写真を撮っている人であれば、ブレて失敗しちゃったという経験って誰でもあると思います。
写真はブレていないことが良い写真の条件のひとつですが、しかし実は「ブレ」って必ずしも悪いだけではありません。
今回はブレの要素を取り入れて、写真を魅力的に表現してみたいと思います。
被写体をブラす
まずは被写体を動かして撮影してみましょう。
上の写真は電動ターンテーブルに被写体を回転させて、8秒間という長いシャッタースピードで撮影しました。
しかし、やはりと言うか、このように何が何だか分かりません。
そこで「この画角をハッキリと写したい」いう場所に回ってきた時にストロボを発光させます。
そうしますと…
ストロボ光というのは「瞬間光」ですから、光った一瞬だけ被写体を静止して撮影できます。
セッティングに関しても少し触れておきます。
残像が綺麗に出るように、背景にはハイミロン布を使用しました。
メインライトであるストロボは斜め45度から直射でドラマチックな固い光を当てました。
被写体の下からの写り込み対策として、グレーのケント紙をターンテーブルの下に敷いています。
上のようにセッティングした後、部屋の照明をやや暗めに落として撮影。
自然なブレが美しい残像のように表現できました。
背景をブラす
次は被写体ではなく、背景に動いてもらいましょう。
と言いましても、さっきのように本当に背景を動かす訳ではなく、勝手に動いてくれる背景を利用するのが一番簡単です。
そう、たとえば道路沿いで撮影すれば、車が勝手に動いてくれますし、夜間であればその動きに光まで追加してくれます。
カメラと被写体以外をブラす
最後にカメラと被写体以外をブラして撮影する方法があります。
一般的に「流し撮り」という撮影手法を応用します。
背景は何でも構いませんが、カラフルな色合いがお好みであれば、PCのモニターなどを背後に配置しておくと良いと思います。
三脚の上にテーブルを設置し、そのテーブルの上に被写体とカメラを置きます。この時、三脚は水平に立てることが重要です。
三脚を水平に立てていないと、雲台を回転させた時にテーブルの水平が崩れてしまい、最悪の場合、被写体やカメラが落下してしまうので注意が必要です。
さてそれでは雲台のパン機能を利用して、カメラのシャッターを3秒タイマーにセットして押し(シャッターボタンを押した時のブレ対策)、3秒後のシャッターのタイミングに合わせてゆっくり揺らさないようにテーブルを回転させましょう。
何の変哲もない部屋から不思議な背景を生み出す事ができました。
なお私が使った三脚テーブルは十数年前に自作した物ですが、最近はアウトドアブームのおかげで板にネジ止めするだけでテーブルになるというアイデア商品が販売されているようです。
「三脚 テーブル アルカスイス」とググればヒットすると思います。
さて、いかがでしたでしょうか?
今回は3種類のブレを使って演出してみました。
通常は厄介者であるブレも味方に付ければ、こんなに素晴らしい光となってあなたの写真を彩ってくれるでしょう。
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