Nikon Zシリーズ、現時点での最強アルカスタイル

質問者
質問者

購入したZ7のLプレートがFTZと干渉してしまいます。また大三元クラスのレンズになると、ボディで三脚に固定するとマウントに負荷が掛かり過ぎるのではないか?と不安になってしまいます。やはりFTZで固定した方が良いのでしょうか?

私はZ7ではなく、Z6ですがボディの形状は同じですので、同じとして回答したいと思います。

まずLブラケットと言えばReally Right Stuffですね。物凄く格好いいです。一応FTZを装着しても問題ないように設計されています。底の厚みは約11mmです。

しかしFTZに何らかのアルカスイス互換プレートを装着すると、縦位置以外は使い物にならない文鎮と化してしまいます。そしてこれはReally Right Stuffに限った話ではなく、KIRKやマーキンスなど、ほとんどの互換プレートでも同じです。

つまりボディとFTZ両方にプレートを付けると、どちらかが(もしくは両方)使えなくなるという非常に残念な事態に発展します。

さて解決策はないものでしょうか?

FTZ用のLプレートを導入する

まずはFTZ用のLプレート(Lブラケット)を検証します。現在出ているプレートはKIRKとマーキンスの2社。

どちらも使ってみましたが、KIRKはボディ用のプレートと並列になる向きでアリガタが作ってあるのに対して、マーキンスは直交方向に作ってあります。

これが何を意味するのかと言いますと、KIRKの設計ですと「カメラボディにLプレートを装着した状態では、FTZも使用できなくなる」という事です。KIRKには申し訳ないですがクソ設計と言わざるを得ません。

対してマーキンスは直交方向にアリガタが作ってあるので、ボディのプレートの干渉は受けません。ですので仮にボディ側のLプレートが使えなくても、FTZ側では使えるため問題が起こりにくいのです。縦位置の時に若干の光軸のズレがありますが、マクロ撮影のようなシビアな撮影じゃない限り、問題になることはないでしょう。

FTZ用のLプレートはMarkinsの「LN-FZ」で決まりです。

ただしひとつだけ問題があります。それはPC-E Nikkorレンズ(シフトレンズ)を使う際、向きを気をつけないと、ティルトノブがクランプに干渉してしまいます。Zシリーズで制限を気にせずにPC-Eレンズを使うためには、FTZ側ではなく、ボディ側のプレートを使って三脚に固定する必要があります。

ボディ用のLプレートを導入する

まず先に紹介したReally Right Stuffの「BZ7」はマーキンスの「LN-FZ」の組み合わせは、ボディ側のプレートが使えなくなります。これはKIRKやマーキンスのLプレートも同じで、干渉してしまうため使えないとアナウンスされています。

そんな中、「ギリギリ使えなくはない」プレートがSmallRigの「Z7カメラ用L-ブラケット2258」です。

Markins「LN-FZ」&SmallRig「L-ブラケット2258」

Markins「LN-FZ」と、SmallRig「L-ブラケット2258」。

この構成であれば条件付きではありますが、FTZとFTZ用のLプレートを装着しながら、ボディ用のLプレートも併用できます。なぜ併用できるかというと

このようにボディ側のLプレート自体にかなり高さがあるため、クランプの形状次第で上手くFTZを回避できます。もうあと1mm高かったら、ほぼ全てのクランプで使えただけに非常に惜しい所です。

Really Right Stuffの通常のレバークランプに装着した所、特に異音もなく装着できましたが、見た目では全く隙間が見えず、擦っているのかどうか分からない微妙な感じです。LN-FZとクランプの間に1号のテグスが通らなかったので、ギリギリ擦っている可能性が高いです。

とは言え、アルカスイス純正クランプは装着できますし、パノラマ撮影で必要なReally Right Stuffのロングプレート「MPR-CLⅡ」も問題なく装着可能です。

SmallRigのプレートの最大の欠点は縦位置プレートのアリガタの切り込みです。

プレートの端の処理が斜めの切り込みになっているのです。斜めになっている部分はクランプで挟むことができません。無理に挟むとクランプとプレートを傷つけてしまいます。最悪、故障の可能性もあります。そのため通常幅(60mmくらい)のクランプでも、センターに合わせることが出来ません。これは致命的な欠陥です。何でこんな設計にしたのか…。

ただしアルカスイス純正クランプならギリギリ問題ありません。これはもう純正クランプを使えという神の啓示か!?純正クランプのクソ仕様本当何とかしてほしい。

この構成、おすすめかどうか?

