【雲台レビュー】Really Right Stuff BH-55 レビュー

今回はReally Right Stuff の BH-55 を買い直したので改めてレビューしたいと思います。BH-55はReally Right Stuff(RRS)社の自由雲台の中でもっとも大型の自由雲台です。

昔と今、どこが変わったの?

BH-55は非常に人気が高く、デザインも洗練されているため意外かもしれませんが、かなり古い製品です。海外のブログでは2004年頃にはすでに良質な雲台として紹介されています。私が初めて買ったのはいつだったか正確には覚えていませんが、当時の海外の写真家のハウツー本にはアルカスイスZ1の廉価版という紹介がされていました。

パッと見た目はロゴが変わったくらいで、大きな変化はありません。

フリクションコントロールノブの形状が丸型から平型に変更されました。目盛りと確認窓もなくなりました。代わりに固定方向の矢印が追加されました。

※SCクランプはアルカスイス互換とピカティニー互換のデュアルクランプ。レバーの固定方向を180度切り替えることができます。

SOAR用のSCクランプが発売されたので、こちらも選べるようになりました。ただスチル用の販売ページには掲載されていないので、SOAR用のページから選ぶ必要があります。

このように見た目はほとんど変わりませんが、操作性の変化は大きいです。一番はボールの工作精度で、特にフリクションを掛けた状態で動かした時のボールの動きが、非常に滑らかになりました。またこれは個体差かもしれませんがパンの動きが滑らかになったように思います。

BH-55の長所

やはりBH-55の一番の良さはメインロックでしょう。大きく力を入れやすい形状は、デザイン的にも格好良いです。操作性も確実にロックが手に伝わるので「ロックできたかな?」という不安は一切ありません。

90度傾けた時にステムが収納される溝が2箇所あります(デュアルドロップノッチ)。なぜ2箇所必要なのか、正直よくわかりませんが、Really Right Stuffのwebサイトの説明によりますと「デュアルドロップノッチにより、縦位置ポートレート、または極端な角度に配置するために、柔軟に対応できます」とのことです。特に2箇所あることに大きな意味はないようです。

それでも2箇所あるのはデザインとして格好いいですよね。それだけでメリットのひとつとしても良いんじゃないかな?と思います(洗脳 。

旧BH-55で耐荷重テストをしたことがあるのですが、固定力は相当なものです。メーカー発表値は23kgとなっていますが、まぁ大抵の機材であれば問題なく運用できると思います。

大型自由雲台の中では非常に低頭です。ボールサイズは他機種よりも大きいのに、ロープロファイルですので安定性が高く、ブレにも強い設計です。

ネジ穴が空いていますが、ダブテールプレートのアタッチメント用のものではないそうです(ReallyRightStuffサポート談)。サポートの回答によると「現在販売されなくなった機材で使用されていた」とのことです。しかしダブテールプレートTH-DVTL-55もBH-55も最近になって空けられたネジ穴なので、この回答には少し疑問が残ります。おそらくネジ止めすることで何らかの問題があったのではないか?と思います(あくまでも予想ですが)。どちらにせよ公式見解では中央のネジ止め一点止めを推奨しています。

BH-55の短所

欠点というか、私が個人的に気に入らない部分ですが、フリクションコントロールノブとパンノブが近すぎて操作しにくいです。

パンロックも固定⇄解除に2捻りくらい必要で、クイックとは言えません。ここはアルカスイス Z1+のパンノブの方が使いやすいです。

気になるのはここだけですね。

動画

結局、BH-55っておすすめ?

ハッキリ言っておすすめです。数年前まではアルカスイスZ1+の方がおすすめでしたが、マイナーチェンジによって年々差は縮まってきて、最近ではBH-55の方が上なんじゃないかな?と思うようになりました。

アルカスイスZ1+は純正クランプがアレですので、そのマイナス点を無視したとしても互角だと思います。

同じボールサイズの競合他社製品と比較しても、この2機種は頭一つ抜けていますので、最高の自由雲台を求めている方には、どちらも自信をもっておすすめします!

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こんにちは三脚フォトグラファー「ハク」です。 当ブログのキャッチフレーズは「探していた三脚と雲台の情報がきっと見つかる!三脚雲台沼ブログ」です。 当ブログを読めば大抵の三脚雲台の悩みは解決できるようになるはずです。 どうぞよろしくお願いいたします!

コメント

  1. YO73 より:

    ハクさんこんにちは。いつも有用な記事ありがとうございます。
    さて、BH-55ですが、新型では記事にあります通りダブテールプレート用の
    空転防止用ネジ穴が追加されています。これなのですが、実際にダブテールプレート
    を固定するためにはどんなのネジを使用したらよいかご存じでしょうか?
    (皿ネジというのはわかりますが、RSSのラインナップにあるのでしょうか・・・?)

    • haku haku より:

      YO73さん、コメントありがとうございます。ダブテールプレートもずっと旧型の円形のものを使ってきたので、現行品を持っていません。また明日にでもどのネジが適合しそうか確認してみますね。もし1/4インチであれば、専用ではないものの短いものがいくつかあるようです。リンクを貼っておきますのでご覧ください。
      https://www.reallyrightstuff.com/more/hardware/screws

    • haku haku より:

      YO73 さん、おはようございます。今確認しましたところ、M5ネジが入りそうで入らないので、おそらく3/16、もしくは11/64インチネジではないかと思われます。どちらにしてもRRSのネジのラインナップにはありませんので、別途用意する必要があるようです。一応RRSに問い合わせていますので、回答があるまでしばらくお待ちください。

      • YO73 より:

        お忙しい中確認していただき大変恐縮です。
        英語を読むのは何とか大丈夫なので、RRSのサイトは各商品の仕様を
        もう少し丁寧に記載していただけると助かるなぁ・・・といつも思います。

        • haku haku より:

          YO73さん、おはようございます。RRSの回答によりますと、ダブテールプレートのアタッチメント用のものではないそうです。現在販売されなくなった機材で使用されていた、とのことです。しかしダブテールプレートTH-DVTL-55にもBH-55にも最近になって空いたネジ穴なので、この回答には少し疑問が残ります。おそらくネジ止めすることで何らかの問題があったのだと思います。どちらにせよ公式見解では中央のネジ止め一点止めを推奨しているので、記事の内容も修正させていただきます。話は変わりますが、諸事情がありましてコメント欄を閉じさせていただくことになりました。
          https://twitter.com/dermatograph76/status/1226478172243292160?s=20
          申し訳ございませんが、もし何かご質問がありましたら当ブログの問い合わせ欄をご利用いただくか、TwitterのDMなどをご利用ください。どうぞよろしくお願いします。
          https://arcarrsgitzo.com/問い合せフォーム/
          https://twitter.com/dermatograph76

  2. YO73 より:

    ハクさん、こんにちは。
    お忙しい中ご回答いただき、本当にありがとうございました。
    回り止めとしての使用は不可ということでちょっと残念です。

    コメント欄を閉じる件は承知いたしました。
    また何かありましたら、問い合わせ欄にてお聞きするかもしれませんが、
    今後ともよろしくお願いいたします。

    • haku haku より:

      YO73さん、こんばんは。私も回り止め必要だと思っていたので残念な回答でした。それではこれにてコメ欄は閉じさせて頂きます。ありがとうございました。

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