2019年10月に突如姿を現し、1年以上長く沈黙を続けてきたReally Right Stuffのトラベル三脚がついに発売となりました!予約開始時にはすでに完成していたようで、予約注文からわずか3日ほどで出荷となりました。届きたてホヤホヤのルーキーをたっぷり紹介したいと思います。
さてまずはスペックから見てみましょう。
ASCEND-14(コンパクト) | ASCEND-14L(ロング) | TFC-14 Mk2 | Gitzo GT2545T | PD Travel Tripod | |
縮長 | 47cm | 54cm | 45.97cm | 44.5cm | 39.1cm |
全伸高 | 152cm | 175cm | 120cm | 154.5cm | 152.4cm |
重量 | 1.45kg(雲台含む) | 1.534kg(雲台含む) | 1.12kg(雲台含まず) | 1.335kg(雲台含まず) | 1.27kg (雲台含む) |
耐荷重 | 13.61kg | 13.61kg | 13.61kg | 12kg | 9.1kg |
段数 | 4段 | 4段 | 4段 | 4段 | 5段 |
実勢価格 | 151,000円(輸入価格・送料税金別)2020/12/9時点 | 161,400円(輸入価格・送料税金別)2020/12/9時点 | 87,000円(輸入価格・送料税金別)2020/12/9時点 | 110,700円 | 86,600円 |
似たような位置付けだったセンターポール付き軽量三脚「TQC-14 Mk2」は、この度のサイトリニューアルで廃番となったようです(廃番では無かったみたいで後日、ラインナップに復活しました)。比較対象としてRRSのTFC 1型、Gitzoのトラベラー2型、ピークデザインのトラベルカーボンのスペックも掲載しました。
①縮長…比較対象製品中ではあまりコンパクトとは言えません。特にロングの方は旅行向きとは言えないように思います。
②全伸高…コンパクトは他社のトラベル三脚と似た感じですが、ロングは圧倒的に高さがあります。私はTFC-14Mk2がすごく気に入っていたのですが、唯一の不満は高さでした。シリーズ1である程度の高さがあるモデルを待ち望んでいたのでとても嬉しいです。センターポール非使用時でも146cmあるのは嬉しいですね。ただいくら高さがあっても三脚としての性能が高くなければ意味がありませんので、その辺りも後ほどじっくりチェックしたいと思います。
③重量…雲台を含んだ重さとして考えれば、これも普通という感じです。雲台の性能が良ければロングでも納得の重量だと思います。
④耐荷重…これは各メーカーにより様々ですので無視します。
⑤段数…5段だと一番下の脚が細くなりすぎるので4段で良いと思います。
⑥価格…これが一番のネックですね。ロングになるとピークデザインの倍近い価格で、いくら雲台付きとは言え、ちょっと高すぎる価格設定かなと思います。
外観&各部説明

※画像はReally Right Stuff の製品紹介ページより
従来のモデルとよく似たReally Right Stuffらしいデザインです。雲台に関してはボールクランプ「BPC-14」を大きくしたような形状ですが、基本的にどのメーカーとも被らない斬新さを感じます。センターポールのロックレバーも新たな試みですね。
素材はT6061アルミニウム合金。摩耗保護のためタイプ2のアルマイト(陽極酸化処理)が施されています。
磁気プルタブと付け根の金具の形状がMk2から少し変更されています。金具の裏側にはベント(小さな通気口)が付いておりスムーズな脚の伸縮が可能となっています。
今回の目玉ともいうべきセンターポール。この形状にすることで、コンパクトに収納できるだけではなく、センターポールの空転防止も兼ねています。よく出来た形状だと思います。屋外では滅多に使うことはありませんが、ストロボを多用する屋内撮影ではセンターポールは正義です!
