2020年10月30日。NikonのフルサイズミラーレスカメラZマウントの大三元レンズが遂に揃いました。
神レンズと呼ばれたNikonのAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDの発売から実に13年、満を持して登場したZ 14-24mm f2.8Sの魅力を、今回ほんの少しだけご紹介したいと思います。
ほんの少しと言うのは別に出し惜しみする訳ではなく、たった数時間、触っただけの第一印象ですので、あんまり書く内容が無いだけです。何より買った直後のレビューなんてアテにしちゃダメですよ〜。
なので緩〜く読んでもらえたら嬉しいです。
製品名:NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
発売日:2020年10月30日
発売時最安価格:285,120円
製造国:タイ
JANコード:4960759903570
外観
スペック表(※ニコン製品ページ主な仕様より引用)
型式 | ニコン Z マウント |
焦点距離 | 14mm-24mm |
最大口径比 | 01:02.8 |
レンズ構成 | 11群16枚 |
画角 | 114° -84°(撮像範囲FX) |
90° -61°(撮像範囲DX) | |
焦点距離目盛 | 14、15、16、18、20、24mm |
ズーミング | ズームリングによる回転式 |
ピント合わせ | IF(インターナルフォーカス)方式 |
最短撮影距離 | 撮像面から28cm(ズーム全域) |
最大撮影倍率 | 0.13倍(焦点距離24mm) |
絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) |
絞り方式 | 電磁絞りによる自動絞り |
最大絞り | f/2.8 |
最小絞り | f/22 |
アタッチメントサイズ(フィルターサイズ) | 112mm |
※ バヨネットフード HB-97使用時のみ装着可能 | |
フィルター枠 | レンズ後部に装備 |
寸法 | 約88.5mm(最大径)×124.5mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで) |
質量 | 約650g |
付属品 | • レンズキャップ LC-Z1424(スプリング式) |
• かぶせ式レンズキャップ LC-K104 | |
• 裏ぶた LF-N1 | |
• バヨネットフード HB-96 | |
• バヨネットフード HB-97 | |
• レンズケース CL-C2 |
操作系の感想
ズームリングとフォーカスリングがAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDと同じレイアウトで、さらに回転角も同様ですので、Fマウント1424f2.8ユーザーにはしっくり来る操作性だと思います。
リングの重さはZ24-70f2.8やZ70-200f2.8に近いと思います。
STM(ステッピングモーター)が採用されていますので、AF音がめちゃくちゃ静かです。これなら動画撮影にも活用できそうですね。
L-Fnボタンはひとつです。カメラボディーのFn1/Fn2ボタン同等の機能から選べます。地味ですが便利です。
触っていて思った事はこれくらいです。
レンズの特徴
本音を言えば発表当初、広角端が14mmかぁーとガッカリしました。しかし、650gというのは持ってみて実感しましたがめちゃくちゃ軽いです。Fマウントで14-24f2.8ユーザーであれば衝撃を受ける軽さだと思います。
気軽に持ち歩けるサイズなのに、従来の画角と明るさを維持しつつ、さらに描写力もアップしましたよって事なんですね。なるほどなるほど、そういうコンセプトなら14mmでも納得です。
そして発表時にSNSで大きく盛り上がったのがフィルターが装着可能ということ。ねじ込み式だけではなく、リアフィルターも装着可能となりました。これまでの14-24mmf2.8と違って手軽にフィルターワークができそうですね。
優れた逆光性能と光学性能であることが大々的に謳われていますが、どんなものでしょうか?昨日は晴れていたので、ベランダから数枚撮ってみました。後ほど軽く検証してみたいと思います。
フィルターは2種類+α装着可能!
