「はさみもの(握り物)ならクニペックスが良い」
工具好きであれば一度は耳にしたことがある言葉だと思います。私は三脚雲台に関わる工具をたくさん持っていますが、その他の工具に関しては人並みです。
Husky三脚の分解にスナップリングプライヤーが必要だったため、クニペックスの製品を2丁ほど買ったのですが、どうにも先の形状がうまくハマらず別のメーカーの物に買い換えた。という苦い思い出もあり、無意識にクニペックスを敬遠していました。
しかし、本格的なニッパーやプライヤーを買い替えるとなると、やはりクニペックスは避けて通れません。
KNIPEXとは
さて、まず購入前にクニペックスがどんなメーカーなのか調べてみましょう。Wikipediaによりますと…
クニペックス(Knipex )はドイツのヴッパータールに本拠を置く工具メーカー。プライヤー、ニッパー、プライヤーレンチ、絶縁工具の製造を手がける。創業は1882年。現在4代目が経営しており、他者資本から独立した家族経営会社である。Wikipedia クニペックス
としか記載がありません。ググっても情報は多くなく、情報の真偽も定かではない状況です。
Wikipediaのリンク先も日本語公式Webサイトとリンク切れのebookと思われるURLが載っているだけです。
おそらくもっとも信憑性が高く、そして情報量が多いのはファクトリーギアブログの「KNIPEX」という記事だと思います。
クニペックスのことを知りたいという方はこの記事は絶対に読んでおいた方が良いと思います。
実際に買ってみた
良い物か悪い物かを判断するもっとも最適な方法、それは自分が身銭を切って買って使うことです。
レビューを書くには、製品を企業から貰ったり、人から借りたり、ではいけません。なぜならそんなの悪いことを書けないからです。
ましてや売り場で触ってみただけなんて話しになりませんし、ネットで知識を得ただけなんて論外です。
買うための言い訳が決まったところでクニペックス製品だけで6丁ほど買いました。元々持っていたスナップリングプライヤーを含めると一気に8丁になりました。これだけ揃うと何だかクニペックスに愛着すら感じます。我ながら単純ですね。
でもあれこれ紹介すると、話がまとまらなくなりそうなので、今回は強力ニッパーのみに絞ってご紹介したいと思います。
では早速比較してみましょう。
製品比較
購入したのはこの3本。左から順に
①KNIPEX ツインフォース プラスチックコーティンググリップ
②KNIPEX ツインフォース コンフォートグリップ バネ付き
③KNIPEX X-CUT
テストカットするのは事務所にあった中で一番太い番手の♯14、線径約2mmの針金です。ステンレス線やピアノ線があればもっと良かったのでしょうけど、普通そんな線はデザイン事務所にありません。
さてでは切っていきましょう!
まずはX-CUTニッパー。握り込む力はそれなりに必要ですが、優しい切れ味です。グリップは赤色のところは硬い材質で、青いところは柔らかい材質になっていて、手が痛くならない様になっています。そのため一般的な強力ニッパーよりも連続作業をした時に手の負担が軽減されると思います。一般的なニッパーと変わらないくらい刃が開くのも有り難いですね。
次にツインフォースニッパーのプラスチックコーティンググリップ。切断能力はX-CUTニッパーよりも明らかに強力です。コンフォートグリップよりも小さいので掌の小さい方には扱いやすいと思います。またグリップが滑りにくいのもプラスポイントです。X-CUTよりも刃が開かないのがマイナスポイントですね。
最後がツインフォースニッパーのコンフォートグリップ。切断能力は先のプラスチックコーティングのツインフォースと一緒です。少し掌の小さい自分には扱いにくさを感じます。ただ固い線をカットしても手が痛くなりにくいのがプラスポイントです。オープンスプリング(バネ)付きもコンフォートグリップしかありません。連続作業が多い方はこちらがおすすめです。
実際切っている時の動画
一番気に入ったのは?
この3本の中で私が一番気に入ったのは「KNIPEX ツインフォース コンフォートグリップ バネ付き」です。
X-CUTがダメって訳じゃなくて、運も悪かったように思います。なぜならヨドバシで購入したX-CUTが錆びていて、刃の開きが異様に悪かったからです。結局使い勝手が悪いのでX-CUTは返品となり、手元を離れていきました…。さようならX-CUT。。
でも、X-CUTが錆びていなくても、結果は変わらなかったと思います。それくらいツインフォースを気に入りました。
気に入った最大の理由は切断能力です。文句なしです。
オープンスプリングも必要に応じて出し入れできます。良い!
プラスチックコーティングとコンフォートを並べるとこれだけ厚みが違います。コンフォートだと固いものを連続でカットした時の手の負担が少ないのも嬉しい点ですね。
サイズは3本中、もっとも大きく重いので、その点が欠点といえば欠点ですが
それもこの通り微々たる差です。それよりもグリップの違いは、ユーザーの掌の大きさの方が影響が大きいので、実際に触れる店舗が近くにあるなら、ぜひ触ってから決定してほしいと思います。
何よりこの格好良さよ!たまらん!
というわけでそろそろまとめたいと思います。
まとめ
強力ニッパーというのは、繊細な作業ではなく、しっかり力を入れて握り込んで使う工具だと思います。そういった点でコンフォートグリップが適していると思います。
刃の開きを重視するならX-CUT、切断能力を重視するならツインフォース コンフォートグリップ バネ付きをおすすめして、まとめたいと思います。
最後に一点注意点があります。コンフォートグリップはカビが生えやすいそうです。「コンフォートグリップ クニペックス」でググると2番目の検索結果として表示されます。工具箱を年に一回開けると必ずコンフォートグリップだけがカビていると書かれていますので、普段頻繁に使わずに工具箱に仕舞ったままの方はラバーグリップを選んだ方が良いかもしれませんね。


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