アルカスイスのギア雲台、マクロ撮影に向いているのはどちらか? d4 vs C1 cube

質問者
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アルカスイスのギア雲台の購入を検討しています。

はじめまして、これまでManfrotto410を使ってきたのですが、フルサイズ一眼レフ機&マクロレンズ&フラッシュブラケット&外部ストロボの組み合わせでは操作性が悪く、スローシャッターではブレてしまうこともあり、機種変更を検討しています。最初は405を検討していましたが、最近アルカスイスが気になりはじめてしまいました。しかしアルカスイスのギア雲台にはいくつも種類があるようで、なかなか決心がつきません。主な撮影はマクロ撮影です。

めっちゃアガる質問ですね!これまで書いたようで書いてこなかった内容ですので、ブログのネタとさせていただきます。それでは早速お答えしたいと思います。

比較検討機種は大きく分けて4種類

クランプの種類が3種類あるので厳密には12種類あるのですが、大きく分ければ4種類です。もうひとつ「P0 Hybrid」という神雲台があるのですが、マクロでのスローシャッターも多いという事ですので、ブレ防止の観点から今回は除外させていただきました。

左のふたつが「d4ギア」というシリーズで、右のふたつが「c1 cube」というシリーズです。さらにシリーズ内ではふたつのモデルがあり、トップパノラミックプレートに微動機能が付いている「GP」と微動機能が付いていないモデルがあります。

GPがつかない無印はGPよりも重量や高さや価格を抑えられ、剛性に優れるというメリットがありますが、マクロ撮影ではやはりGP付きの方が良いでしょう。

ふたつの機種の違い

ふたつのシリーズの違いは大きさや形状が違うことや、価格が違うといった当たり前の違いは無視すると、大きく分けて2つです。

  • 粗動の可動域が異なる
  • 可動軸が異なる

d4シリーズは可動域、全方向に粗動も微動もできます。そのため素早いセッティングが可能となります。c1 cubeシリーズは前後方向に70度、上下パノラミックは360度のみ粗動ができます。前後30度と左右方向への粗動はできません。昆虫など動きがある被写体の場合は、d4の方が構図を素早く作りやすいと思います。

「可動軸が異なる」というのは文章での説明が難しいので画像で説明します。

まずザックリと構図を合わせます。ここから構図を追い込んでいく訳ですが…

d4は回旋が外旋です。そのため、上の画像のように左方向に傾けた場合、被写体が見えてしまってますね。c1 cubeは回旋が内旋です。カメラは雲台内部で角度を変えるだけですので、被写体との軸がほとんどズレません。

実際に撮影した画像を比較してみましょう。

これは前後方向にも言える事で、マクロ撮影の場合は被写体との距離を変えたくないことが多いでしょうから、この点においてd4よりもc1 cubeの方が向いています。

質問への回答

今回の質問の内容

用途…フルサイズ一眼レフ機&マクロレンズ&フラッシュブラケット&外部ストロボの組み合わせで、主な撮影はマクロ撮影。

質問内容…アルカスイスのギア雲台の中からどれを選べば良いか?

回答

可搬性に関してはd4の方が200gほど軽いです。ただし1.2kgと1.0kgの差ですから、体感ではそこまで大きな差と感じたことはありません。どちらも重いので可搬性で選ぶのはあまり意味がないと思います。

マクロ撮影では可能な限り全方向に微動機能が付いていた方がストレスが少なく済みます。d4であれc1 cubeであれ「GP」付きの方が良いと思います。

マクロ撮影と言っても様々な被写体があると思います。動きのある被写体であれば全可動域で粗動が可能なd4の方が良いと思います。しかし前後方向の微動によりピント位置が大幅に変わりますので、マクロスライダーなどが必要となります。

かなり寄ってマクロ撮影したい場合は回旋が内旋のc1 cubeの方が良いと思います。

価格が結構違います。国内で購入する場合は約10万円も差があります。値段の安さで選ぶならd4 GPとなります。ただし海外から輸入しようにもd4 GPはB&Hでは取り扱いがありません。d4 GPを海外から輸入するにはイギリスかドイツかフランスのショップから輸入する必要があり、B&Hで購入するよりも少しハードルが高いと言えます。

非常に高額な雲台ですので後悔はしたくないと思います。ヨドバシ梅田にはd4 GPの実機が置いてありましたし、KPIの本社には色々な実機が置いてあるということです。一度問い合わせてみてもし実機が残っているようでしたら、ぜひ一度見て触れてみられることをお勧めします。

参考になりましたら幸いです。

c1-cube-gp

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こんにちは三脚フォトグラファー「ハク」です。 当ブログのキャッチフレーズは「探していた三脚と雲台の情報がきっと見つかる!三脚雲台沼ブログ」です。 当ブログを読めば大抵の三脚雲台の悩みは解決できるようになるはずです。 どうぞよろしくお願いいたします!
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