一昨年「コールドシュースタンドプレート」というアクセサリーを作りました。
どんな物か簡単に説明しますと、ストロボをアルカスイス互換の三脚や一脚などに装着できるクイックシューでありながら、直接テーブルなどに置いてスタンドとしても使うことができるアクセサリーです。
ご興味のある方は以下のリンクより詳細をお読みください。
今度はコールドシュースタンドプレートを作ってみた
しかしNikonユーザーである私には問題なかったのですが、SONY用のストロボには対応できないことが判明しました。どうやらホットシューの形状がまったく別物のようです。
Twitterで仲良くしていただいている池田さん(@masa_hiro_ikeda)からSONY用のGODOXのストロボをお借りしましたが、たしかに装着できませんでした。
ストロボの表示パネル側にNikonには存在しない出っ張りがあります。こりゃ入らんわけです。
このまま残念でしたと引き下がるわけにはいきません。そこで今回は池田さんのご協力&監修のもと、改めて作り直すことにしました。
早速計測に取り掛かります。
この計測値を元に再設計します。
まず上画像の赤線の幅を短くします。これでSONYマウントの出っ張りも問題なくなると思います。
ストッパーを突起に変更。…したかったのですが、残念ながらSmallRigではこの細い突起は技術的な問題がある…とのことで、こちらにはステンレス製のピンで代用することになりました。ステンレスピンだと強度もあるので問題解決です。
次に、SONYマウントには無いようですが、他メーカーに採用されている滑落防止ロックピン用の小穴も付けておきます。
GODOXのストッパーが最後までロックレバーが掛からない理由は、上画像の緑の部分の厚みが厚すぎたか、この部分までの高さが高すぎたことが原因だと思います。
クリアランスを詰め、もっとタイトに、また上部の厚みもギリギリまで削ります。ここはスモールリグの設計担当者と相談しながら数値を決定していきました。
前回のロック解除レバーが細長く、なんとなく頼りなかったので、丸型のものを提案してもらいました。
再設計から約4ヶ月、様々な困難を乗り越えて、ようやく完成しました。
本日、池田様宅に到着し、早速装着テストをしていただきました。お忙しい中、ありがとうございます!
まずは外観。自画自賛みたいですが素晴らしい完成度です。
このように装着テスト結果は完璧で、問題は一切なさそうです。前モデルではストロボが奥まで入らず、ロックも最後までかからず、と散々でしたが今回は完璧に互換性を持たせることができました。
以下、池田さんのツイートを引用させていただきます。
この度、ハクさん @dermatograph76 と共同開発させていただいた、Smallrig社製「ストロボスタンドプレート」が届いたので早速テスト。
ホットシューのストロボ、マイクなどをアルカスイス互換で三脚や一脚に取り付けできます。
・安定感が非常に良い
・落下防止ロックで安心詳細なレビューは後日。 pic.twitter.com/eOCZ8uwy8c
— Masahiro Ikeda (@masa_hiro_ikeda) April 21, 2021
詳細なレビューは後日。とのことですので、楽しみに待ちたいと思います。
ちなみに私の方でもNikon用ストロボも一応互換性を確認しました。前モデルよりもフィッティングが良く、小穴の位置や深さなどいずれも完璧です。
というわけで、今回のオーダーメイドは大成功と言っても過言ではないでしょう!池田さん、ご協力いただき本当にありがとうございました!
さて、この「ストロボスタンドプレート」ですが一般販売の予定は未定です。「将来的に購入が可能になると思う」という感じの緩い返事はいただいていますので、気長に待っていただけると幸いです。
ただ「どうしても待てない!」という方のために、ごく少数ですが現執筆時点で在庫は残っております。
もしご希望の方がいらっしゃいましたら問い合わせフォームよりご連絡ください。
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