Nikon Z6IIのバッテリー EN-EL15c のお話し②

さて今回はNikon Z6IIユーザーのみならず、USBタイプC給電可能なカメラボディをお使いの方にはぜひご紹介したい内容となっております。

Z6IIのバッテリーの基本性能に関しては過去記事に詳しく書きましたので、未読の方はそちらをご覧ください。

Nikon Z6IIのバッテリー EN-EL15c のお話し
今回はZ6IIの充電給電機能と、付属バッテリーの「EN-EL15c」のお話しです。 Z6IIと一緒にリニューアルされたバッテリー周りの機能と、EN-EL15cはどこが新しくなったのでしょうか? ●バッテリーの容量が増えた 前モデル...

その前回の記事を書いた時にモバイルバッテリーから充電・給電の検証をしたのですが、とても満足できるような性能ではありませんでした。

しかし私の使っているモバイルバッテリーは購入からすでに2年ほど経っており、もしかすると最近のモデルだと出力が上がっているのかもしれません。そこで調べてみたところ2020年現在では、何やらPD(Power Delivery)に対応した急速充電できる高出力モデルが主流になっているとのこと。

USB PD(Power Delivery)は最大100Wの大きな電力供給を可能にするUSB電力拡張規格で、スマホはもちろん、ノートパソコンだって給電できます。これならカメラボディだって何とかなりそうです。

そんな訳でPDに対応したモバイルバッテリーを購入してみました。あんまり高いものだと失敗した時の精神的ダメージが大きいので容量小さめの安いものを選びました。また容量が大きいとサイズも大きくなる傾向があるので、持ち運びや三脚への取り付けに不便なことも懸念です。

当たり前ですが安いけどしっかりPSE認証済のものを選びました。(※2019年2月1日からモバイルバッテリーはPSEマークの表示が義務付けられ、表示されていない製品の流通は禁止されました。個人売買も禁止されているので注意が必要です。

容量は10000mAhしかありませんので、通常のiPhoneなら2回充電できる程度です。一泊撮影であれば10000mAhくらいのモデルが一番扱いやすいのではないかと思います。

検証の前に

今回、なぜこの検証をしようと思ったかと言いますと純正バッテリーが高すぎるからです。Z6IIはサードパーティ製の互換バッテリーが対応しなかったため、仕方ないから純正買うかと思って見てみたら、なんと1個6000円もするじゃないですか。しかも1個じゃ足りないんです。

もうとっくにライフはゼロの私にとってこの出費は痛い。6000円も出してそれがワクワクドキドキする物なら良いですけど、届いても何の感動もありませんからね…。

そこで2000円程度で買えるモバイルバッテリーが純正バッテリーの代用になるなら、それほど嬉しいことはありません。

そんな訳で期待を胸に早速検証してみましょう!

まずはカメラとUSBケーブルを取り付けるためには、三脚の脚にモバイルバッテリーを装着する必要があります。しかしそのアクセサリーを持っていくのを忘れると意味が無いですし、何より本当に忘れる自信しかありません。きっと初回だけでその次からは忘れてしまいます。

そこでモバイルバッテリーにベルトが付いていたら良いんだな?と思いこちらを買いました。

これなら常にモバイルバッテリーに装着しながら充電もできますし、着脱も容易です。

スマホも装着可能です。 でも撮影だとバイブの振動や操作時にブレてしまうので、スマホは付けない方が良いかもしれませんね。

いざ検証

テスト①

Nikon Z6IIのバッテリーEN-EL15Cを満充電(100%)し、1時間連続で録画(Z6IIは30分制限があるので30分×2回)した時のバッテリー残量を計測する。動画設定は1920×1080 60p/高画質設定/MOV記録。

結果:内蔵バッテリーEN-EL15Cの残量…100%→65%35%減

動画ですと約171分でバッテリーが尽きる計算です。

テスト②

先ほどの状態(65%)からモバイルバッテリーとZ6IIを、USBケーブル UC-E24(カメラ側Type-C/接続機器側Type-A)で接続し、1時間充電した時のバッテリー残量を計測する。ついでにモバイルバッテリーの残量も計測する。

結果:内蔵バッテリーEN-EL15Cの残量…65%→78%13%増
モバイルバッテリーの残量…100%→93%7%減

モバイルバッテリーで満充電にするには7時間41分かかり、モバイルバッテリーは53.8%消費する計算です。

テスト③

先ほどの状態(65%)からモバイルバッテリーで給電しながら、Z6IIを1時間連続で録画(Z6IIは30分制限があるので30分×2回)した時のバッテリー残量を計測する。動画設定は1920×1080 60p/高画質設定/MOV記録。ついでにモバイルバッテリーの残量も計測する。

