アルカスイス互換 望遠レンズサポーター を望遠レンズ以外のレンズで快適に使うための旅②

ずいぶん前に「アルカスイス互換 望遠レンズサポーター を望遠レンズ以外のレンズで快適に使うための旅①」という記事を書きましたが、その続きとなります。

アルカスイス互換 望遠レンズサポーター を望遠レンズ以外のレンズで快適に使うための旅①

望遠レンズサポーターの効果

まずそもそも望遠レンズサポーターに目に見える効果はあるのでしょうか?サポーターを装着しなかった時と、装着した時に、どれだけ違いがあるか検証してみました。

ニコンP1000で3000mmまで望遠にして望遠レンズサポーターの有り無しを比較撮影してみました。上が望遠レンズサポーターなし、下が望遠レンズサポーター有りです。

如何でしょうか?上の方はかなりブレていますね。単に2つのローラーの上にレンズが乗っかっているだけのシンプルな構造ですが、望遠レンズサポーターがいかに効果的か伝わるのではないかと思います。

良い望遠レンズサポーターが見つからないから作ることにした

前回記事をざっくり振り返れば、色々な望遠レンズサポーターを使ったけれど、私の使用している望遠ズームレンズではなかなかコレという物が見つからないよ、という内容でした。詳細については前回記事を参照してもらうとして、「良い機材がないからSmallRigに作ってもらおう!」といういつも通りの内容です。

今回のオーダーメイドで考えたのは大きく4つです。

  1. Y字サポートは長すぎず、短すぎず
  2. レンズサポートを装着した状態で、床に水平に置くことができる
  3. レンズの三脚座に直接ネジ固定ができる
  4. Y字サポートに落下防止機構をつける

着手した段階ではNikonの「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」は発売前だったのですが、どうせ私専用のオーダーメイドですので、専用品に近いものを作ろうと考えました。

Nikonのサポートに三脚座の計測数値を聞いて図面を引きました。この細かすぎる設計が後の失敗に繋がるとは、この時はまだ知る由もありませんでした。

完成

一瞬で完成したみたいですけど、実はケーブルリリーフスペーサーを作っていた頃からすでに着手していましたので、先の設計からおよそ2年経ってしまいました。

その2年間の苦労話を書き始めると長文になり過ぎてしまうので割愛させていただきます。

完成したのがこちらです。

大きく分けてパーツは2つ。Y字サポートと、クランプ付きプレートです。パーツ各部の仕上がりは、他社製品に勝るとも劣りません。

今回一番大変だったのがローラー部分。苦労の甲斐あって、とても完成度の高い物に仕上がりました。

セッティングしたところ。一番のこだわりは底面がフラットになっているため、機材を置いた時に安定することです。こんな事、当たり前のようですが、実はほとんどの望遠レンズサポーターがフラットになっていないのです。

Nikon NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sの純正三脚座のネジ2箇所のネジ穴に合わせなかったのは、一応他のレンズと汎用性を持たせたかったから。3/8″のネジも入ります。

前から見たところ。

このY字サポートは内側のプレートで高さ調整します。この方式はKIRKのLS-1からヒントを得ました。

この固定ねじは開発の段階では一般販売するかも…という事だったので、汎用性を優先しました。手回しリングとコイン溝と六角穴も空いたねじですので、手回し・コイン・4mm六角レンチ、いずれかの方法で固定できます。

私は六角教の信者ですので

六角レンチをプレートの底に収納してもらいました。マグネット式で、指が掛けやすいように抉ってあります。

さらにY字プレート自体もアルカスイス互換プレートになっています。1cm程度ですが上下ともに高さ調整が可能となっています。

この1cmが重要であるのはもちろんですが、それよりもアルカスイス互換を採用することが最重要で、これにより他社のY字プレートを利用できるようにしました。

一点、私の設計通りに作ってもらえなかったのが、この股の部分。

ここにRを付けずに真っ直ぐにしてほしいと要望を出していたのですが、反映されずに最終の完成となってしまいました…。他が完璧だっただけに非常に残念です。

この部分がRになっているせいで、内側のY字プレートが一番下まで降りてくれません。

たった1〜1.5mmくらい何だ?って思われるかもしれませんが、さっきお話ししました通り、このサポーターはNikonの「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」専用で設計しました。

寸分違わぬように、ぴったりになるように設計していたことが災いし、プレートが少し下に飛び出てしまいました。こだわったポイントである「置いた時にフラット」では無くなってしまったわけです。

残念ではありますが、無料で作ってもらったのですから、これ以上何も言うまい。むしろ、ここまで仕上げてもらって感謝しているくらいです。

ヤスリで削れば良いだけです。

こんな時のために買っておいたツボサンのアルミ用ヤスリが火を吹きました。「めっちゃ削れるやん」とおじさん感動しました。

このあと最終的にペーパーで綺麗に整えてアルミ建材用フエルトペンで塗りました。

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なかなか良い感じに仕上がりました。それではいよいよセットします。

やっと下に飛び出ずに装着できるようになりました!

フラットに置けるところ。完璧です。

三脚に装着して前から見たところ。

当然ですが縦位置にも三脚座のリングを回転させて構図変更できます。Y字サポーターにローラーが付いていますのでスムーズに回転します。

若干位置を後ろにズラしてもレンズ交換に支障はありません。

うっかりY字サポートのクランプを緩めてしまっても、内側の高さを最大まで伸ばしていない限り、落ちないように設計してあります。

最大まで伸ばさないといけない場合は、裏側に小ネジ穴も空けてあるので、滑落防止ねじを入れることも可能です。


ようやく長年の夢だった(自分にとって)使いやすい望遠レンズサポーターが完成したように思います。

一般販売の予定は聞いていませんが、SmallRigは近々オーダーメイドサービスのページをリニューアルするそうで、過去のオーダーメイド作品などを見たり、将来的にはオーダーしたり出来るような構想がある。とのことです。

その通りになれば、この望遠レンズサポーターも購入可能になると思いますので、気長に待ってくれれば幸いです。

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haku
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