なぜ三脚を買うのか?
まず三脚を買う前に「なぜ自分は三脚を買うのか?」とご自身に問うてみて下さい。
最初の一本目で訳も分からずGITZOの三脚やアルカスイス雲台を選ぶ方は少ないでしょう。最初は取りあえず何だって良いやという気持ちで1000円の一番安い物を選ぶ人も多いと思います。安いのを買おうと思っていたけれど、店員さんに勧められて1万円くらいの三脚を買った方もいるかもしれません。
そしてそれで満足してしまったり、結局使わなかったという方は、まずこのブログには辿り着きません。きっとすでに「Gitzo」「アルカスイス」「Really Right Stuff」「KIRK」などのメーカーの存在を知り、興味を持たれた方が来られているのだと思います。
さて、そういう存在を知って尚、なぜあなたは三脚を買うのか?それは深い深い沼の入口。本日はそんなエントリーです。
キラー三脚を手に入れよう
さて、三脚を選ぶ上で、特に重要なことは「三脚の大きさ・重さは適当なものを選ぶ」こと。これが意外と難しかったりします。大は小を兼ねると言って、少し大きめを買われる方がいますが、これが大抵失敗します。まずメインで使いたい用途一本に絞って、重さ・大きさを妥協せず選んでください。どうせ後々欲しくなるのであれば、可能な限りメーカーも妥協しない方が良いと思います。
そうして選んだ一本は、たとえ万能ではなくても、自分のキラー三脚となります。
二本目を手に入れる
次にその三脚では不向きな被写体が出てきたとします。しかしそこで「買い替えよう」と考えてはいけません。なぜならアレもコレも完璧に対応してくれる夢のような三脚は存在しないからです。今度も同じように、その被写体に一番適した一本を増やせば良いのです。
三脚の本分はブレ防止
ブレ防止。大事な事ですね。しかし残念ながらその三脚がどれだけブレに強いのか、カタログを見たって、触ったってよく分かりません。実際、細いのに意外とブレに強かったり、その逆という事もよくあります。機材との相性だってあると思います。
「カーボンファイバーはブレにくい」とか、「三脚は重ければ重いほど良い」とか、人によって理論も様々です。批判を怖れずにいえば「同じ重さであればカーボンの方が振動吸収率が高い分、アルミ製よりもブレにくい」程度だと思います。私の経験上、カーボンであることよりも、重量の方がブレには重要な気がします。
お持ちの機材に合っていない三脚を使う事による一番のデメリットは「せっかく持ってきたのにブレを防げない可能性がある」ことと、機材転倒の怖れがあるということ。機材に合った丈夫な三脚を選んで、できる限り水平に立てることが重要です。風が強い日には重しを付けます。この時三脚にエンドフックが付いていたら、難なくバッグを吊り下げることができます。こういう点も買う時に「まぁ良いか」と安易に考えていると、後々になって悔やむ事になります。
水平は大事、水平は大事、大事だから2回言います
慣れない間は「水平に立てる」ことも難しいものです。この時、頻繁にロックを開閉しますから、ロック周りにストレスを感じる製品だと後悔します。レバー式かロックナット式かという話ではなく、まずは実際に触ってみて自分に合っているか?を確認しておくと確実でしょう。
センターポールは必要か?
この題材だけで一本記事が書けそうですが、これも被写体によると思います。Really Right Stuffの創業者ブライアンならば「センターポールなんて糞だ!」言い捨てそうですが、そもそもブレないストロボ使用時のブツ撮りでは、無くてはならない便利なアクセサリーです。
ただ光の条件が悪くなればなるほど、センターポールは短所となってしまいます。「使うかどうか分からないけど、取りあえずあれば便利そう」という理由だと、失敗する可能性があります。
またセンターポールの弊害はブレだけではありません。ローアングルで撮影したい場合、非常に邪魔な存在です。一部機種には横に倒して回避できるものもありますが、お世辞にもブレに強い機構とはいえません。
カーボンだって冬は冷える
寒い時期はアルミ製だと皮膚が貼り付くのではないかというくらい冷えます。ただしカーボンだって寒い時は冷たいです。三脚カバーを付ければ解決しますので、あまりグリップの有無にこだわる必要はないと思います。
三脚がないと出来ない表現がある!!
夕景・夜景・望遠撮影・マクロ撮影・スローシャッター・バルブ撮影・多重露光
これらの作品の完成度は、三脚の性能によって大きく影響します。こういった三脚がないと撮影が難しい被写体は、たとえ三脚を使っても撮影は難しいものです。三脚を使ったら直ちに完璧な写真が撮れるほど甘くありません。真剣に取り組むなら体力の許す限り、重くしっかりした三脚を選びましょう。
まとめ
なぜ三脚を買うのか?その答えは写真のクオリティを高め、新しい表現手法を手に入れるためです。自分に合った三脚を選べば、きっとあなたの写真がレベルアップするはずです!
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