汎用Lブラケット界の黒船来航!「MC-LS」は新時代の夜明けとなるか?

RRSから遂に本気の汎用Lブラケット「MC-LS」登場!

突如として汎用Lブラケット界に現れたReallyRightStuff(RRS)の【 MC-LS 】。

発売日は本日11/1 AM2:00。(アメリカMST現地時間では10/31 AM10:00)
RRS社としては珍しく、予約期間を設けずに販売が開始されています。

商品ページURL→https://reallyrightstuff.com/mc-ls/

なお、本記事はRRS社から販売前に製品提供を受けてレビューいたします。この度は貴重な機会をくださったReallyRightStuff社に感謝するとともに、このプロジェクトの1メンバーとして参加できたことを光栄に思います。

それではたっぷりとご覧いただきましょう!

ReallyRightStuff RRS MC-LS

ReallyRightStuff 新・汎用Lブラケット MC-LS 外観

 

ReallyRightStuff RRS MC-LS

ReallyRightStuff RRS MC-LS

ReallyRightStuff RRS MC-LS

ReallyRightStuff RRS MC-LS

スペック

ベースプレート+Lコンポーネント長さ 88mm〜121mm
ベースプレート長さ 76mm
ベースプレート奥行き 38mm
ベースプレート高さ 14.5mm
Lコンポーネント厚み 10mm
Lコンポーネント奥行き 38mm
Lコンポーネント高さ 87mm
重量(六角レンチ含む)  109g
六角レンチ長さ 60mm

ReallyRightStuff RRS MC-LS

画像内の数値はすべて実測値ですので、メーカー公表値とは異なる場合があります。計測機器による誤差はご容赦ください。

重量は実測で109g。私が普段使っているRRSのZ6/7用Lブラケット「BZ7-L」が134gですので、特に重く感じませんでした。ただ一般的な汎用Lブラケットの中では間違いなく重い方だと思いますので、人それぞれ感じ方は異なると思います。

ベースプレート

ベースプレートとL-コンポーネントは分離式です。もちろんベースプレートのみをカメラボディに装着して使用することも可能です。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

ベースプレートの上面には、ボディのズレ防止用のストッパー(突起)が2ヶ所ついています。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

この面は可動式でボディの幅に合わせてストッパーの位置を前後方向に10mm変更できます。RRSの公表値ではネジ穴の端からストッパーまで最短距離が3.95mm、最長距離が29.89mmとなっています。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

約10mm間隔で2列に並んだ長丸穴は、カメラボディ取付用ネジを前後方向に20mm移動させることが可能。あらゆるサイズ・形状のカメラボディに対応しています。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

ベースプレートの下面(底面)はかなり機能が盛り込まれた複雑な構造となっています。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

付属の滑落防止ネジを取り付ければ、RRS-Lock互換クランプ以外のクランプをご使用の方も滑落防止対策を講じる事ができます。

個人的にはこの小ネジを付けるとカメラを置きにくくなり、クランプ表面には浅い溝を設けなければならないため、この方式で滑落防止対策を施すのは反対です。すべての滑落防止機能がRRS-Lockのようにスマートなシステムになれば良いのになぁと思います。

QDソケット

ReallyRightStuff RRS MC-LS

ベースプレート下面にはQD(クイック デタッチ) ソケットが搭載されています。QD 取り付けシステムは、NASA・法執行機関・軍事機関を含む世界中の業界で長年使用され、安全性は実証済みです。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

ソケットはアルミ削り出しではなく埋め込み型。素材は炭素鋼です。
削り出しから埋め込み型に切り替えた一番の理由は耐久性を向上させるため。

またステンレスではなく敢えて炭素鋼を採用した事について質問したところ、RRSのエンジニアリングチームから以下のような回答がありました。

RRS
RRSエンジニアリングチーム

弊社がQDソケットに使用しているフェライト系軟窒化プロセスは、ベースメタル内の鉄と反応して、錆びに強い表面硬化を形成します。
炭素鋼の代わりにステンレス鋼を使用することで、実際にはいくつかの防錆保護と延性(引っ張って伸ばしたときに破壊されずに 引き延ばされる性質)を失うことになります。

