物撮りテクニック その① ブツ撮りの準備 / その② 背景編 / その③ 基礎の基礎 / その④ ブツ撮りに適したレンズ選び / その⑤ レフ板を使ったブツ撮り / その⑥ 本のブツ撮り / その⑦プラスチック製パッケージのブツ撮り / その⑧ 俯瞰撮影
どんなブツ撮り画像がくるか分からない
広告業界でお仕事をしていますと色々な画像が手元にやってきます。ため息が出るほど素晴らしい写真が来ることもあれば、紙のカタログをスキャンしたものまで、本当に様々です。しかしどんな画像であってもクライアントの指示があれば使える画像に補正しなければなりません。
今回はブツ撮りした画像をLightroomやPhotoshopで補正し、切り抜いて、商品画像として使えるようにする手順について書きたいと思います。
細かくは書きませんので、気になった部分があればググってみてください。
一見するとただの露光不足の画像にも見えますが、よく見てみるとくすみが強く、透明感がなく、色被りも出ています。ホコリも結構残っていますね。
まずはLightroomの「コピースタンプ」でゴミを除去していきましょう。
なるべくブラシサイズをゴミの大きさに合わせてください。クオリティを高めるために、細かいゴミを全部取るぞ!という意気込みが大事です。
ゴミの除去が終わったら、適正な明るさに補正します。まずは「露光量」「シャドウ」を少し上げてみましょう。
次に偽色やパープルフリンジの補正です。
白バックとの境界など明暗差が大きな部分に出やすいので、注意深く確認してください。フリンジが出ているようでしたら「レンズ補正」内の「フリンジカラーセレクター(スポイトのアイコン)」をクリックし、フリンジカラーを選択します。
すっきり補正されました。
フリンジカラーを選択できないカラーの場合は「レンズ補正」「プロファイル」「色収差を除去にチェック」で改善出来る場合があります。もしそれでも改善しない場合は力技で補正します。
「補正ブラシ」で偽色の部分を選択します。
この選択した部分の「彩度」を下げます。
全体的にカラーノイズが出ているので「ディテール」内の「ノイズ軽減」の「カラー」の数値を上げます。
ちょっとアンダーで撮影されているため、明るさを持ち上げましたが、やはりノイズは出てしまいます。「ディテール」「ノイズ軽減」「輝度」の数値を少し上げます。あまり上げすぎるとボヤッとしてしまいますので注意が必要です。
一旦ここでPhotoshopに移動します。
ペンツールで被写体の縁を正確にトレースしていきます。
パスのスタート地点まで頑張って縁取ってください。スタート地点のポイントを繋げてパスを閉じます。
「パスを選択範囲として読み込む」をクリックし、「選択範囲」「選択範囲を反転」し、キーボードの「delete」キーを押せば綺麗に削除できます。今回は「塗りつぶし」の内容を「ホワイト」にしました。
ここでPhotoshopを保存し閉じると、Lightroomの方にも反映されています。最後に再度、Lightroomで明るさやカラーバランスを調整したら完成です。
失敗写真だった画像の、ゴミ・くすみが取れ、透明感が出ました。明るくなり、あるべき色に補正できたと思います。
しかしやはりと言うか、無理やり補正するのは大変です。大切な商品画像なのですから、できれば撮影の段階から綺麗に撮ることをお勧めしたいですね。綺麗に取る方法は過去の記事をご参照ください。
物撮りテクニック その① ブツ撮りの準備 / その② 背景編 / その③ 基礎の基礎 / その④ ブツ撮りに適したレンズ選び / その⑤ レフ板を使ったブツ撮り / その⑥ 本のブツ撮り / その⑦プラスチック製パッケージのブツ撮り / その⑧ 俯瞰撮影
今回の作例は立ち込めるモヤ。
スモークマシン?はたまたスチームアイロン?もしかしてドライアイス?
いえいえ、答えは100円ショップで購入したインテリア用のLEDケーブルライトです。これを長秒露光している間に、ゆらゆらと揺らすだけです。
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