写真のスランプ。その原因と対策

カメラの腕が上達しない。思ったような写真が撮れない。Photoshop頼みで、全然思い通りに撮れない。マンネリ気味で毎回同じような写真ばかり撮ってしまう…。

今回はそんなスランプについて書きたいと思います。

スランプの原因

想定した結果がでなくなる

写真を始めたらスマホなんかよりすごく気に入った写真が撮れて、面白くてどっぷりハマってしまった。色々と教えてもらいながら機材も増えていって、知識もつきはじめて、周囲からお世辞混じりに「凄いですね」なんて言われるようになり、ちょっと気合いれてフォトショップを学んで編集したら想像以上にいい作品になってしまって、勢いでフォトコンテストに出したら賞まで取っちゃった。

そうこうしているうちに、だんだん目標も大きくなって、小さな目標も具体的に立てて、それも計画通りに進んでいたのに、ある時から急に想定を下回る結果しか出なくなった。さてどうしたものか…

こんな分かりやすくスランプになった人は逆に少ないかもしれませんが、どんな人でも大なり小なり「写真のスランプ」は起こる可能性はあります。

焦って手当たり次第、色々と試してみるも、なかなか思うような結果に繋がらず、結果が出なくなるとモチベーションの低下が始まります。モチベーションとともに集中力も低下し、写真の勉強も疎かになります。他のことが気になり、写真から離れてしまい、ますます成果が落ちていきます。

それ本当にスランプ?

もうこれで良いと思ってしまうと途端に趣味は面白くなくなるものです。

たとえばめちゃくちゃ欲しい機材があったとします。それを手に入れる前と手に入れた後では、一体どちらがその機材への興味が強いでしょうか?物欲は手に入れた瞬間、急激に冷めてしまいます。

自分の欲求がある程度満たされてしまい、写真への欲が弱くなってきたのかもしれません。自分ではスランプと思っているだけで、実は飽きているだけ。なんて可能性もあります。

「あなたの素敵」が「誰かの素敵」と同じとは限らない

観光地でカップルに写真撮影をお願いされたとします。

しかしあなたは写真の腕に自信がある風景写真家です。渡されたカメラを使ってその場所で撮れる最高の一枚を撮ってあげました。もちろんそこにはカップルは写っていません。果たしてそのカップルは喜んでくれたでしょうか?

これは極端な例ですが、人の価値観はさまざまということです。必ずしもあなたが思う素敵な写真と、他人が思う素敵な写真が一緒だとは限りません。あなたの渾身の作品よりも、適当にスマホで撮った猫の写真の方が喜んでくれることだってあるでしょう。

ほとんどの人はあなたの写真の興味はありませんし、期待もしていません。それなのにスランプに陥ってしまうということは、あなたが自分自身に期待しているからに他なりません。

なぜスランプに陥るか?

そもそもなぜスランプに陥ってしまうのでしょうか?

まず私たちはそんなにいい加減な気持ちで数十万円、人によっては数百万円の投資をして写真に取り組んでいる訳ではありません。誰もが「自分の持ちうるそこそこ最高の技術と努力」で向き合ってきたと思います。少なくともスマホで記録写真を撮るような、軽い気持ちでは無いと思います。

そうすると、自分で「せめてこれくらいの写真は撮りたい」という「想像上の作品」が脳内で作成されます。その作品のレベルが高くなればなるほど、ある瞬間に「自分には難しい」と思い込んでしまうのだと思います。

スランプの要因はほとんどの場合、こういった自分の脳内で作り出されたハードルの高さ、嫉妬、思い込みなんだと思います。

たとえば他者と自分を比べてはいないか?勝手に周囲から期待されていると思い込んでいないか?失望されるのではないか?「実現するかも」と思っていた夢が遠のいていくように感じて焦ってしまう。

私の過去のさまざまなスランプの経験から考えると、おおむねこのような嫉妬や思い込みが原因だったように思います。また自分よりも評価されている人を見て焦ってしまったり、嫉妬して粗探しをしたり、色々と趣向を変えて迷走したりもしました。

しかしそういった経験は私自身、今になって思えばとても良い経験だったのだなと思っています。なぜなら挫折を経験するということは、新しいことに挑戦したからです。(アルバート・アインシュタイン) スランプに陥ったということは、あなたが写真に対して真摯に向き合って努力してきた証拠と言えます。そしてそれは誇りに思って良いと思います。

さぁスランプから脱出しよう!

