今度はコールドシュースタンドプレートを作ってみた

仕事仲間とブツ撮りをしていた時のことでした。ガシャーンッ!という音がして振り返った時には、すでにストロボが息絶えていました。

友人曰く、ストロボの角度を変更しようと操作したら落下したそうです。一見すると電池カバーが開いただけで無事なように見えますが…

ホットシューの部分が直撃したのか、もげてしまっています。私のストロボではなく、落とした本人のストロボでした。お悔やみ申し上げます。

落下の原因

さて、こうなった原因は何でしょうか?彼はReally Right Stuffのコールドシュープレートを利用して、スタンドにアルカスイス互換クランプをつけて運用していました。一応RRSのコールドシュープレートには滑落防止用のピン穴があります。

この穴にストロボの取り付け脚ロックピン(以下、ピン)が刺さって滑落を防止してくれます。

今回の事故がきちんと穴に入っていなかったのか?今となっては定かではありませんが、ともかくロックしているからといって油断して反対側に傾けてしまったことが落下の原因です。皆様も十分注意して作業なさってください。

再発防止策

毎回きちんと確認する。というのが一番良いのでしょうが、分かっていてもうっかりしてしまうのが人間という生き物です。もっと安心して使えるコールドシュープレートは無いものでしょうか?

調べてみましたがアルカスイス互換のコールドシュープレートは各社から販売されていますが、みな似たようなものばかり。そこにストロボを守ろうという気持ちは一切ありません。これはもしかするとストロボメーカーから賄賂を貰っているのかもしれませんね。

無いなら作るしかない

仕方がないので困った時の我らがSmallRig。毎度毎度会社を私物化してしまって、誠に申し訳ございません。今回は自分たちのストロボを守るための戦いであり、製品化を目的としておりません。おそらく一般販売されないと思うので、あしからずご了承ください。

どのような製品を作るか

●安全なロックシステム
安全に、かつスピーディにストロボを脱着できるストロボマウントの設計。

●ストロボの端子がプレートに干渉しないようにしたい
コールドシュープレートとストロボの電子接点に干渉しないようにする。

●プレートにも滑落防止があった方が良い
現在販売されているコールドシュープレートは総じて、プレート自体の滑落防止機能もありません。ストロボだけ落ちないようにしても、プレートごと落としたら意味がありません。これは何とかしたいところ。

●どうせならスタンドになった方が良い
現在販売されているコールドシュープレートは、ほとんどが正方形のアルカスイス互換プレートとなっています。立たないことはありませんが、ストロボスタンドとして使うには安定感が足りません。長方形のプレートにすればストロボスタンドとして使えるのではないかと思います。

●3/8inネジ穴は必要
ダブテールがアルカスイス互換になっているとは言え、3/8inネジ穴が空いていると何かと便利です。長い雄ネジにも対応できるように、プレート中央に貫通ネジ穴を空ける。

オーダーメイドサービス、コールドシュープレートが完成!

smallrig コールドシュースタンドプレート

smallrig コールドシュースタンドプレート

記事冒頭の滑落事故からすでに2ヶ月ちかく経ってしまいましたが、ようやく完成し昨日手元に到着しました!出来栄えは上々です。仕上げも艶消しアルマイトですので肌触りが良く、高級感があります。

当然アルカスイス互換で、一般的なアルカスイス互換クランプに装着できます。Really Right Stuffのレバークランプにも対応しています。

底に3/8inネジ穴が空いているので、ライトスタンドのダボ先が3/8inネジになっていれば、直接装着できます。両端のネジ穴は1/4インチですので、このネジ穴を利用することも可能です。

そして今回の目的であるストロボの滑落防止機能。やっぱり安心感が違いますね。

smallrig コールドシュースタンドプレート

細いピンで重いストロボや無線コマンダーを支えるのが本当に不安でしたが、これで一安心です。

さらにプレート自体の滑落防止用のネジがあるので、これをねじ込んでおけばうっかりクランプを緩めてしまっても、プレート自体が滑落することがありません。

smallrig コールドシュースタンドプレート

ねじ込めば滑落防止なりますが、引っ込めればプレートの底がフラットになります。つまりストロボスタンドにもなるというわけです。長方形ですので既製品と違い圧倒的に安定感があります。

smallrig コールドシュースタンドプレート

なぜこんな大きなネジ穴にしたのか?というと手でネジを回せるようにしたかったからです。

長さは65mm。短すぎず長すぎず、試行錯誤して決定しました。このサイズであればポケットに入れて気軽に持ち運べます。

ストロボマウントを中央に配置したので、どの方向に頭を振っても安定して立ち続けます。

なぜこんな大きなネジ穴にしたのか?というと手でネジを回せるようにしたかったからです。

欠点

ストロボは製品ごとに固定方式が異なります。ダイヤルをぐるぐる回して固定する方式もあれば、自動ロック式もあります。そのためマウント部に大きな負担がかかります。将来的に少しでも負担を抑えるために、既製品にある脚ロックピン穴も併せて設けるべきでした。

今回はコスト面で実現できませんでしたが滑落防止はネジではなく、押し込めば飛び出るピンだったらもっと便利だったと思います。

最後に欠点ではなく残念な点ですが「商品化しない」ということですね。とても良い製品だと思うのですが、さすがにニッチ過ぎて私も強く押せませんでした。

ちなみに今回は1個35ドルで5個製作してもらいましたが(最終的に1個40ドルになりました…)、正式に発注する場合は50個単位ということで、ちょっと在庫を持つのは困難。。

設計デザインの権利は私にあるので、まったく同じものでなければ他で製造・販売して良いと了承を得ています。もしどこか作ってくれるメーカー・工場・企業様がいらっしゃいましたらお問い合わせフォームよりお問い合わせください。

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またダラダラ喋ってます。お時間に余裕のある方のみご覧ください。

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こんにちは三脚フォトグラファー「ハク」です。 当ブログのキャッチフレーズは「探していた三脚と雲台の情報がきっと見つかる!三脚雲台沼ブログ」です。 当ブログを読めば大抵の三脚雲台の悩みは解決できるようになるはずです。 どうぞよろしくお願いいたします!

コメント

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