「PC-LR-40パンクランプ」を購入してから10ヶ月以上が経過したので、現在の状態や感想を報告したいと思います。
(旧型雲台だと)首長になりマウント部の遊びが大きくなった
私の所有している自由雲台BH-55は旧品のため、アダプターを介さず直接装着はできません。
このアダプターの厚み数mmが首長になってしまいます。これは仕方がないですね。嫌なら新型に買い換えるしか解決策はありません。
しかしこのアダプターと雲台の「嵌合部分の遊び」が、雲台と旧式クランプの遊びよりも大きいのです。
そもそもロゼットマウントに変更された理由は旧式の嵌合方法の僅かな「遊び」を抑えるためですので、これはまさに本末転倒だなぁと思います。
もちろん、この僅かな首の延長や遊びが撮影や操作性に何か影響を及ぼすことは(少なくとも体感では)無いのですが、せめてもう少し嵌合部分のクリアランスを抑えてほしかったです。
パンノブが曲がったっぽい
暗がりで撮影していた日がありまして、寝不足で少しぼんやりしながら操作をしていたのですが、レバーとパンノブを間違えて、グイグイと引っ張ってしまいました。
どうやらその時の誤操作が原因で、少しパンノブが曲がったっぽいです。完全に私の落ち度です。
操作に支障が出るほどの変形ではないのですが、軸がブレて回るノブに多少の違和感を感じます。
クランプ固定時のレバー位置とパンノブが近く誤操作を起こしやすいので、もう少し太いノブに変更するか、レバーの先端から離れた場所に位置変更をしてほしいです。
レバーが軽い
レバーが軽いです。特に意識せずレバー解除した時に、2回に1回は180度開放されてしまいます。
めっちゃクイックリリースですので、素早さを求めるなら最高だと思います。
下の動画を見ていただいたら、60mmの通常のRRSレバークランプよりも相当軽いことが伝わるのではないかと思います。
逆に90度、つまり半解除で必ず止まってほしいと思う方は軽すぎて扱いにくいかもしれません。
また真冬の寒い日はレバーが勢いよく小指に当たって結構痛い思いを何度か経験しました。
レバーをレンズ側に向けて装着する方は、冬場の操作に注意してください。
クランプ幅が狭いことによる影響
PC-LR-40のクランプ幅(咥える部分)はパンノブ側35.4mm、レバー側33.8mmしかありません。
しかし、これまで使ってきたRRSの60mmレバークランプと比較して、頼りなさを感じたり、固定力の弱さやブレやすさなど、特にこれといった変化は体感していません。
商品撮影業務でも使用してみましたが、100カット見比べた程度では歩留に差は見受けられませんでした。
上のKIRKの製品みたいにさらに咥える幅が狭い製品はたくさんあります。
PC-LR-40のクランプ幅が狭い事に起因する問題点が、60mmクランプと比較して体感できるほどの差があるならば、これらすべての機材は使えないという事になります。
もちろん幅が広い方が固定力はあるでしょうし、ミクロな世界で比較すれば差が出るかもしれませんが、ごく一般的な撮影用途で気になる差はないと思います。
ボルトを紛失した
うっかり付属の1/4″-20 x 1.25″ボルトを紛失してしまいました。
1/4インチの皿ボルトなんて簡単に入手できるだろうと安易に考えていましたが、長さが1インチを超えるものは、いざ探してみるとなかなか見つかりません。
困った時のスタジオJinでもストアのラインナップは1インチまでなので、ネジ専門店を当たるか、モノタロウやミスミで探すしか無さそうです。
私は結局モノタロウで購入しました。

たかがネジ1本。されどネジ1本。インチネジは日本では入手が難しいので、皆様も取り扱いには十分ご注意ください。
そうそうボルトと言えば
ダブテールプレートに付属しているM5の皿ボルトがありますが、M5の皿ボルトなら日本でも簡単に入手できます。
しかし、皿の頭に刻印が刻まれている皿ボルトは、日本では入手が困難です。
見た目が格好いいので私は好んで刻印ボルトを集めています。
実際問題としては長さ。インチで設計されているのか、一般的に日本で手に入るM5ネジには規格が存在しない長さであることが多いです。
ダブテールプレートに付属しているM5皿ボルトも例に漏れずですので、たとえ今必要なくても、どのボルトも大切に保管しておくことが大切です。
10ヶ月使った感想まとめ
ちょっと話が逸れてしまいましたが、まとめたいと思います。
今回の内容はネガティブなものが多く、あまり気に入ってないのかな?と誤解を与えたかもしれませんが、実は結構気に入っています。
大型のパンニングクランプも持っていますが、ちょっと大きすぎるので、このくらいのサイズの方が私個人的には扱いやすいです。
またパンニング時のガタも最小限に抑えられている点も高く評価したいです。
安価なパンニングクランプを買うと、パンニングのロックを緩めると上下に構図が微妙に変わっちゃうことがよくあります。本当によくあります。
アルマイトの仕上げも滑らかで光沢があり、高級感を感じます。
角の仕上げも滑らかで何処を触っても心地良く、指が痛くなるような部分がありません。
そしてこの10ヶ月間、他のパンニングクランプに変えたいと一度も思いませんでした。
というよりパンニングクランプに興味を失っていました。
これはPC-LR-40に満足してしまったからではないかと思います。
メーカー発表のスペック表だけでは読み取れない「真のスペック」の高さを感じられる。
そんな製品です。
公式ユーザーマニュアル
https://www.reallyrightstuff.com/MANUAL%20PDFS/Panning-Clamps-Manual


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