ある日、突然やってくる
Gitzoの三脚を使っていると、ある日突然起こるトラブルがあります。それは開脚ネジが緩んで使い物にならなくなるというものです。私の時ちょっと緩いかな?と思った数分後にはもうゆるゆるになっていて、その日の三脚での撮影は断念せざるを得ないレベルまで緩んでしまいました。
Gitzoの開脚の固さをコントロールするのは、この星形のような形状の「トルクスネジ」というネジです。
トルクスはネジの頭が従来のプラスマイナスネジと比べて、ネジのかみ合いが強く、力の伝達効率が非常に高い、つまりカムアウトしにくいことが特徴です。欧州ではよく採用されていますが、日本ではあまり一般的には浸透していませんね。
多くのGitzoの現行モデルは「T25」というサイズのネジが採用されています。このネジを調整するための工具が「ヘックスローブレンチ」(またはトルクスレンチ)となります。一応三脚を買えば付属されていますが、ホームセンターでも安価に売られています。海外製のものは工具専門店やネット通販などで、比較的簡単に入手できます。2本持ち歩いておけば、このようなトラブルに遭った場合に対処できます。
失敗しないためのヘックスローブレンチ選び
左から藤原産業、Gitzo付属工具、Ware、PB SWISS TOOLS
まず一番左の藤原産業のレンチは色々なサイズが1セットになったものでホームセンターなどで取り扱いがあります。ネジのクリアランス(隙間)は広めで純正ネジをナメてしまう可能性があります。左から2番目のGitzoの付属工具も非常に緩いです。固く締まっていると、冗談抜きでナメてしまいます。3番目のWeraはかなり遊びが少なくなりますが、まだ少し不安が残ります。
PB一択!
最後一番右のPBのレンチは、もう文句なしにお勧めです。これ以上のレンチは他には無いと思います。その理由として下の画像をご覧ください。
まずは赤い部分が遊びです。純正に比べて少し遊びが少ないことが見て分かると思います。また山になっている部分が純正レンチは細くなっているため6点しか当たっていないのに対して、PBの方は一山に2箇所当たっていますので合計12点で噛んでいるような感じです。PBを使った時の噛み合いの良さは、これが理由だったのですね。と言う訳でGitzoのネジを不安に感じていらっしゃる方にはPBをオススメします。両サイドから締める必要がありますので2本必要なことをお忘れなく。
また逆に締まっているネジを緩める場合も注意点があります。グリースが固着して固く締まっている可能性がありますので、ドライヤーなどで十分熱をかけてから緩めるようにしてください。
思い切ってネジそのものを変えてみるという荒技
しかしそれでもナメてしまう場合があります。そんなおっちょこちょいさんや、不運な方は、思い切ってネジ自体を六角穴付きボルトに交換するという荒技もあります。もちろん改造行為ですので実践される方はくれぐれも自己責任でお願いします!
使われているネジはM6ネジ、頭の直径が13mmくらい、長さが約13mmくらい(頭部含まず)であれば問題なさそうです。
実際に試して良かったのはこのふたつ
まずはフランジボタンボルト
座面が平ワッシャ形状の六角穴付きボタンボルトです。広い座面は、ゆるみを抑え、安定した締付けを可能にします。見た目の違和感も少ないと思います。六角穴はM4で深さが2.8mmと可も無く不可も無いですが、カメラネジの規格に近くレンチを流用できるのが便利です。トラベラーとの相性が抜群で、私も2型トラベラーで使っています。
最高に格好いいのがチタン合金のブレーキハンドルバーボルト
「これが一番格好良いかな?」と思ったネジが、強度がステンレスより高いチタン合金のブレーキハンドルバーボルトでした。このいかしたデザインにメロメロです。六角穴がM5ですので、もうナメる心配は皆無です。ネジの長さ(頭部含まず)は14mmです。これ以上長いと三脚内部のスペーサーを齧ってしまうので注意が必要です。頭径14mmですがギリギリ干渉しません。ただしトラベラーにはゴツ過ぎて似合いませんでした。システマティックにはこれが一番似合うと思います。
まとめ
Gitzoの開脚調整ネジを色々追求したら、ネジごと交換するという良く分からない沼に引き込まれてしまいました。これで開脚ネジに関しては完結としたいと思います。参考になれば幸いです。ではではー


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