ご回答ありがとうございました!とても分かりやすい解説でした。

六角レンチ&ヘックスグリッパー

5/32”六角レンチはマグネット式ではなく嵌め込み式。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

ヘックスグリッパーと呼ばれる2箇所のシンプルな爪でレンチを挟んで固定するだけです。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

六角レンチを取り外す際に指が掛かりやすいように切り込み溝が入っています。またこの溝があるおかげで六角レンチのお尻を押せばテコの原理で簡単に取り外す事ができます。

ヘックスグリッパーはポリマー製(ポリマーとは、2つ以上のモノマーが重合反応してできる化合物のこと)。我々が普段プラスチックと呼んでいる物のひとつです。

ヘックスグリッパーピースはプレートの他の部分と同じ保証対象ですので、破損などのトラブルが発生した場合は交換が可能です。

付属工具

MC-LSのヘックスグリッパーに装着されている六角レンチは5/32”。
特殊なショートタイプ(低頭)で、一般的なレンチよりも曲がりが鋭角となっており、工具店での入手はほぼ不可能です。紛失しないように注意しましょう。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

ReallyRightStuff RRS MC-LS

ただし工具の品質(特に切断面の仕上げ)はお世辞にも良いとは言えません。

RRSが作るプレートは世界最高峰なのですから、そろそろレンチも工具メーカーと提携して品質の良い物を搭載してほしいです。

また、MC-LSの付属工具は90度直角ショートレンチのため、レンチが浅掛かりの状態で回してしまうと六角穴を舐めてしまう可能性があります。
そのため90〜100度の範囲で使用でき、本締めも可能なPB SWISS TOOLSのマルチアングルのような形状のレンチが採用されると、非常に脱着しやすいと思います。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

マルチアングルレンチだと通常のレンチより10度上に傾けて使用できるため、奥まったカメラボディ取り付けネジを快適に、かつ安全に脱着できます。

という訳で早速、PB SWISS TOOLSのマルチアングルレンチをディスクグラインダーで同じ長さにカットして、MC-LSに換装しました。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

センターマーク

私が受け取ったMC-LSと、将来あなたが受け取るであろうMC-LSの違いは、ベースプレートのセンターマークです。

私が受け取ったMC-LSにもセンターマークが刻印されているのですが、非常に小さい上に、ヘックスグリッパーの下にあるため、レンチが装着されていると視認性は最悪です。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

RRS-Lock互換クランプですと自動的にセンターに配置されるので問題ないかもしれませんが、互換性のない一般的なクランプですとセンター合わせが困難です。

この問題は早い段階でRRS社も認識していたようで、私の受け取った後のロットからはダブテールの上部にレーザー刻印が追加されているとの事ですので、皆様が受け取られるMC-LSでは解決していると思われます。

※画像はReallyRightStuffより提供。センターのレーザー刻印が非常に見やすい位置へ変更されているようです。

Lコンポーネント(縦プレート)

Lコンポーネント(縦プレート)は前後方向に5〜6mmスライドできるので、カメラの端子カバーに干渉しないよう配置できます。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

縦構図でレリーズケーブルなどを使用する際はLコンポーネントをスライドさせて空間を作ることができます。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

スライド幅は34.5mmです。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

Lコンポーネントを目一杯伸ばすと若干傾いてしまうため、伸ばして使用する場合は水平を再調整する必要があります。
ただしこの現象は分離型スライド式のLプレートではよくあるもので、このプレートに限った現象ではありません。
この現象の改善策としてはLコンポーネントのボルトを強く締めすぎないこと。強く締めるほど傾きが大きくなりますので、意識して弱めに締めると改善します。

ベースプレートとの接続はほとんど遊びのない溝とホゾを合わせ、1/4″ボルトで固定されているため非常に剛性は高いです。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

背面側にアリガタの下25mmの位置から50mmの位置まで目盛りが刻印されています。
あらかじめお使いのカメラのセンター位置を正確に調べておけば、次回からはこの目盛りを頼りに簡単にセンター合わせができます。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

Lコンポーネント側にもRRS-Lock用のピン穴が空いています。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

