前回「Really Right Stuff MPR-CL Ⅱ 新旧モデルの変換表を作ったよ」というマニアックな記事でせっかくNikon ZレンズのNPPを調べたので、今回はその時に撮影したテスト画像を活用して記事にしたいと思います。いえ手抜きではありません。
まずはパノラマ撮影に必要な機材の準備をしましょう。
機材準備
●三脚(雲台含む)
●パノラマクランプ
●クランプ付きロングプレート
●水準器
●カメラ用アルカスイス互換Lプレート
準備するのは以上5点です。特に高い機材で揃えなくても正確なパノラマ撮影はできます。
パノラマクランプやクランプ付きプレートがアルカスイス互換の製品が多いので、三脚(雲台)もアルカスイス互換の方が便利だと思います。
水準器は2WAYでも丸型でも、どちらでも大丈夫ですが、2000円くらいの国産メーカー製の精度の良いものが理想的です。カメラ内の水準器では水平方向しか合わせられないので調整が難しいと思います。
撮影前準備
お持ちのカメラのNPP(ノーパララックスポイント)を調べます。何故NPPを調べる必要があるのか?といった内容に関しては下記リンク先の記事をご覧ください。調べ方についても書いてあります。
ノーパララックスポイント(No Parallax Point)を知り、正確なパノラマを撮ろう
また調べたNPPの数値はクランプ付きロングプレートにシールで貼っておくと、撮影場所でスムーズにセッティングできます。
セッティング
まずはパノラマ撮影をしたい場所に三脚を立て、パノラマクランプを雲台に取り付けます。
パノラマクランプに角度目盛りや白線がレーザー刻印してあれば、分かりやすい数値に合わせておきましょう。
次にクランプ付きロングプレートを装着し、水準器を載せて水平を合わせます。
カメラにアルカスイス互換Lプレートを装着し、クランプ付きロングプレートに、縦構図で取り付けます。この時カメラのセンサーの中心とロングプレートの中心がなるべく一致するように取り付けてください。
最後に先ほど調べたNPPに合わせます。表の見方はレンズの種類と焦点距離。
表に記載されている目盛値をパノラマクランプの中心に合わせます。
これでセッティング完了です。
撮影方法
撮影していきます。撮影の注意点はまずピントを移動させないことが大事です。F値・シャッタースピード・ISO感度・ホワイトバランスを変更させないようにマニュアルモードに設定にしておきましょう。
これは各カット毎で、ピント位置や明るさや色味が異なると、合成した時に不自然になってしまうからです。
下の作例は既に合成後の写真ですが、左側に太陽があるため、左右端の明るさの違いがやや不自然な感じがしますね。
ちなみにこの写真はパノラマ撮影の完成形ですが、実際は下のような縦構図の3枚の写真を合成したものです。
この3枚は下の赤い枠線の部分(約1/4ずつ)が被るように撮影しています。
これらの点に注意して撮影したら完了です。
合成方法
合成に使うアプリケーションは「Lightroom Classic」です。まずは写真を読み込んで開いたら、合成したい写真を選択します。
「写真」→「写真を結合」→「パノラマ」と進みます。
「遠近法」を選択して「結合」をクリックします。
結合が開始されます。合成枚数が多いほど処理時間がかかります。処理が完了したら「書き出し」をして完了です。お疲れ様でした。
もしNPPに合わせなかったら?
もしNPPに合わせず合成したらどうなるでしょうか?実はアプリケーションの性能は年々良くなってますので、NPPに合わせなくても標準域の画角でしたら何とか違和感なく繋げてくれます。
上の方がNPPに合わせなかった時の合成画像です。電車の形状が歪みが激しいものの、繋ぎ目の破綻はありません。でもどうせ手間をかけてパノラマ撮影をするのですから、NPPの一手間をかけてほしいと思うのが本音です。また広角になればなるほど破綻なく繋げるのは難しくなります。
さいごに
さて今回は今朝NPPを調べた時に確認用に撮影した際のテスト写真を使って撮影方法をご紹介させていただきました。自分のカメラのNPPを知り、パノラマ撮影で活用することで、より作品は魅力的になります。ぜひ手間を惜しまずチャレンジしてみてください!
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