今回はRRSの自由雲台に付いているクランプの、もっとも適切な外し方と取り付け方をご紹介したいと思います。
「外し方と取り付け方なんて六角レンチを回して緩めたり締めたりするだけだろ?」なんて思っている方が多いと思いますが、実はそうではありません。
まず普通に三脚に雲台を装着した状態で、普通に六角レンチを回してネジが緩むようでは、締め付けが足りていない可能性が高いです。
普通であれば
こんな風にネジよりも雲台が緩んでしまいます。雲台の出荷状態のままであれば、よほど強く雲台と三脚を固定しない限り、ネジの締め付けの方が強く固定されているからです。
しかしこれでは永遠にネジを緩めることができないので、クランプを90度倒します。
また六角レンチを使う時のポイントは、垂直に押しながら回すのが六角穴を舐めないポイントです。反時計回り方向にレンチを回せばネジが緩むはずです。
力の配分は「押す力7・回す力3」。回す方にだけ力を入れてしまうと、舐めてしまう可能性が高まります。その理由は、回す方向だけに力が掛かると、回す力や押す力がうまく伝わらないので、工具が浮き上がってしまいます。これが「カムアウト」です。
また精度が低いやビットとレンチを使うと、カムアウトが起こりやすくなるので注意が必要です。
ネジが緩んだらクランプを元の位置に戻して、ネジを外します。90度倒した状態では、ネジに負担が掛かります。またクランプやネジの落下のリスクも高まります。
取り外すとこのように雲台のステム(首)にはホゾ(突起)が、クランプの裏側にはミゾがあります。ホゾとミゾはカッチリと差し込んで装着することにより、クランプにネジが緩む方向に強い力が掛かったとしても、ズレを防ぎネジが緩みにくくなります。
クランプを換装する場合は、ホゾとミゾのサイズが一致するものを選ぶ事が大切です。
続いて取り付け方です。まずはネジを軽く締めます。この時強い力では締め付けないように注意してください。
締め付ける時はトルクレンチを使用した方が安全です。
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トルクレンチに関しては過去に詳しく書きましたので、よく分かんないよって方はこちらをお読みください。→トルクレンチを使えば三脚・雲台がもっと快適で安全になるぞー!
Really Right Stuffの自由雲台のクランプの締め付けトルクは5N・mです。Really Right Stuff社に問い合わせをして得た回答ですので間違いありません。
東日製作所のサイトにあるトルク表を見るとT系列M6ネジの締め付けトルクが5.2N・mですから、RRSのネジは6.35mm(1/4”)ですので妥当な締め付けトルクと言えるでしょう。
最後にネジロック剤を塗布すべきどうかですが、本来であれば塗布した方が良いでしょう。脱着できるように、ごくごく少量でも構いませんので塗布しておくと安心です。ロックタイト242(中強度)がお勧めです。
ただし古いネジロック剤を綺麗に清掃していないなら、逆に塗布しない方が良いと思います。古いネジロック剤の清掃にはガスケットリムーバーがお勧めです。
作業終了です。この内容を動画見たい方はこちらをご覧ください。
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