ノーパララックスポイント(No Parallax Point)を知り、正確なパノラマを撮ろう

最近は画像編集ソフトが優秀になっていますので、パノラマ写真も簡単に撮れるようになりました。

NoParallaxPoint

視差とは?

こちらは先日、大阪のスカイビルの展望デッキから撮った物を合成したものです。一見綺麗に繋がっているように見えますが…

NoParallaxPoint1

拡大して見ますと、このように盛大にズレていたりします。現在のPhotoshopの自動処理ではこの辺りが限界です。なぜこのような事が起こるかというと、雲台の回転軸の真上に、レンズの焦点の中心が来ていない事が原因です。

NoParallaxPoint2

上の図の白丸十字がレンズの焦点中心で、赤い小さな丸が回転軸だとします。レンズの前には2つ被写体(黒い丸)がありますが、奥側は手前に隠れて見えません。ここから右方向へパンします。

回転軸とレンズの焦点中心が一致している方(左側)はパンしても奥の被写体は隠れたままです。しかし右側は奥の被写体が出てきてしまいました!

つまり1枚目に撮影した画像には写っていない被写体が、同じ場所にもかかわらず2枚目には写ってしまった!という訳です。これを繋げようとしたって、無理が生じてしまうのは仕方がありません。

先程の夜景のズレもこういった現象、いわゆる「視差」が原因です。

ノーパララックスポイントとは?

この視差を抑えるためには、パンの回転軸の真上にレンズの焦点の中心位置を合わせる必要があります。この位置のことを「ノーダルポイント」または「ノーパララックスポイント(No Parallax Point)」と呼びます。もうこの長ったらしい横文字の時点で面倒に感じられた方も多いのではないかと思います。あまりにも長いので以下「NP」とさせて頂きます。

NPを探し出し、正確なパノラマ撮影を行うには、三脚と雲台の他に【ふたつのアクセサリー】が必要です。

NoParallaxPoint4

カメラを固定出来るロングプレートとパノラマ台です。アルカスイス互換で統一しておくとセッティングが非常に楽になります。特にReally Right Stuffの物は精度が高く、剛性にも優れていますので、少し高額ですがオススメです。

パノラマ撮影のセッティング方法

ではセッティングです。

NoParallaxPoint5

三脚を立てます。ブレへの配慮から、できればこの時点である程度真っすぐ立てるのが望ましいです。

パノラマ台を雲台の一番上に装着します。間違っても雲台より下にセットしてはいけません。

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雲台で正確な水平にセットします。

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カメラを固定出来るロングプレートをパノラマ台の上にセットします。

カメラをセットします。

この時、ロングプレートの中心とカメラの中心が一致するようにしてください。機材はこれで全てです。

ノーパララックスポイントの探し方

次に正確なNPを探し出します。

NoParallaxPoint11

手前と少し奥に細長い棒を1本ずつ立て、奥の棒が完璧に隠れるようにカメラをセットします。

ファインダーにはこのように見えています。次に画角にギリギリ棒が入るように、カメラを右側にパンします。

このように隠れていたはずの後の棒が現れてしまったら、NPではないということです。ちなみに反対方向にパンしても

このように結果は同じです。

ノーパララックスポイントの合わせ方

ではいよいよNPを出します。と言っても方法は非常に簡単です。

このようにセットしたロングプレートを

少しずつズラしていくだけ。あとは先程の行程をくり返して、視差が出ない位置を見つけて下さい。NPで撮影しますと、このように写ります。

左へパン

右へパン。完璧です。その位置を見つけたら

ロングプレートの目盛り位置をメモに取っておく事をオススメします。ボディによっても変わりますし、同じレンズであっても画角によってNPは変わります。各焦点距離ごとにNPをメモしておくと、撮影現場で慌てることがなくなります。ズームレンズなら3箇所くらい見つけておくと、あとは編集で何とかなるレベルの視差だと思います。

実践前にテスト実写をしてみよう

散らかった部屋で申し訳ないのですが、先程室内でパノラマしてみました。上が適当に撮って繋げたもので、下がNPで撮って繋げたものです。

一番酷い場所だと割り箸が心霊写真状態です ^^; これを正確に補正し繋げるのは至難の業です。何より作業時間が勿体ないですね。

このように、ほんの一手間かけるだけで、見違えるように作品のクオリティが上がりますので、ぜひ知らなかった方は次から実践してみてください。ではではー

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haku
こんにちは三脚フォトグラファー「ハク」です。 当ブログのキャッチフレーズは「探していた三脚と雲台の情報がきっと見つかる!三脚雲台沼ブログ」です。 当ブログを読めば大抵の三脚雲台の悩みは解決できるようになるはずです。 どうぞよろしくお願いいたします!

コメント

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