
ハクさんこんにちは。
僕が使っているハスキー三脚(雲台一体型です)なんですが、特定の角度(80〜90度)でパン操作をすると急に固くなります。
原因は分かりますか?
というご相談を受けました。現物を見てみないと何とも言えませんが、90度近くに雲台を倒した時にしか起こらない現象であれば、おそらくパーツ同士が干渉しているのでしょう。
※HUSKY三脚はプロカメラマンがその使用頻度で10年、20年と使用することを前提として製造されています。そのためあえて耐久性を重視した材質の部品が使用されている部分があり、使い始めは動きに渋さを感じたり、脚部のロックも若干甘いような、滑るような感覚を感じたりすることがあります。いずれも各パーツ同士が馴染んでくると解消されるかと思いますので、是非とも長くお付き合いください。
各部が馴染んでからが本当のHUSKYです。「for Professional」という言葉は飾りではありません。
スタジオJin 「HUSKY ヘッド一体型三脚 KIRK Model」商品ページの説明文より引用
と商品ページに記載があるように、使っていればいずれ馴染んでくると思うのですが、結構大きな異音を伴うという事でしたので、スタジオJinに修理を依頼してみては?と返したところ
「中古で買ったから頼みづらい…」とのこと。
すでに半世紀も国内販売されてきた三脚なので、中古品なんて当たり前。きっと大丈夫だと思いますけど、まぁでもその気持ちは分からなくもないです。
家も近いので実際に見てみて私の手に余るようであればお断わりするという事で、お預かりしてきました。
原因
特定の角度でパンが固くなる原因は、予想通りパーツ同士の干渉でした。
エレベーターに雲台のボディが干渉しています。
雲台ボディはこの塗装が剥げて素地が出ている部分。
エレベーターも削れて少しバリが出来てしまっています。いつかは馴染みそうな気はしますが、でも補修しておいた方が良いのかもしれません。判断が難しい微妙なところです。
そう相談者に伝えましたが「直らなかったらメーカーに依頼するから、まずは補修してみてほしい」とのこと。
う〜ん、私が補修したらメーカー保証が受けられなくなるかもしれませんよ?
修理
失敗しても良いとのことですので、取り敢えずは頑張ってみましょう。
頑張ると言いましても、雲台ボディの塗装の剥げた部分、2ヶ所を少しヤスリで削ってやるだけ。
使った道具はこちら。
ツボサンのヤスリ ブライト900の半丸、神ヤス#600〜#10000、スナップリングプライヤーはトラスコ中山の51-1B、アルミ建材用フエルトペン、スタジオJinの超耐久性粘着グリース。
雲台を三脚から分離し、可能な範囲で分解。
ヤスリでの作業前に雲台のグリースを綺麗に除去しておきます。
ブライト900で軽く削った後(削りすぎに注意・粉塵が雲台内部に混入しないよう要養生)、神ヤスで滑らかに整え、アルミ建材用フエルトペンで塗装します。
組み付け前にヤスリの粉塵をしっかり除去し、グリースを少量塗布して組み付けたら補修完了です。
補修後の雲台ボディ。綺麗に補修できたと自画自賛。
補修後のEV。こちらはバリがなくなる程度に軽く整えました。
結果
補修の結果、無事に干渉する事なく滑らかに動くようになり、相談者様に元へと帰っていきました。
私も初めて買ったHusky雲台がパン操作が渋く、当時の製造販売メーカーであったトヨ商事に電話して聞いたところ「使っていればいずれ良くなります」ということでした。
当時その対応に「う〜ん」と少し納得のいかない気持ちでしたが、でも使い続けていたら良くなったのもまた事実で、Huskyとはそういう事が往々にしてある製品なのだと思います。
今回のように「操作中に異音が鳴る」といった場合は、ちょっと話しが変わってきますが、そういった場合を除けば、大抵は使っているうちに馴染んでくると思いますので、あまり神経質にならなくても良いと思います。
私が今回行った方法はメーカーが推奨している方法ではありませんので、参考にされる場合は自己責任でお願いします。
個人的にはスタジオJinに相談されることを強くお勧めします。


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