今回新たに採用されたセンターポールのロックレバー。正直めっちゃ使いやすいです。というかTQCのロックシステムがめちゃくちゃ使いにくかったので、感動すら覚えます。
ウエイトフック。エンドフックとも言いますね。重りをかけて三脚を安定させることができます。
このエンドフックとセンターポールの間にある真鍮製の金具は角度を変更する事ができます。これを45度角度変更しておくことによってセンターポールのすっぽ抜けを防ぐ事ができます。これは賢い!
もちろんショートポールにもできます。工具などを使わずに比較的簡単にショートへ変更可能です。TQC-14Mk2の一番の問題点が改善されました。
カーボンの柄やパイプ径に変更はありません。多分一緒だと思います。
ツイストロック機構。ここもMk2三脚と同じようです。
目一杯伸ばしたところ。センターポールを伸ばさなくてもまぁまぁ良い高さ(172cmの身長で足を軽く開いて立った状態でアイレベル)です。
ショートポールにしてグラウンドレベル。ショートポール分の高さはありますが、想像以上に低い位置にセットできます。
さぁいよいよ雲台部分。特許出願中だという雲台一体型のセンターコラムのシステムですが、機構としてはかなりPeakDesignに似ています。その辺の特許上のバッティングはないのでしょうか?そもそもどの部分を出願しているのか謎です。
クランプには水準器が搭載されています。センターマークも刻印されており、短くて使いやすいとは言えませんが六角レンチも収納されています。クランプがパンニングクランプとなっているのでパノラマ撮影が可能です。
ロックシステムは一見BC-18やBPC-16と似たレバーロックですが、ボールは通常の自由雲台と同様、雲台ボディ側に格納されています。
クイックリリースクランプのロック/アンロックもレバー式ですので、操作を間違えないように注意が必要です。
ボールにグリースが塗布されています。個人的にちょっと嫌なので可能な限り拭き取っておこうと思います。
センターポールを伸ばさない状態でもそこそこ操作の自由度は高いです。
このようにドロップノッチ(溝)を利用すれば55度まで傾けることが可能です。Lプレートを使用しているユーザーであれば、ほぼセンターポールを伸ばす必要はなさそうです。そのためセンターポールに起因するブレの心配がほぼ無いと言えます。
エンデュランスのマルチケースに収納できました。まだまだ余裕があります。
個人的には雲台は使いやすい物に変えたかったのですが、予約時に通常のネジベースのオプション販売が始まってなかったので、今回は見送りました。いずれ販売が始まったら購入しようと思っています。
動画
Really Right Stuff公式紹介動画 「Ascend Overview」※私が購入したロングではなくコンパクトの方が紹介されています。
感想とあとがき
さて本日届いたばかりのASCEND-14のご紹介でした。まだ実際に使っていないのでレビューはしばらくお待ちください。ちょっとだけ触ってみた感想としては「これまでのシリーズ1の弱点をほぼほぼ克服してきたな」と思いました。
雲台に関してはレバー式ロックが使いやすいかというと、そんなに使いやすくありません。これは購入前から分かっていました。RRSのBC-18やBPC-16を使ったことがある方なら想像がつくと思います。あんな感じです。
またフリクションコントロールもないので、半締めしながら位置合わせもできません。また下部に独立パンもないので、ちょっと左右に振りたい場合も不便です。つまり通常の雲台と比較すると、構図合わせを追い込みにくいです。
しかし雲台が三脚とほぼ一体化している点において、ブレに対する強さが期待できます。
そして雲台ではなくレベリングベースとして、ビデオ雲台やジンバル雲台のベースとして使えます。またはアルカスイスCoreレベラーなどをギアヘッドにすれば、超軽量なハイブリッド雲台にすることも出来そうです。
「ああすれば良いのではないか?」「あの機材と組み合わせれば面白そう!」など色々想像をかき立てさせてくれる三脚です。
近々レビューも書きたいと思いますので楽しみにお待ちください。
【商品ページ】https://www.reallyrightstuff.com/Ascend?quantity=1


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