アルカスイス互換アクセサリーは多種多様、たくさんのメーカーから販売されていますが、とにかくハズレが多いこの界隈。なかなか「コレ!」と勧められる製品が少ない状況です。
今回は私が使ってきた中でこれは良かったというアルカスイス互換アクセサリーをピックアップしたいと思います。操作性の好みは賛否あるかと思いますが、いつも通りしがらみや煽てなしの本音で書き散らかします。
アルカスイス互換 マクロフォーカシングレール(マクロスライダー)
これまでReally Right Stuff(以下RRS)・Oben・ARCA-SWISSなど様々なマクロレールを使ってきましたが、剛性に不満があったり、微動中の揺れが気になるものばかり。しかしKIRK社から販売されているマクロレール「FR-3」だけは別格。ずば抜けて完成度が高い製品です。微動量が非常に細かく緻密なフォーカシングが可能な反面、ロック解除すれば粗動も可能となっています。微動中の揺れも一切なく、マクロ撮影に集中できる唯一のアルカスイス互換マクロレールです。専用ポーチ付き。
価格はB&Hで$320。国内だとスタジオJinで税込52800円。
アルカスイス互換 汎用L-ブラケット
アルカスイス互換の汎用Lプレートは、正直ろくなものがありません。KIRKもRRSもほとんどやっつけ仕事で作ったような情熱のかけらもない製品です。そんな中、Markinsの「PV-80 + LV-160 汎用型 L-プレート セット」はとてもよく考えられた汎用品です。ゴムが分厚かったり、剛性が低い点は気になりますが、とりあえずこれを一つ持っておけば専用プレートが販売されるまでの「繋ぎ」にはなってくれます。ベースプレート・縦プレートともに長さが2種類あります。
アルカスイス互換 汎用レンズプレート
レンズの三脚座に取り付ける汎用のアルカスイス互換プレートは、KIRKのKLP-360-2NLを使っています。先日発売されたZ70-200mmf2.8VRSも専用フットが出るまでは、これを付けていました。このプレートの良い点は、ネジを2点止めできることと、ストッパーを脱着できることです。3/8インチと1/4インチのネジ穴が空いているので一脚直付け派にもお勧め。残念ながらQDシステムには対応していませんが、$50とコスパ抜群。一つ持っておくと非常に便利なアクセサリーです。
アルカスイス互換 レベリングベース
レベリングベースもたくさん使ってきましたが、結局レベリングベースに載せる雲台は?となるとジンバル雲台かパノラマ雲台かビデオ雲台なんです。かなりトップヘビーな機材構成となるので、そうなると最も重要視しなきゃならないのがブレに対する強さです。そうなると断然ロープロファイル(低頭)なベースの方が安定面で有利となります。つまりハーフボール型ですね。そしてハーフボール型でアルカスイス互換となると、もうほとんど選択肢がない状態で、私はRRSの「TA-3-LC-HK」を使っています。この製品は固定力こそ強くありませんが、安定性能は抜群で、操作性にも優れています。アルカスイス互換のレバークランプが内臓されたモデルがあり、ハンドル長さやエンドフックの有無をオプションで選ぶことができます。
アルカスイス互換 キャプチャークリップ システム
キャプチャークリップシステムと言えばPeak Designの「Capture V3」ですね。私も愛用しています。ただし機種専用のLブラケットが使えなくなるので、プレートをクランプ付きの他社製のもの(HejnarPHOTO CLAMP-ADAPTER-PEAK-DESIGN / F61B)に変えて使っています。HejnarPHOTOの価格は$74。機材が重い時はプロパッドも使用しています。
アルカスイス互換 自由雲台用ジンバルアダプター
ジンバルアダプターと言えばWimberleyのサイドキック「SK-100」ですね。他社からも類似品が出ていますが、サイズや重量など総合的に見て結局これが一番なんじゃないかと思います。大きく重くなって良いならきちんとしたジンバル雲台を選べば良いので、この機動力にこそ魅力を感じるわけです。
アルカスイス互換 ケーブルリリーフスペーサー
まともなケーブルリリーフスペーサーが無いのでSmallRigと共同で製作したものです。型番は「2634」。もっと分かりやすい型番にしてほしいですね。ノブ周りには不満が残りますが、それでも世界一使いやすいケーブルリリーフスペーサーだと思います。
アルカスイス互換 スマートフォンホルダー
これまで数万円かけてRRSやらSmallRigやらエツミやらスマホホルダーを試してきましたが、結局1500円ほどで買ったUlanziの「ST-03」が一番使い勝手が良いです。すぐディスコンになる中国メーカー製品がこんなに何年も販売され続けているのは、売れているからだと思います。最小65mm〜最大110mmまでのスマートフォンを固定できます。コンパクトに折りたためるのも良いですね。
アルカスイス互換 フラッシュマウント
外部ストロボやモノブロックをアルカスイス互換雲台に装着したい場合に便利なアクセサリーです。ストロボ用コールドシュー付きプレートはRRSの「FA-CS3」。スピゴットアダプター付きプレートはHejnarPHOTOの「SPIGOT」
アルカスイス互換 パノラマクランプ
パノラマクランプ(パンクランプ)はただ360度全周パンすれば良い!と思っていませんか?実はメーカーによって非常に精度が悪いものが多いのです。普通のクランプであれば「ただ挟むだけ」で良いのですが、パノラマクランプの場合はさらに回らなければいけません。そしてその回る時に水平に回っていないことが多いのです。もしご心配な方はパノラマクランプの上に水準器を乗せて一回転させてみてください。気泡が中心からズレなければ良し、中心から動いて離れてしまうようではズレたパノラマ写真になってしまうということです。
そういった問題を抱えやすい製品ですから、しっかりと精度の高いものを選びたいところです。私はRRSの「PC-PRO」を使っています。まだ購入当時はRRSのレバークランプに相性問題が多かったので、互換性を優先してスクリュー式を選びました。今ならレバー式のPC-LRを買うかもしれません。
クランプ一体型ロングプレート(ノーダルプレート)
ジンバル雲台やビデオ雲台のバランス調整用に、また正確なパノラマ撮影のために必要なアクセサリーがクランプ一体型ロングプレートです。使用するレンズやボディに合わせて長さは2種類ほどあった方が便利です。他のメーカーからも類似品はたくさん出ています。こちらに関しては他のメーカーでも問題ないかなと思っていますが、やはり大事な機材を任せるアクセサリーですので、信頼できるRRSを選びました(相当前に買ったものですけど)。
短い方がMPR-CL、長い方がMPR-CLⅡ。
さて今回は【使える】アルカスイス互換アクセサリーを11個ご紹介させていただきました。どれも何年も使ってきた物ばかりで「買ってよかった!」と心から思うものばかりです。かならず皆様の撮影の役に立ってくれると思うので、ご興味がある方はぜひ検討の候補に入れてみてください!
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