RRS-Lock互換

RRS-Lock互換を示す「RRS-Lock互換マーク」が刻印されています。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

RRS-Lock(旧R-Lock)とは対応したプレートに空けられたピン穴に、対応したクランプのピンがカチッという音と共に嵌め合う事により、自動的にプレートをクランプの中央に配置し、意図しないプレートのズレを防止する機能です。

夜間撮影やスタジオといった暗い現場では、プレートがクランプに確実に載っているかわかりにくいものです。きちんと載せたつもりが載っていなくてヒヤリとした経験は、誰しもきっと一度はあると思います。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

暗い撮影現場ではプレートがクランプにきちんと載っているか判別しにくく、センターマークが見にくいためセッティングが困難です。

RRS-Lockはそういった夜間撮影やスタジオといった暗い現場で非常に良い活躍をします。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

カチッという嵌合音により、暗い中でもプレートが確実にクランプに装着された事が確認できます。また横構図の場合はRRS-Lockにより自動的にセンター合わせが出来るため、セッティングが簡単かつスピーディです。

カメラ(Nikon Z6Ⅱ/Nikon Z50)への装着例

カメラボディの装着例をいくつかご紹介します。まずは私が所有しているニコンZ6Ⅱ。MC-LSとの親和性が 高いボディです。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

ボディはNikon Z6Ⅱ。これまでの汎用プレートには無い安定感を感じます。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

ボディはNikon Z6Ⅱ。Lコンポーネントを調整すれば、完璧に端子カバーをかわす事ができます。

Z6Ⅱに装着してもっとも良い部分がLコンポーネントのRRS-Lockの位置。完璧にセンサーの中央に合っているので、機種専用品と言っても良いほどです。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

Z6ⅡにMC-LSを装着した時の、構図変更時の縦横RRS-Lock位置でのセンター比較。ほぼ完璧に一致しています。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

ボディはNikon Z6Ⅱ。やや問題となるのが「ストラップ取り付け部」との干渉です。この部分の幅があと1mm薄かったら、Z6/Z7シリーズに完璧なフィッティングだったと思います。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

ボディはNikon Z50。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

ボディはNikon Z50。

※画像はReallyRightStuffより提供。ボディはSONY α7

※画像はReallyRightStuffより提供。ボディはSONY α7

※画像はReallyRightStuffより提供。ボディはSONY α7R

※画像はReallyRightStuffより提供。ボディはSONY α7R

※画像はReallyRightStuffより提供。ボディはSONY α600

懸念点

この製品にはひとつの懸念点があります。

それはバリアングル液晶を搭載したカメラボディに対しては使用感が良くないのではないか?という事です。(アメリカの有名写真家でありブロガーのDan Carr氏のブログ記事によるとα7Rのセルフィーモードが問題なく使えるという内容の記載がありましたので、モニターを傾けて使わなければ問題はなさそうです。)

また世の中にはたくさんのカメラがあり、サイズも形状も様々です。
特にNikon Z 9やCanon EOS R3といったフラッグシップボディや、各社バッテリーグリップを装着したカメラへの使用も不向きでしょう。

全てのカメラに完璧にフィットする汎用Lブラケットを作ることはおそらく不可能ですから、ご自身のカメラボディにMC-LSの形状やサイズが適合するか十分チェックしてから購入を検討してください。

ReallyRightStuff RRS MC-LS

※画像はイメージです。チルトモニター用とバリアングルモニター用の2種類のLコンポーネントが入っていれば(もしくはユーザーがいずれかを選べるようにすれば)、バリアングルモニター問題はある程度解決するのではないかと思います。

ここまでの内容を15分の動画で振り返る

感想

この製品を受け取ったのは9月11日。MC-LSの良さは手に取った瞬間にすぐ分りました。
おそらく向こう10年はMC-LSを超える汎用Lブラケットは出てこないだろう。とも思いました。
(他メーカーにコピーされ、似たような物は出るとは思いますが…)

