真下にレンズを向けて撮影する手法が「真俯瞰撮影」。
この真俯瞰撮影が「どうにも上手くいかない」という悩みをたまに聞きます。
今回はそんな悩める真俯瞰愛好家のために私の撮影方法をご紹介したいと思います。
まず多くの方が試されているであろう方法が「サイドアームを使う」ことでしょう。

サイドアームは真俯瞰撮影のために生み出されたと言っても過言では無いアクセサリーですので、もっとも簡単に三脚に組み込むことができますし、当たり前ですが真俯瞰撮影を行うことができます。
しかし三脚の脚が画角に入り込んだり、それを避けるためにアームを目一杯伸ばすとバランスが悪くなり機材の逆側に重しをぶら下げるなどしないと転倒してしまうなど、扱いが難しいのが欠点です。
また伸ばせば伸ばすほどブレやすくなる点も気になるところです。
これらの欠点を解決できるサイドアームは残念ながら私は見たことがありません。
サイドアームがダメならどうしたら良いんだろう?と考えた時にふっと思い浮かんだのが「壁に脚を立てかける」方法でした。
壁に一脚を立てかけるだけ
細かい部分を見ると工夫を凝らしていますが、セッティングは二脚を普通に立てて、残った一脚を壁にもたれ掛からせるだけです。
それでは工夫を確認していきます。
工夫①石突をお椀型に変更
Gitzoでおなじみのお椀型のゴム石突に交換しています。
RRSにはお椀型の石突が無いのでNEEWERを使っています。なぜNEEWERを使っているかと言いますと、滑りにくい材質で、形状が今回のセッティング向いていることと、スパイクを内蔵していることです。お値段もお手頃で気に入っています。

工夫②ダイソーの耐震マットを採用
工夫①の写真でも見えていますが、石突の底に粘着ゼリータイプの耐震マットを敷いています。
床側/壁側、どちらとも敷くことで驚くほどズレなくなります。洗えば繰り返し利用できる点も嬉しいですね。
ただし壁紙の種類によってはマットの粘着性により剥がれてしまう場合がありますのでご注意ください。
工夫③レッグカラーを脚に取り付ける
RRS社の三脚にはレッグカラーというアクセサリーが販売されています。脚に3/8雌ネジを拡張できるアクセサリーです。私はこれにARCA-SWISS社のクイックリンクを付けて雲台を脱着できるようにしています。
雲台を好きな場所に取り付けできれば良いので、スーパークランプなどで代用が可能です。
立てかけるだけ。はちょっと不安な方へ
一応耐震マット付きのお椀型石突を立てかけるだけで、真俯瞰撮影は可能です。機材から離れず、慎重に撮影を行うのであれば問題ないでしょう。
しかし機材から目を離して商品を並べ替えたり、撮影に集中したい方もいらっしゃるでしょう。
そんな方にはオートポールとダブルクランプを追加することをお勧めします。
オートポールは簡単に言えば長さ調整が楽にできる突っ張り棒です。オートポールにダブルクランプの片側を装着し、もう片側で三脚の脚を固定します。
単に壁に立てかけた時よりも更にブレに強くなりますし、転倒の心配がなくなるので安心して撮影に集中できます。壁紙の剥がれが気になる方もこちらの方が安心です。


この撮影方法の良い点は、壁に立てかける脚を伸ばせば、かなり広いスペースを真下に確保できることです。また高さに関してもかなり融通が効きます。
カメラをどの位置にズラしてもバランスが変わらないため、バランス調整用の重しも必要ありません。オートポールとダブルクランプを追加すれば転倒のリスクも限りなくゼロになります。
そしてこの方法の一番の利点はブレに強いことです。サイドアームとの比較では天と地ほどの差があり、安定感は抜群です。
真俯瞰撮影でお困りの方は、ぜひとも試してみてください。

※雑誌やパンフレットを正面から撮影したい場合に真俯瞰撮影は便利です。

※個人売買で衣類を出品する際の画像の撮影にも真俯瞰撮影は便利です。


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