まずレンズの重さが1kgを超えるようなものをお使いの方は、Markinsの「LN-FZ」をお勧めします。理由は操作性が良くなり、マウントへの負担が軽減できるからです。ボディ用のプレートが付いていても問題なく使えるというのもポイントが高いです。

次にボディ用 SmallRigの「L-ブラケット2258」ですが、こちらはMarkinsの「LN-FZ」を使わない方にはお勧めしません。なぜなら使い勝手、仕上げ、見た目すべてがReally Right Stuffに遠く及ばないからです。単体で見るなら、Really Right StuffのBZ7を選ばれた方が絶対に幸せになれます。しかし「LN-FZ」を使うなら、不本意ですが、もうコレしかないという感じです。

次の2点に注意して導入するようにしてください。

  • 使うクランプにより縦位置撮影時、センターに合わせられない可能性がある。
  • 使うクランプにより、装着できない可能性がある。

私も満足しているシステムではないので、自信を持って勧められないのが心苦しいところですが、FTZのLプレートとボディのLプレートを共存させながら、さらにシフトレンズやパノラマ撮影までこなそうと思うと、現時点ではこのシステムしか思いつきません。もしこっちの方が良いよという物を知っている方は是非教えてください!

〜追記〜

SmallRigから販売されている「FTZ用サポート2244」を付けたら良いのでは?という声がありました。「FTZ用サポート2244」はボディ用のLプレートとFTZを固定してしまう金具です。前に勧められて買ったのですが、2244を付けたままでは、FマウントとZマウントの併用ができないので、これは両マウント使いには不便だなと思いました。またマウント保護には役立ちますが、レンズが重いと重心のバランスが悪くなります。あくまでも今回は「重いレンズを装着して」という前提を含んだお話ですので、こういう構成になりました。軽いレンズであれば、そもそもサポートなど必要ないので、やはり2244はお勧めしないなと言うのが、実際使ってみた私の感想です。

RRSプレートとFTZマーキンスLプレートとの組み合わせの部分と、PC-Eレンズのティルトノブ干渉についての説明に指摘があったので加筆修正しました。

The following two tabs change content below.
haku
こんにちは三脚フォトグラファー「ハク」です。 当ブログのキャッチフレーズは「探していた三脚と雲台の情報がきっと見つかる!三脚雲台沼ブログ」です。 当ブログを読めば大抵の三脚雲台の悩みは解決できるようになるはずです。 どうぞよろしくお願いいたします!

コメント

  1. naomiopapa より:

    2点ほど、私の使用状況と異なりますのでご報告させていただきます。

    >まず先に紹介したReally Right Stuffの「B11Z7」はマーキンスの「LN-FZ」と干渉してしまいます。

    この組み合わせで使っていますが、Lプレート同士は干渉しません。ボディ用のLプレートが使用できなくなりますが、FTZを使用する時は、FTZ側のLプレート「LN-FZ」を使うので問題ありません。

    >FTZ用のLプレートはMarkinsの「LN-FZ」で決まりです。
    ただしひとつだけ問題があります。それはPC-E Nikkorレンズ(シフトレンズ)ではティルトノブがクランプに
    干渉してしまうという事です。つまりZシリーズでPC-Eレンズを使う場合は、FTZ側ではなく、ボディ側のプレートを使って三脚に固定する必要があります。

    PC-E Micro NIKKOR 45mm f/2.8D EDを「LN-FZ」につけて使用していますが、ティルトノブはレボルビングして上側にもってくれば問題なく使えます。

    • haku haku より:

      naomiopapaさん、コメントありがとうございます。私の説明が悪かったですね。
      干渉するという意味はボディ側のプレートが使えなくなるという事を指したかったのです。ちょっと書き直したいと思います。
      PCレンズ使用に関しては、仰る通りです。ボディ側に付けた方が制限なしで使えるので、ストレスがないので、このような書き方をしました。
      この部分に関してもきちんと記載します。
      ご指摘ありがとうございました!

タイトルとURLをコピーしました