今回もめちゃくちゃニッチなお話しですので、まずHusky雲台を持っていないと言う方はトップページにお戻りの上、別の記事を読んでいただけたら幸いに存じます。→トップページ
さて私は小型バイクKawasaki W175Cafeに乗っています。
20km圏内であれば小回りが効く分、自動車よりも便利なので近場であればロケハンはバイクで向かいます。
その際、三脚に関してはバイクに三脚ケースを取り付けて運搬しています。
使っている三脚ケースはHAKUBAの「HTC-T800」で、三脚であればそこそこ大型でも余裕で入るサイズです。
しかし3way雲台の場合、パン棒が邪魔で収まらない物があります。
中でもハスキー雲台は大型であるため、パン棒がこれだけ飛び出してしまいます。
バイクに装着するのにパン棒が飛び出してるって、誰がどう考えても危険。
そのためどうしてもハスキー雲台を使いたい場合は、パン棒を外して収納し、撮影現場で取り付けるしかありません。
しかし正直面倒くささがありますし、撮影現場が1ヶ所2ヶ所ならまだしも、5ヶ所以上回る日もありますので、その度に付けては外しを繰り返すのは、面倒ですし時間のロスとなります。
またパン棒のネジ山にはグリースが付着しているため、そのグリースがグリップエンドにべっとり移ってしまう問題も避けられません。
そのグリースが手に付いてしまい、撮影のリズムが狂ってしまう…。実はこれが一番の問題で、そうなると「そこまでしてハスキー雲台を使わなくて良いかな」と敬遠するようになります。
さてここで一旦、話題を変えたいと思います。
私は3way雲台を操作する時にギュッと強くグリップを握りしめて使う傾向があるため、角張った固いハスキーの純正グリップの握り心地が好みではありません。
握り心地の良さを求めてスタジオJinが販売している「ウッドパン棒」に変更しました。
2本揃えると価格はそれなりに高いですが(2本で税込13,200円)、肌触り・形状・握り心地は100点満点。最高のパン棒です。
それでも不満が無いわけではありません。それはグリップの美しい天然木の「色」です。
その鮮やかで美しい色が時に撮影の邪魔になってしまうことがあるのです。
写真左側が純正パン棒使用で撮影。写真右側がウッドパン棒使用で撮影。
分かりにくいかもしれませんが、写真中央の矢印を右へスライドしていただくと、右下辺りにウッドパン棒の色が被写体に写り込んでいる事が確認できます。
そもそも商品撮影用に使っているハスキー雲台に関しては、反射や写り込みを極力抑えるために黒いステッカーや貼ったり、シリアルナンバーのシールの位置を貼り直したりと、涙ぐましい努力を重ねてきました。
握り心地のためにこの色を許容してしまうのは本末転倒と言わざるを得ません。
商品撮影の度に純正に変えるのも面倒臭いですし、何より心地よいウッドパン棒を使いたい。
この問題の解決に向けて現在対策中ですので、対策が完了しましたら、改めて記事で紹介させていただきます。
さて、話題を戻します。
どうにかして面倒な手順なく、ハスキー雲台を三脚ケースの中に収めることができないか?
今回はこの問題を解決したいと思います。
長すぎるなら切れば良いじゃない
パン棒が長すぎて三脚ケースに収まらないのであれば、それこそ三脚ケースをもっと大型の物に変えるか、もしくはパン棒を入るサイズにカットするしかありません。
ただし三脚ケースごと変えるとなると、バイク側のステーの位置を変えたり、三脚ケースにステーへの取付金具を縫い付けたり、結構大変なうえにお金も掛かります。実際、今の三脚ケースをバイクに取り付けるために1万円以上は掛かっているので、これらを無駄にしたくありません。
となると、パン棒をカットする方が良さそうです。幸いウッドパン棒に変更する前の純正パン棒が残っているので、費用を抑えることも出来そう。
短くカットする事による懸念点は、雲台のトッププレートとグリップの隙間が狭すぎて、純正と比較して操作しにくくなると思われます。
またカットする事によりパン棒側のティルト角度に大きな制限が掛かるでしょう。
次なる問題はグリップ。
純正グリップがあるじゃない?と思われそうですが、先ほど話題を逸らしてまで説明した通り、私は純正パン棒のグリップが好きではありません。
それに好き嫌い以前にハスキーの純正グリップはグリップ部分だけで長さが65mmもあるため、そもそも長すぎるという問題もあります。
そこで思いついたのがMAC TOOLSのスタビーグリップ。これならグリップ長は4cmですし、短いながらも太さがあり力を込めやすい形状です。
パン棒の軸の太さも問題なさそう。
今回は屋外用ハスキーのグリップ変更ですので、カラーやデザインは派手でも良いのですが、ハスキーの雰囲気に合わせてシンプルなものを選ぶつもりです。
グリップが決まったので、パン棒をカットします。
純正から取り外したっきり使っていなかったロングパン棒に犠牲になってもらうことにしました。
まずは大雑把に金のこでグリップ部分を切り落とした後、ディスクグラインダーをスタンドに固定して正確な長さにカットします。
ああこんな憐れな姿に…。
待ってろよ、きっと素敵なグリップに仕上げてやるからな!
軸長はネジ部分も含めて9cm。
…とここで疑問が生まれました。果たしてこんなツルッツルの軸をグリップに差し込んだとして、締め込んだ時に内部で回ってしまわないでしょうか?
不安になったので、純正グリップの内部はどうなっているのか確認してみることにしました。
引き抜いた軸の内部には2ヶ所ローレット加工されていました。やはりツルツルのままでは滑ってしまう可能性が高いようです。しかしこの程度の処理で問題ないのであれば、何とかなるでしょう。
懸念点が払拭できたところで加工していきましょう。
MACグリップを差し込むにはちょっと軸が太かったので、グリップ穴を少しだけ広げました。この時、軸よりも大きく広げないように注意しました。
ローレット加工の代わりに軸に穴を2箇所開けてピンを通して羽を作りました。
あとは軸を十分に熱してグリップに叩き込むだけ。熱で穴の隙間にも樹脂が染み込んでくれることを期待しましょう。
さてこれでカスタムショートグリップの完成です。グリップエンドまでの全長は10cm。
ハスキー雲台に取り付けてみたところ。如何でしょうか?個人的にはなかなか良い出来だと思います。
一番肝心なのは三脚ケースに入るのか?ということですが…。
無事にケース内に収まりました!ここまで改造して入らなかったらどうしようと不安でしたが、まずは一安心です。
無事目標を達成したという事で、カスタムによる問題点などが無いか確認してみます。
まずは操作性。短くなったぶん純正と比較するとやっぱり劣るものの、締め込みに問題となることはありません。
パン棒方向へのティルト角度が元々28度でしたが、今回のカスタムにより12度になってしまいました。
しかしこれらの問題はカスタム前に懸念しており、分かった上でスタートしているため特に問題とは思っていません。
まとめ
さて今回のカスタムはハスキー三脚をバイクで運搬できるようにするために、三脚ケースに入れられるようパン棒を短くするというものでした。
事前に予想していた問題以上のものはなく、目的を達成できましたので、ひとまず成功と言えそうです。
※当記事の改造はすべて自己責任であり、改造の結果、故障や事故などが発生する可能性がごさいます。当記事は改造を推奨するものではありません。
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