さてスランプの原因が見えてきましたら早速脱出しましょう。

技術を学んでみる

例えば段数についてイチからしっかり学んでみたり、撮影手法をハウツー本から学んでみると良いかもしれません。尊敬する写真家の写真教室やセミナーに参加してみるのも良いでしょう。新しい分野の写真に挑戦してみるのも良いと思います。知らなかった面白そうな技術を知ることで「自分もやってみたい!」と思うのはよくあることです。そしてその技術が自分に合っていれば、スランプから抜け出すキッカケになることもあるでしょう。

撮れた写真のどこに問題があるか考えてみる

納得のいかない自分の写真。その写真にいったいどんな問題があるのでしょうか?まずは徹底的に解析してみましょう。そして、その問題はどうしたら解決できるか考えてみるのです。たとえばつまらない構図が原因なのか、はたまた光のコントロールが悪いのか、被写体選びが良くないのか、そもそも露出やピントが甘いのか。かならず良い写真にも悪い写真にも、そう感じる原因というものがあるはずです。

構図が悪いと感じたなら次は目の高さを変えて、違う位置から見るように心がけましょう。脚立を持ってロケハンしてみるのも良いと思います。光のコントロールが原因ならば、光の差す時間帯、方角、その日の天候など入念にチェックし、次は自分なりに調べ上げた場所・時間・天候を狙って撮影してみてください。露出やピントといった技術的な問題はスランプ以前の問題です。

原因を探り、次にその原因を改善してみることで、スランプ脱出の糸口となるでしょう。

写真から離れてみる

何をやってもどうしてもダメなら苦しいだけです。一定期間、写真から離れてみるのも悪くないと思います。離れてみて初めて見えてくる景色もあるかもしれません。そして何よりも時間というものは、大抵の悩みを解決してくれます。少し時間を空けることで案外簡単にスランプから脱出できるかもしれません。

カメラやレンズを増やしてみる

例えば持っていない画角のレンズを増やしてみてください。魚眼レンズやオールドレンズなど個性が強いレンズは、きっとマンネリ感を払拭してくれるはずです。また防水カメラで水中と水上の境目を撮ってみたり、ドローンで空撮というのも面白いでしょう。カメラやレンズだけではなく、ペンライトやガラス玉など小物も増やして作品撮りをしてみるのも良いでしょう。面白い!と思うことがスランプの一番のお薬だったりします。

フィルターやストロボを使ってみる

フィルターやストロボは、道具の中でも非常に斬新な効果を生み出しやすいアクセサリーです。このふたつを使うだけで、劇的に作品の方向性を変えることができますから、ぜひ取り入れてみてください。

三脚を使ってみる

そろそろこれが来るはずと、冴えている方なら思っていた頃だと思います。

例えば水の流れ、花火、蛍、星、夜景、パノラマ、多重露光etc…

三脚があれば、それまで撮れなかった様々な写真が撮れるようになります!

三脚を増やしてみる

この展開も大事ですね。やはり用途にあった三脚を複数本もっておきたいですね。普段使い用にしっかりした1本、旅行用に軽い1本と最低2本は持っておいて頂きたいと思います。雲台も用途に合わせていくつか欲しいところですね。

三脚を撮ってみる

三脚ポトレ

二度あることは三度ある。しつこいようですが三脚は大事です。ぜひぜひご自慢の三脚を格好良く撮影してあげて、ハッシュタグ三脚ポトレ(#三脚ポトレ)をつけてTwitterにアップしてください。そこに私が現れひとつ「いいね」を押していきます。スランプ脱出のキッカケになれば幸いです。

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haku
こんにちは三脚フォトグラファー「ハク」です。 当ブログのキャッチフレーズは「探していた三脚と雲台の情報がきっと見つかる!三脚雲台沼ブログ」です。 当ブログを読めば大抵の三脚雲台の悩みは解決できるようになるはずです。 どうぞよろしくお願いいたします!

コメント

  1. 写真家 より:

    一番のスランプは撮影ポイントに辿り着けないことですね。
    滝の写真撮るのに水系たどって水の中くぐり、川を渡って撮影ポイントまで行くという体力がなくなってきました。
    ここからだと撮れるはずだと地図の上で検討付けて行ってみたら、進入禁止だったり(テロ対策が多い)近頃そういうことが多いですね。
    昔あった道が台風で崩れて通行できなくなっていたり、ホテルの屋上から撮れると思ったらホテルが廃業してビルそのものがなくなっていたり。
    三脚を使わせない寺社仏閣が増えて撮影できなくなったり。
    まあ、ストレスたまりまくりですわ。

    • haku haku より:

      写真家さん、こんばんは。なるほどそのようなストレスもありますね。
      私も2年ほど前に肺の手術をして以来、激しい運動をするといまだに手術痕が傷んだり、呼吸困難になる事があり、なかなか体力を戻せずにいます。
      そのためいわゆる秘境という撮影スポットに縁遠くなってしまいました。
      撮影禁止、三脚禁止も多くなりましたね。カメラマンのマナーの問題もクローズアップされる事が増えた昨今、ストレスは増えていくかもしれないですね。

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