フィルターが装着可能と言ってもレンズの前玉側にねじ込みがある訳ではなく、バヨネットフード HB-97(付属)を介して112mmフィルターを装着する必要があります。112mmフィルターも試してみたいので、また記事にしたいと思います。
さっきも書きましたが、レンズの後玉側には、ゼラチンフィルターなど市販のシートタイプのフィルターをカットして装着できるフィルター枠を採用しています。運用は結構面倒臭いですが、常時付けっ放しにする撮影であれば良いと思います。
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角形フィルターと比べると低価格ですが、それでも112mmのフィルターは高額ですね。ラインナップも少なく、選択肢が限られてしまいます。現時点ではKANIフィルターがコスパが良い感じです。
さらにフードをカットして150mm角型フィルターを取り付けるカスタムも成功しました。これによりさらに選択肢が増えました。
優れた描写性能
新設計による光学性能の向上
光学性能をさらに強化するために、出目金レンズを廃止し、大口径の両面非球面レンズを採用されました。またフランジバックが短いぶん、レンズとイメージセンサー(撮像素子)の距離が近いので光学性能が高いそうです。
効果的に低減した軸上色収差
EDレンズ(4枚)を効果的に配置した光学系により、至近から無限遠まで軸上色収差を効果的に補正。色付きの発生しやすい風景や星景撮影時にも、ピント面で色にじみのないシャープな描写を実現します。(※ニコン製品ページ製品特徴より引用)
大きく美しいボケ味
開放F値2.8の大きなボケと色付きを抑えた自然なボケ味を活かして、高解像で捉えた主要被写体を印象的に際立てます。(※ニコン製品ページ製品特徴より引用)
夜景を美しく描く、高い点像再現性
光学系の前面に採用した両面非球面レンズ1枚に加え、2枚の非球面レンズで絞り開放でもサジタルコマフレア(画像周辺部の点光源の像が翼を広げた鳥のような形ににじむ収差)を効果的に抑制。絞り開放からズーム全域で、色にじみが極めて少なく、芯のある美しい点像が得られます。特に開放F値2.8での点像再現性をさらに強化しており、画像中心部だけでなく周辺部の点光源まで美しく再現。プロフェッショナルも愛用するAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDよりも、さらに優れた点像再現性をズーム全域で発揮します。(※ニコン製品ページ製品特徴より引用)
優れた逆光耐性(ナノクリスタルコート / アルネオコート)
AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDで好評のナノクリスタルコートに加え、さらに直入射光に対して高い効果を発揮するアルネオコートを採用しています。2つのコーティングを併用することで、可視光全域で安定した超低反射率を実現。入射光に起因するゴースト、フレアを効果的に低減します。画面内に太陽などの強い光源が入りやすい超広角撮影時はもちろん、あえて強い光源を入れて撮りたい場合でも抜けの良いクリアーな画像が得られます。(※ニコン製品ページ製品特徴より引用)
これら描写性能に関しては、これから時間をかけてじっくり検証していきたいと思います。
気になった点
テストしていて気になった点を書いていきます。何となく感じただけですので、もしかすると思い違いかもしれません。
●広角端14mmF2.8の描写の四隅が少し甘く感じました。が、他の超広角ズームレンズと比較すると、かなり優秀だと思います。
●F11以上絞ると回折により甘くなっていきます。これは顕著です。
●14mmで樽型歪曲。これも顕著です。これはレンズの味とも言えます。
●周辺減光は14mm F2.8で目立ちます。F5.6まで絞ってもちょっと残る感じです。
●24mmの描写は「Z24-70mm f2.8S」の24mmと比較するとちょっと劣るような気がします。ただサンプルが少ないので、何とも言えません。
まとめと感想
このレンズの特徴を簡単に6つまとめると以下の通りです。
①約650gの超軽量ボディ
②開放F値2.8
③14mm超広角
④各種フィルター装着可能
⑤アルネオコートとナノクリスタルコートによる高い逆光耐性
⑥Fマウント14-24mm f2.8G EDをはるかに凌ぐ光学性
ほんの数時間使っただけの感想ですが、とにかく軽いのが有り難かったです。そしてフィルターにも対応してくれたのが嬉しかったですね。描写性能や逆光耐性、色収差補正も素晴らしく、確かにAF-S14-24mm f2.8を大きく超えたと感じました。30万円弱と決して安いレンズではありませんが、買った価値は十分あると思います。
良いレンズなのでシリーズ化してレビューを続けていきたいと思います。
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