クイックシューなどに使われるカメラネジ。六角穴が増えてきましたが、まだまだ根強く残っているのがマイナスネジです。
コイン式とも呼ばれていて、硬貨でネジを回すことができる点がメリットですね。しかし少し奥まった所で締める場合、硬貨が当たってしまうのでまったく締めることができません。
そこでコインドライバーと呼ばれている工具があるのですが、刃先がRになっておりカムアウトしやすく、マイナスネジの形状がRになっているもの以外はお勧め出来ません。
お勧めできる汎用工具では、PB SWISS TOOLSのスタビーマイナスドライバー 10.0X1.6mm 8135-6-30 くらいしか無いと思います。

しかし刃先の厚みは実測で1.55mmしかなく、一般的なカメラネジのマイナス溝には少し厚みが足りません。
もっとタイトにハマるドライバーは無いものか色々探したところ、水栓ドライバーの方がもっと肉厚だということが分かりました。
しかし硬貨と同様、刃先の幅が大きすぎて奥まったところにあるネジにはアクセスできません。
そこで10mmくらいまで鉄工ヤスリで削ってしまうことにしました。使うヤスリはツボサン ブライト900エクストリーム BRHIEX01です。

2時間ほどかけて何とか削りました。
厚みはメーカースペックでは1.6mmですが、実際にネジ穴に噛むあたりの厚みは1.85mmもあります。これだけタイトですと、カムアウトしにくいと思います。
ビット式なので、好きなハンドルを付けられるので、このようなビットラチェットにも装着可能です。早速試してみましょう。
まずは渾身の力を込めてPBのスタビードライバーで回してみました。この位置以上回すことができれば、今回の試みは成功と言えます。
クイッと回りました!かなり力強く締めることができました。
参考までに硬貨とPBスタビードライバーと水栓ドライバー改で締めた後にKTCのデジタルトルクレンチ「デジラチェ」で計測してみたところ硬貨は計測不能を示す「0」。1.5N.m以下は計測できない仕様のため、1.5N.m以下という事です。PBスタビードライバーが3.18N.m。水栓ドライバー改&ビットハンドルだと何と6.35N.mでした。
カメラの装着が一般的かどうかは別として、1/4”ネジの一般的な締め付けトルクが5〜6N.mですから、いくらカメラへの装着とはいえ、硬貨では少し締め付け力が足りないのではないかと思います。
逆に今回紹介した水栓ドライバー改の場合は、カメラへの固定ではオーバートルクになる可能性があります。PBのスタビードライバーが一番適しているかもしません。
三脚座とプレートの固定といった、強い締め付けが必要な場合など、使用用途に合わせて使い分けていきたいと思います。


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