結果:内蔵バッテリーEN-EL15Cの残量…78%→53%25%減
モバイルバッテリーの残量…93%→88%5%減

主に内蔵バッテリーを消費しながら、モバイルバッテリーからも少し電力を貰ってるって感じですね。動画ですと約240分でバッテリーが尽きる計算ですので、内蔵バッテリー単体よりも約70分記録は伸びましたが、モバイルバッテリーは20%ほどしか活用できていません。

…と、ここまでは前回の検証記事とほとんど差はありません。

そこで今回新たに導入したのがこちらです。

テスト④

改めて先ほどの状態(87%)からモバイルバッテリーとZ6IIを、USB PDに対応したUSBケーブル(カメラ側Type-C/接続機器側Type-C)で接続し、1時間充電した時のバッテリー残量を計測する。ついでにモバイルバッテリーの残量も計測する。

結果:内蔵バッテリーEN-EL15Cの残量…53%→87%34%増
モバイルバッテリーの残量…88%→64%24%減

USBケーブルを変えただけで2.61倍も充電性能がアップしました!USB PD経由で充電すると、約3時間で満充電となり、モバイルバッテリーの容量は約70%消費することが分かりました。

テスト⑤

先ほどの状態(87%)からUSB PDに対応したUSBケーブル(カメラ側Type-C/接続機器側Type-C)でモバイルバッテリーで給電しながら、Z6IIを1時間連続で録画(Z6IIは30分制限があるので30分×2回)した時のバッテリー残量を計測する。動画設定は1920×1080 60p/高画質設定/MOV記録。ついでにモバイルバッテリーの残量も計測する。

結果:内蔵バッテリーEN-EL15Cの残量…87%→85%2%減
モバイルバッテリーの残量…64%→42%22%減

こちらもケーブルを変えてから飛躍的にモバイルバッテリーの消費性能が向上しました。計算上、モバイルバッテリーは約4時間半持ち、その時のEN-EL15Cの残量は91%ですから、そのバッテリーで155分録画できます。つまり満充電したEN-EL15Cと10000mAhのモバイルバッテリーで約7時間ぶっ通しで録画できるという訳です。

モバイルバッテリーが複数個あれば、さらに連続撮影が可能となります。(理論上は最大2日間と2時間)

また純正バッテリーや互換バッテリーだとカメラにしか使えませんが、モバイルバッテリーですとスマホの充電にも使えます。何より2台同時充電できますので、カメラに給電しながらスマホの充電も可能です。

価格も純正バッテリーだとEN-EL15bで約4000円、EN-EL15Cが約6000円。対してモバイルバッテリーですと容量はEN-EL15Cより大きいのに約2000円と1/3で購入できます。ホルダーとPD対応ケーブルを一緒に購入しても同じくらいの出費で抑えられます。

テスト⑥

カメラバッテリーEN-EL15の残量がなくなった状態でPD給電したとき、はたしてボディは動作するのかを検証。

結果:残念ながらカメラは「撮影できません。バッテリーを充電してください」といった内容のエラーメッセージが出て撮影はできませんでした。充電可能なEN-EL15bもしくはEN-EL15cであれば、一旦20分ほど充電すれば10%くらいは回復します。その後給電しながら4〜5時間撮影する、と言った運用が可能となります。b以前の古いバッテリーだと、こういう便利な運用ができないので、持っていくバッテリーを間違えないように注意してください。

まとめ

●USB TYPEC給電に対応したカメラボディであればPDに対応したモバイルバッテリーがおすすめ
●USB PD給電・充電であれば、家庭用コンセントと遜色ないくらい使える

USB PDに対応したUSBケーブル(カメラ側Type-C/接続機器側Type-C)を使わないと、PDの恩恵を受けられない

カメラバッテリーの残量がゼロの状態ではPD給電でも撮影はできない

●三脚の脚に取り付けるなら巻きつけるベルト付きホルダーがあれば便利。

●カメラ用途であれば容量は10000mAhは最低必要。

容量は大きいと、ベルト付きホルダーに合わない可能性があります。サイズをよくご確認のうえ選んでください。

今回はとても良い検証結果でした。参考になりましたら幸いです。

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haku
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