三脚のナットロックの潤滑に必要不可欠なグリース(またはグリス)。
しかし正しい使い方や適切な管理をしなければ、本来の性能を発揮できないばかりか、思わぬトラブルにもつながってしまいます。
今回はグリースを使用する際の注意点と、私が適切だと思うグリースの選び方や塗布方法、塗布量について解説したいと思います。
グリースの使用上の注意
異種のグリースを混ぜない
まずグリースの使用上の注意についてですが、原則として「異なる種類のグリースを混ぜない」ことです。
異種のグリースを混合すると本来の性能が変化してしまいます。
補充する場合は、既存のグリースと同じ種類のものを使用し、既存のグリースの種類が分からない場合は、全て入れ替えるのが宜しいかと思います。
後述しますが既存のグリースが劣化している場合も、全て入れ替えた方が良いでしょう。
適切なグリースを選ぶ
グリースは使用用途に応じて、適切なちょう度などが異なります。三脚のナットロックに合った適切なものを選定することが重要です。
ネットの情報ではやれカルシウム石鹸系が良いとか、いやいやリチウム系だろなどなど、様々な意見が溢れてますが、結局は三脚メーカーが推奨するグリースがもっとも安全なんだと思います。
例えばGitzoが三脚用として販売している「GSGREASE02」や、ReallyRightStuff社が公式で勧めている「Super Lube(スーパールブ) 多目的グリース」などがあります。
お使いの三脚メーカーのサポートに問い合わせしてみるのも良いかもしれません。
個人的に色々と試してきた中で良いなと思ったグリースは「Super Lube(スーパールブ) 多目的グリース」です。
商品ページ:Super Lube(スーパールブ) 多目的グリース/85g(チューブ) 21030 [HTRC3]
塗りすぎない
たまにべったべったに塗ってナットロックからハミ出している方がいますが、ハッキリ言って塗りすぎは良くありません。
グリースに埃や砂が付着して、内部に混入する原因となりますので、ハミ出したグリースは綺麗に拭き取っておくよう心掛けましょう。
塗布方法と塗布量
それでは実際に塗布してみましょう。
まずは先ほどの注意点に挙げた「異種のグリースを混ぜない」です。劣化した古いグリースは同じ種類であって、異なるモノだと私は考えています。
納得できる理由(例えば数日以内に塗布したが、塗布量が少なすぎたため追加する。など)がない限りは、全て入れ替えた方が良いでしょう。
清掃方法は(台所用の)中性洗剤を使って古いグリースを洗い流します。
よほど頑固な油汚れがある場合を除けば、これで綺麗になるはずです。
頑固な油汚れについては樹脂にも使えるブレーキパーツクリーナーで脱脂します。
商品ページ:ガレージ・ゼロ 速乾 ブレーキ&パーツクリーナー 840ml GZBP01
ナットロックの内側も綺麗に清掃しましょう。
次にグリースを塗布します。1箇所の塗布量はこれくらい。塗布量が多すぎるとグリースの軟化による漏れや酸化などの変質によってグリースの潤滑性能の低下を招くばかりか、埃や砂が付着しやすくなるためナットロックの故障に繋がりかねません。
これを薄く指でネジ山の半分くらいの位置まで塗り伸ばします。
手が荒れないように必ず手袋をしてください。私はニトリル手袋を使っています。アマゾンで50枚入1000円くらいの安い使い捨てのものを、使い捨てずに破れるまで使ってます。
商品ページ:ニトリル手袋 ブラック 50枚入
ちなみにRRSのメンテナンス動画の塗布量はもっと少なくて、これくらい。
ナットロックを締めます。これで完了!ではなく
何度かロックとロック解除を繰り返して、グリースがハミ出さないか確認します。もしハミ出してきたら拭き取ってください。
今回はグリースを使用する際の注意点と、私が適切だと思うグリースの選び方や塗布方法、塗布量について解説しました。
参考になりましたら幸いです。
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