退屈でも間違えないために読んでほしい!”TORX”(トルクス)工具について

海外メーカーの三脚を使っている方ならお馴染みの”TORX”(トルクス)ネジ。

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トルクスはアメリカのCamcar社が開発したネジで、一般的なネジ穴と比べてトルクの伝達効率が高く、耐久性も高いとされています。

他に「ヘックスローブ」(6つの耳たぶという意味)とか「ヘクサロビュラ」と呼ばれています。
名称が異なるだけで、規格としてはすべて同じものです。

しかし、同じ規格であっても作るメーカーによって「ねじへの嵌め合い」の考え方が異なるため、ネジ穴と余裕を持たせて作るメーカーもあれば、ネジ穴ギリギリの寸法で作るメーカーもあります。

TORX トルクス トルクスプラス ネジ

上の画像の中にはレンチが2本とビットが4本(ラチェットに刺さっているものを含む)ありますが、いずれもネジに嵌めた時のフィーリングは異なります。

特にWeraはキツく、RRSのミニ三脚のネジにはハマりませんでした。
(製品によっては逆の場合もあります)

ネジの方も製造メーカーによって多少サイズが異なり、また個体差も存在するため「工具を1セット持っているから安心」とはならない規格です。
もちろんプラスネジや六角ネジでもよくある問題ですが、トルクスネジはその傾向がより顕著な気がします。

さて、トルクスネジが多用されている三脚メーカーと言えば、みんな大好きGITZOと、我らがRRS(ReallyRightStuff)ですが、その2メーカーに関して言えばPB SWISS TOOLSのトルクスレンチがもっともフィット感が良いように思います。
価格は少し高いですがネジ穴をダメにする方が後々もっとお金が掛かりますので、RRSやGITZOユーザーは揃えておいて損はないでしょう。

ちなみにGitzoの三脚(ミニ三脚以外)の開脚調整に必要なネジのサイズは「T25」で、ミニ三脚の開脚調整に必要なネジのサイズは「T20」、ミニ三脚の雲台の分解には「T20」と「T10」が必要です。
RRSのミニ三脚の開脚調整に必要なネジのサイズは「T10」、RRSのボールクランプの開閉レバーの調整に必要なネジのサイズは「T8」です。

脚の開脚調整は挟み込んで調整する必要があるため2本必要です

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トルクス工具選びでもう一点、気をつけないといけないのは、トルクスには4種類(ネジ穴タイプ)あるということです。

TORX トルクス トルクスプラス ネジ

うち3種類は上の写真のように、いずれも六角星形には違いないのですが、中央に穴が空いていたり、突起の形状が幅広になっているものもあります。

いじり防止トルクスは、中央に穴が空いているタイプ。ネジには中央に突起があり、簡単にネジが外されないことで、重大な事故の発生、盗難等を防ぎます。身近なところではガスメーター等で使われています。

いじり防止トルクス

私の事務所のガスメーターにはT20のいじり防止トルクスが使われていました。

トルクスと形状・サイズは同じですので、通常のトルクスネジに、いじり防止トルクスレンチを使用することは可能です。
ただし大きく穴が空いている分、通常のトルクス工具より剛性に劣ります。

次に普通のトルクスよりも角が丸みを帯びた形状の「トルクスプラス(TORX Plus)」。

TORX トルクス トルクスプラス ネジ

単に形状が異なるだけではなく、大きさも僅かに異なります。
欧州車をはじめ、フォード、GMなどで使われています。撮影機材ではまだ一度も見たことはありません。

角が丸いことでネジと工具の接点にかかる応力が分散されるので、通常のトルクスよりも舐めにくいとされています。
また幅広ですから割れにくく、耐久性が高いとも言えます。

さらにいじり防止トルクスプラスという規格も存在します。本当にややこしいですね。

※画像はAmazonの商品ページより

こちらは中央に穴が空いているだけではなく、五角星形になっていまして、ここまで変わるともうトルクスという名称ごと変えた方が良い気がしますね。

さらにさらに、トルクスやトルクスプラスに非常に似た「Ribe CV」という規格も存在します。

Ribe CV

※画像はAmazonの商品ページより

トルクスよりも角ばった形状になっており、私は一度も見たことがありませんが、ネットで調べたところアルファロメオなどイタリア車などで使用されているそうです。


このようにトルクスと似て非なる規格がたくさんあります。
工具選びを誤ってしまうと、ネジ穴を傷めたり舐めて脱着ができなくなってしまう可能性がありますので、くれぐれもご注意ください。

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haku
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