もう発売開始から2年が経つというのに、あまり評価の声が聞こえてこないGitzoの自由雲台「GH4383LR」。
今回ようやく3日間ほど使う機会を得ましたので、ご紹介したいと思います。
スペック(メーカー公表)
メーカー | Gitzo |
名称 | センターボール雲台4型LR |
型番 | GH4383LR |
本体重量 | 0.9kg |
三脚取付けねじサイズ | UNC 3/8″ |
水準器 | 有 |
最大荷重 | 30kg |
クイックシュープレート | 有 |
雲台高 | 12.5cm |
パン | 360° |
サイドティルト | 90°: 40° |
プレートロック方式 | レバーロック |
メーカー希望小売価格 | 82,950円(税込) |
発売日 | 2021年6月25日 |
商品の特徴(メーカー公表)
●重量級の大型レンズに最適な、最大30kgの耐荷重性能
●特別なコーティングが施された中空ボール
●フリクションコントロール機能を搭載
●わずかな回転量ですばやく確実に固定できる
●パン軸専用フルードカートリッジ採用により妥協のないスムーズな動きを実現
●他社アルカスイス方式プレートとの高い互換性
●すべてのパーツに高品質のスチールやアルミニウムを使用
●イタリア国内製造
●特許取得のゼロドリフトロックシステム
レビュー
まず持った感じは想像通り大きいです。
私の手の大きさが参考になるか分かりませんが、少しはサイズ感が伝わるのではないかと思います。
重量は900gとずっしり重さがあり、RRSのBH-55と比較しても少し重いです。
パン軸専用フルードカートリッジが採用されているからなのか、パン操作はしっとり重めです。おそらく望遠レンズで滑らかなムービー撮影ができるようにしているのだと思います。
パンベースには角度目盛りが刻印されています。
フリクションコントロールは独立したノブで調整します。ノブの記載の通り左に回せば抵抗が大きくなり、右に回せば小さくなります。
このノブが結構簡単に回ってしまうので、もう少し固くするか、ロックできるようにしてほしいところです。
ドロップノッチは1箇所。ボディに隙間がありますが、これは仕様のようです。
やや不恰好にも見える大きめのメインノブ。ゴム巻きが2つに分かれていますが、1つのノブです。
大きいので操作はしやすいですが見た目の悪さの方が目立ってしまいます。
メインノブを外した内部構造は非常にシンプルでシャフトが通るネジ穴が空いているだけです。
クランプはバネ式の滑落防止用ピンと丸型気泡水準器を搭載したアルカスイス互換タイプです。
レバーには90度→180度への開閉を制限するロックボタンが搭載されています。
例えば服の袖などにレバーが不意に引っかかってレバーが開いたとしても90度で止まり、90度までなら滑落防止ピンで機材の滑落を防げるという訳です。
他社の互換プレートの中には滑落防止ピンが意味を成さない形状の物もあるので、個人的には0度→90度の第一段階をロックボタンで制御できれば良かったのになと思いました。
ただしこの雲台は望遠レンズを使うことを想定しているため、おそらく前後のバランスを素早く変更できるようにするために、あえて2段階目にしたのだと思います。
このマイナスネジを回すことで、クランプ幅を調整できます。
操作感
ボールの動きは水平位置で引っかかりというか、テンションが抜けたような部分があります。
半締めした時にパン方向に機材を振れるようにするための機能だと思われます。
固定力は高く、操作もしやすいので、望遠レンズに特化した自由雲台をお探しの方であれば悪くないと思いました。
ただし望遠レンズ以外にも使えるかと考えた時、上記の特徴が逆に悪い方に働いてしまうため、ちょっと使いづらく感じました。
望遠レンズが使用用途ではないのに「Gitzoが好きだからGitzoの自由雲台を」と考えているならば止めた方が良いでしょう。
例えるならば「金田のバイク」のような雲台で、性能が非常にピーキーなため、ご自身の機材と使用用途をよくご検討の上、お買い求めください。
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