その日から1ヶ月と20日間、MC-LSと共に日々を過ごした率直な感想は素晴らしいの一言です。

機種専用品には及ばない部分があるのは事実です。しかしこの1ヶ月半大きなストレスや不便さを感じる事なく使い続けることが出来た事も、また事実です。

価格は$140.00
$20.00〜$50.00くらいの安価な汎用Lブラケットはたくさんありますので、一般的に考えれば高額です。

しかし私ほどマニアックな人間でもMC-LSほど満足度の高い汎用性をもつLブラケットには出会った事がありません。
今後は機種専用品が発売されるまでの間に無駄な投資をしなくて済みますし、汎用Lブラケットに起因していた様々なストレスが軽減するでしょう。
撮影ではそういった小さなストレスが原因でペースを乱されることがよくありますので、テンポよく撮影するための投資と考えればMC-LSの購入を一考する価値は十分あると思います。

さらに我々日本に住むユーザーにとって嬉しいのが、本日からB&Hで購入可能ということです!

Just a moment...

送料が少しでも安いのは有難いですよね!

気になった方はぜひReallyRightStuffの商品ページをご覧いただき、じっくりとご検討ください!
ここまで記事を読んでいただきましてありがとうございました!

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MC-LSギャラリー
ReallyRightStuff RRS MC-LS

Nikon Z6Ⅱ / Voigtlander NOKTON 50mm F1 / 50mm / f2.5 / Lightroomにてトリミング

ReallyRightStuff RRS MC-LS

Nikon Z6Ⅱ / Lensbaby Twist60 / 60mm / f1.8

ReallyRightStuff RRS MC-LS

Nikon Z6Ⅱ / Voigtlander NOKTON 50mm F1 / 50mm / f6.3

Nikon Z6Ⅱ / Lensbaby Twist60 / 60mm / f1.8

ReallyRightStuff RRS MC-LS

Nikon Z6Ⅱ / Voigtlander NOKTON 50mm F1 / 50mm / f4 / フォトショップにて吊り糸消し編集 撮影者:A.H

ReallyRightStuff RRS MC-LS

Nikon Z30 / Nikon Nikkor Z DX 18-140mm f3 / 140mm / f6.3 撮影者:A.H

ReallyRightStuff RRS MC-LS

Nikon Z6Ⅱ / Nikon Z14-24mm F2.8S / 24mm / f24

ReallyRightStuff RRS MC-LS

Nikon Z6Ⅱ / Lensbaby Sweet 35 / 35mm / f1.8

ReallyRightStuff RRS MC-LS

Nikon Z30 / Nikon AF DX fisheye Nikkor ED 10.5mm f2.8G / 10.5mm / f2.8 撮影者:A.H

ReallyRightStuff RRS MC-LS

Nikon Z6Ⅱ / Nikon Z MC 105mm F2.8S / 105mm / f11

Nikon Z6Ⅱ / Lensbaby Twist60 / 60mm / f1.8

ReallyRightStuff RRS MC-LS

iPhone14 / Camera+ / Lightroomにてトリミング&モノクロ処理編集

ReallyRightStuff RRS MC-LS

Nikon Z6Ⅱ / Voigtlander NOKTON 50mm F1 / 50mm / f1.8 / MINI MAGLIGHTでスポット光

ReallyRightStuff RRS MC-LS

Nikon Z6Ⅱ / Voigtlander NOKTON 50mm F1 / 50mm / f1

ReallyRightStuff RRS MC-LS

Nikon Z6Ⅱ / Lensbaby Edge 80 / 80mm / f1.8 / NEEWER RGB1

ReallyRightStuff RRS MC-LS

Nikon Z30 / Nikon Nikkor Z DX 18-140mm f3 / 56mm / f5 フォトショップにて吊り糸消し編集 撮影者:A.H

ReallyRightStuff RRS MC-LS

Nikon Z6Ⅱ / Nikon Z14-24mm F2.8S / 24mm / f14

Special Thanks
Joe Johnson
Robert Steffen
RRS engineering team

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haku
こんにちは三脚フォトグラファー「ハク」です。 当ブログのキャッチフレーズは「探していた三脚と雲台の情報がきっと見つかる!三脚雲台沼ブログ」です。 当ブログを読めば大抵の三脚雲台の悩みは解決できるようになるはずです。 どうぞよろしくお願いいたします!
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