アルカスイスd4 GPを購入してから約2年経ちました。LeofotoのG4は結構売れているような気がしますが、本家d4はどうにも普及率が悪い気がします。とても魅力的な雲台ですので改めてご紹介したいと思います。
雲台の特徴
アルカスイスd4 GPは従来のd4に、新しく開発された微駆動のパノラマユニット「GP」(ギア付きパン)が搭載された上位モデルです。
アルカスイスd4は一見するとボールヘッドのように見えますが、実際の操作性は3WAY雲台です。3WAYと言えば大きなボディと大きなパン棒というイメージですが、アルカスイスd4はその概念ごと崩した革新的な雲台です。しかしアルカスイスd4の素晴らしいところは、それだけで満足しなかったことでしょう。何とギア雲台までハイブリッドしてしまったのですから!そしてさらにパノラマにもギアが搭載された「GP」バージョンが発売されたことによって、より完成度の高い雲台へと進化したのです。
基本操作はティアドロップ型のノブを解除したらザックリ構図を決めてロック、円形の2つのギア駆動ノブで微調整して構図を追い込む、というスタイルです。
この雲台が得意とする写真分野は、商品撮影・ネイチャー・マクロ・建築。特にブツ撮りの分野では最高のパフォーマンスを発揮するでしょう。
操作性の難点としては、粗動ノブと微動ノブの軸方向がバラバラなので、慣れるまでは少し戸惑うかもしれません。
各部名称
スペック
雲台の種類 | 3軸ギア付き3WAY雲台 |
外形寸法: | 84mm x 90mm x 135mm |
重量: | 1035g |
耐荷重: | 30kg |
最大傾斜角: | 115度 |
パノラマ: | 底部(三脚ネジ)、上方向(軸上) |
各部詳細画像
2年間使った感想
ギア雲台としては最高峰の使いやすさです。粗動が付いている分、C1 CUBEよりも操作性は上です。
耐荷重30kgとなっていますが、おそらくそれは無理じゃないかなと思います。警察に移動式オービス用の雲台して採用されているくらいなので、ただ載せるなら大丈夫だと思いますけど、乗せた状態で微動はギアが滑ってしまうと思います。ちょっと傾いたら固定を保持するのも難しいのではないでしょうか?固定力はアルカスイスZ-1+とP0シリーズの間くらいだと思います。
国内販売価格は約30万円と鼻血が出るお値段で、肺に穴が空いたのと時期が重なるので、これが原因だったのかもしれません。とは言ってもイギリスから輸入すれば約17万円と大変リーズナボー。悪魔のリンクを下に貼っておきますので、ぜひ沼に飛び込んでください。今なら在庫2個あるみたいですよ。(2019/10/18現在)
でもアルカスイスはサポートが終わってますので、輸入で購入するのは怖いという方は国内で購入された方が安心かもしれません。とは言ってもたとえ故障したとしても、国内と輸入では倍近く価格差があるので、もう1個買えちゃいますけどね。パノラマに微動は必要ないという方なら、GPがついていないd4でも良いと思います。
ギアという構造的に弱い機構が搭載されるのですから、ブレ・剛性・固定力を優先するならd4を選んだ方が良いかもしれません。
購入時の注意点としては「d4 マニュアル」だけ完全な別物です。見た目は少し似ていますが、d4マニュアルは微動機能がついていない3WAY雲台です(実際には4WAYですが)。人と違ったコンパクトで軽量な3WAY雲台を探しているという方には良いかもしれませんが、ギア雲台が欲しいという方は絶対に間違えて注文しないように注意して下さい。
d4 GPはお勧めできる?
私はこの2年間、商品撮影の日はほぼ毎回仕事でこの雲台を使ってきました。使用機材の総重量は2kgくらいで、このくらいの重さならとても快適に使えています。ただP0 Hybridと比べたら、あちらの方が総合的に使いやすいかなぁというのが本音です。
いや本当、良い雲台なんですけどね、いかんせん値段が高すぎて安易にはお勧めできません。
このデザインが好き!とか3WAYのような操作性でギア雲台を使いたい!という方にだけお勧めしたいと思います。
関連記事:アルカスイス ARCA-SWISS d4ギア雲台の粗動ノブの向きの変え方
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