SmallRigが10周年記念という事でX(旧Twitter)でポストしたところ、謝礼として折りたたみレンチセット「AAK2213C」を頂きました。
付属品はハードケースと布ケース。でもケースはふたつも要らないのでどっちか片方で良いかなと思います。
メーカー発表のスペックによるとサイズは82mm×24mm×12mm。重量は79g。
携帯にとても便利で、工具としても握りやすいサイズです。
レンチとドライバーはステンレス鋼製で、セットの入組は4種類の六角レンチ(2.5mm・3mm・4mm・3/16”)、1番プラスドライバー、マイナスドライバー、Torx T25の7種類です。
サイドプレートはアルミ合金製で、側面にネジ穴M2.5・M3・M4・M5・1/4”ネジ穴が空いています。1/4”は2ヶ所あります。
ネジ穴の用途は最初、ネジの保管用かと思っていましたが保管するには厚みが薄すぎて使いにくいので、もしかするとネジゲージかもしれません。
レンチとサイドプレートの刻印の向きが逆になっています。創業10年、こういう細かい部分の完成度はまだまだという感じですね。
レンチの精度
まずは六角レンチ。
4mmはカメラプレートの固定ボルトとして使用されている事が多いので、携帯しておくといざという時に便利だと思います。ただ精度は個体差によるバラ付きがあります。
次にプラスドライバー。
1番なのでかなり小さなプラスネジ用です。日本製品はプラスネジが多いので、携帯していると持ってて良かったと思う場面が多いかもしれません。
工具メーカーのドライバーと比較すると精度は今一歩ですが、応急用としては良いと思います。
次にマイナスドライバー。
まだまだカメラ業界には多用されているマイナスネジ。厚みもちょうど良く使いやすいです。4mm六角同様、こちらもいざという時に便利だと思います。
最後、トルクス25。
使えませんね、これは。T25といえばGitzoの脚部固定用のレンチとして有名ですが、ほとんど噛み合いません。Gitzoの純正工具の精度も酷いですが、それ以上に酷いです。
計測したところ0.68mmしか差し込めません。もしかすると不良品に当たっただけかもしれませんが、もしこれがSmallRig社の規格サイズだとすれば、トルクス穴を舐めるだけですので絶対に使ってはいけません。

※一般的なT25の皿ボルトでも試してみましたが、やはり噛み合わず…。
ちなみに私が普段おすすめしているPB SWISS TOOLSのトルクスレンチで計測したところ2.07mm差し込めました。さらにフィッティングも最高ですので、Gitzo三脚をお使いの方はこちらをおすすめします。
使用感
握りやすさは良好です。カメラ機材用ですのであまりトルクを掛けてはいけないため、本体の長さもちょうど良いのではないかと思います。
アマゾンレビューを読んでますと、レンチが折れたという意見が散見されましたが、カメラ機材に限定するのであれば弱さを感じませんでした。
M6ボルトの規定トルクはT系列で5.2N.m、1.8系列でも9.2N.mですので、使い方を間違えなければおそらく大丈夫かと思います。
試しに9.5N.mで締め付けたボルトを緩めてみましたが、まったく不安は感じませんでした。
もちろん強い工具では無いのは事実ですので、バイク整備などで錆びて固着したボルトを目一杯トルクをかけて緩めるといった使い方をすると曲がったり折れる事もあるかもしれません。
あくまでも撮影機材用の工具ということです。
レビューが怪しい
アマゾンレビューが現時点(2023/09/21)で1904件の評価があり星は4.5です。
正直なところ、そんなに高評価を付けられる品質では無いので、サクラチェッカーで調べたところ…
やはりと言うか、かなりの確率でサクラ・やらせ評価の可能性があります。というかSmallRigの製品、かなりサクラ危険度が高いですね。。
サクラ・やらせ評価の真相は分かりませんが、SmallRigも真っ当なメーカーとして成長していくつもりがあるなら、この現状を放置すべきでは無いと思います。
まとめ
この工具を簡潔に評価するなら「T25以外は」使えない事はない。携帯していればいつか「持っていて良かった」と思う日が来るかも。です。
おすすめするか?と問われれば個人的には正直おすすめし難いですが、デザインやサイズ感・入組が気に入ったという方は買っても良いんじゃないかと思います。一番下にAmazonリンクを貼っておきます。
さて今回は10周年プレゼントで貰った製品に対して結構ネガティブな事を書いてしまいましたが、私はお世辞やステマが大嫌いなので、思ったままレビューしました。
しかし私はSmallRigに大変お世話になっていますし、素晴らしい発想で作られたオリジナル製品もたくさんあります。
真面目にレビューするのも愛情ゆえですので、ユーザーの声を真摯に耳を傾け、ユーザー・ファンが満足する製品を作ってほしいと願います。


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