います。
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