ブログを書くに当たって「三脚の高さ」や「雲台の重さ」を測定することがあります。時にはクランプを固定している「ネジのサイズ」なんかを測定することもあります。
これって機材ブロガーあるあるなだけで、一般のフォトグラファーには、一切共感も同意も得られない気がしますが、今回もこれっぽっちも気にせず私が使っている計測機器をご紹介したいと思います。
コンベックス
三脚の高さを測る時に使っているのがこちら!
私が使っているのはディッキーズのコンベックスです。
コンベックスって何じゃー?と言いますと、一般的にメジャーと呼ばれているものです。このコンベックス、何が良いかってまずオートストップなんです。
コンベックスって大抵は戻らないようにスライドさせて止めるストッパーが付いてますけど、こちらのコンベックスは伸ばしただけで何もしなくても止まってくれるんです。これすっごく便利。
先端がマグネットになっているので、スチル製のドアなどにくっ付けて、玄関の間取りを測定したりする時も重宝します。
ロック解除ボタンは2箇所付いていて、親指でも人差し指でもどちらでも押せるように配置されています。
JIS1級を通っていますので様々な現場に持ち込むことが可能です。現場といえば日本の建築の現場で必要な「半間(はんけん)」や「1間(いっけん)」マークの表示もされています。
何てったってデザインがイケてるので、愛着を持って一生使っていけるコンベックスだと思います。
ノギス
カーボンの脚って結構傷つきやすいので、スチール製やステンレス製のノギスのジョウ(測定するときに挟む部分)を当てるのにも神経を使います。そこで紹介したいのがカーボン製ノギスです。
カーボン製なんて書いてありますが「ほんまかいな?」と疑ってしまうほど、触った感じがプラスチッキー。安心して脚にジョウを当てることができます。まさか安っぽさがプラスに働くなんて思いもよりませんでした。
ちなみにこちら、0.1mm単位しか測定できませんが、パイプ径を測定する程度の目的であればこれで十分だと思います。また他にも違うメーカーから似たような製品で、1500円〜2500円くらいで販売されています。私も2本ほどカーボンノギスを使いましたが、結局どれも0.1mm単位で、計測精度もこちらと比較して誤差はありませんでした。なので、一番安いこちらをオススメしたいと思います。購入後かれこれ3年ほど経ちましたが、一度も電池が切れず今日も元気に働いてくれています。この値段を考えたらコスパは高いと思います。
正確に測定したいという時はミツトヨのノギス を使っています。特にデジタルは使いやすいので重宝しています。
今回ご紹介する計測機器の中ではすこし高額ですが、正しい測定結果が得られるというのは、とても気分が良いものです。それに自信を持って、測定結果を世に公表することができます。
デジタルスケール
三脚や雲台の重量を測定したい時に使っているのが、こちらのデジタルキッチンスケールです。
このスケールは5kgまで測定できるので、ハスキー三脚など雲台一体型の少々重い機材でも計測可能です。とても心強いです。
しかし残念なのは測定精度。特に1g、2gという超軽量なものを測る場合の正確性を欠きます。試しに1円玉を置いてみますと…
このように表示は「0g」。載せる測定位置によっても1g程度の誤差があります。三脚のように1kgを超えるような重さの物でしたら1gの誤差は問題ないと思いますが、例えば5gのネジが6gと表示されてたら大きな差に感じる方がいらっしゃるかもしれません。
そのため1kg以内の軽い機材の重量を測定する場合は0.1g単位で測定可能なタニタのキッチンスケールを使うようにしています。デザインはキッチン用の白いやつなので、あんまり好みではないのですが、値段がお手頃なので購入しました。精度を優先したいときに使っています。たださっきのスケールと違って、こちらは2kgまでしか測定できません。
ピッチゲージ / スクリューゲージ
雲台や三脚に凝り始めると割と悩まされるようになるのがネジです。私くらいのオタクになってきますと、触ったらmmかinchか、何mmのネジかがだいたい分かりますが、最初はまったく分かりませんでした。
そんな時に持っていると便利な工具がスクリューゲージです。
使い方はいたって簡単。ネジがぴったり入るネジ穴を探すだけです。
こいつがあればあっという間にそのネジが何者なのか分かってしまうのです。右横にはピッチまで書いてくれてるという親切設計。インチはUNCはもちろん、UNF規格も測定可能です。ただしメートルは並目のみ対応で、細目には非対応なのは残念ポイントです。
しかしこんなに便利な計測機器なのに、一般消費者向けには販売されていないようで、入手しづらいのが難点です。
細目ネジの話題が上がったついでに、ピッチゲージもご紹介しておきます。
ピッチゲージはネジ山のサイズを測定できるという計測機器で、だいたいのネジの太さとピッチが分かれば、下の「ボルト・ネジ ピッチ早見表」と照らし合わせれば、そのネジが一体どんな規格のネジであるのかが判明します。
メートルとインチの2種類が販売されていますので、三脚雲台好きならどちらも押さえておきたいですね。
スクリューゲージで入手しやすいものは無いかと探したところ、お手頃価格で見つかったので買ってみました。
「ピッチゲージ ボルトゲージ セット」という商品名で4枚に分かれているのがちょっと面倒臭いですが、通常のピッチゲージと違っていちいち広げなくても良いのが楽です。
ただボルトゲージの方はネジ切りされているわけではなくスルーホールですので、慣れるまでは本当に合っているのか不安です。ピッチゲージも先ほど紹介したシンワの物より精度が低く、慣れるまでは読み取りに苦労しました。慣れてきたら判別できるようになりますので、この価格ならまぁまぁ良しとしましょう。
トルクレンチ
ボルティング(ボルトで固定すること)において、軸力は非常に重要です。弱すぎると緩みやガタ・故障の原因に繋がりますし、強すぎるとボルトの変形・断裂や、機材の破損の原因となります。特に三脚の脚の開脚固さに関しては、3本の脚が均等に適切な軸力で締まっていない状態では、快適に使用できません。
そんな見えない軸力ってやつを、我々ユーザーがコントロールしてしまおうという工具がトルクレンチなんです。私はKTCのデジラチェを使っています。少々お値段は高かったのですが、トルクに関しては適切にかけたかったので奮発して良いものを選びました。
毎回メンテナンスの度に、脚の開脚固さの締め加減で悩んでいる…
って方、いらっしゃいますよね?分解清掃を頻繁に行う方でしたら、この面倒臭ささが凄く伝わるのではないかと思います。
しかしですよ!トルクレンチがあると、毎回すべての脚の開脚が常に丁度いい固さに締めることができるのです。快適!快適すぎます!
あとは自由雲台のクランプを交換するときに、どのくらいの強さでネジを締めたら良いんだろう?と悩んだことはありませんか?まさか目一杯力任せに締めたりしてませんよね?
ネジは太さや使用方法によって締める強さが決まっています。例えばReally Right Stuffの雲台にクランプを取り付ける時の設定トルク値は5Nmです。Really Right Stuff社から得た情報ですので間違いありません。クランプ固定に使われているボルトは、呼びが1/4″の皿ボルトですから、ごく一般的な締め付けトルク値と言えるでしょう。
これもですよ!トルクレンチがあると、公式と同じ締め付けトルクでクランプを固定できるわけです。安心!これで夜もぐっすり眠れます!
不満点は3Nm以下の低トルクには対応していないということ。意外と三脚雲台周りは小さなネジが使われていますので、いつか低トルク用のトルクレンチも買おうかなぁと企んでいます。
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