重い三脚は正義か?

三脚は重ければ重いほど良い

今日は三脚の重さについて考えたいと思います。アルミ三脚全盛期には「三脚は重ければ重いほど良い」という考えが主流で、古いカメラのハウツー本にもそう記載されているのを見たことがあります。

そしてそれは今でも三脚の構造や撮影条件が同じであるならば、脚は太いほどブレにくいですし、重い方が安定します。極端な話ですが100kgの重りにカメラを取り付けた場合と、1kgの重りにカメラを取り付けた場合とでは、風の影響の受けやすさや、地面からの振動の影響など、どちらがブレにくいかは想像に難くないでしょう。

私が過去に行った検証でも、カーボンやアルミといった素材よりも、重量の方がブレに対して影響が大きいという結果が出ています。ですから「カーボンかアルミか?」という論争をするよりも「2kgか3kgか?」ということを論じた方が意味があると思います。

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本当に三脚は重ければ重いほど良い?

撮影に行くのに三脚だけを持って行く人間は、さすがに私以外にはいらっしゃらないと思います。

ですから実際には三脚以外にカメラやレンズなど、他の機材を抱えて歩くことになります。自動車で現地に行って、撮影地まで数分であれば良いのですが、数十分〜数時間持ち歩くとなると、三脚の1kgの差は非常に大きくなります。

特に登山となると1kgの差は生命を左右することもあるでしょう。優先順位を考えれば自ずと「軽量三脚を選ぶべき」という答えにたどり着くのは仕方がありません。過酷なシーンにおいては、体力や腕力、脚力に合わせて適切な三脚を選ぶことが重要だと思います。

ストーンバッグやエンドフックを積極的に活用しよう

そこで活躍するのがストーンバッグやエンドフックです。特にエンドフックは、一瞬でバッグを吊り下げられるので便利です。

しかしエンドフック使用時には2つ注意点があります。

風でバッグが揺れると三脚がブレる

風が強い中、バッグを揺らしながら撮影されている方を結構見かけます。風の強さによってはブレに逆効果ということもありますので、注意が必要です。私は地面に置いたバッグを、エンドフックとバッグをロープで固定する方法を推奨しています。適切にロープを張っていれば、効果は絶大です。

重量が掛かると三脚がたわむ

三脚に強い荷重がかかると、脚が外側に開いてしまいます。これはどんなに優れた三脚でも起こりますが、軽く細い三脚や、段数の多い三脚ほど顕著に現れます。

タイムラプス撮影中に風が出てきて、バッグを吊ったら構図がズレてしまい、作品の仕上がりが微妙になった…。というように、連続撮影の途中で吊ってしまうと構図がずれてしまいます。これを避けるために、必ず最初から吊っておくことが大切です。またあまりにも重いものを吊ると三脚にかかる負荷が大きくなりすぎて故障の原因となります。お使いの三脚のメーカー発表の耐荷重を参考にしながら、適切な重さにとどめるように心がけましょう。

動画

まとめ

今回私が書きたかったことは、現代においても三脚にとって重さは非常に重要だということです。可能な限り「太く・重い」三脚を使用し、長時間おなじ場所にとどまって撮影するのであれば、撮影スタート時の風の有無は関係なく、最初から重りを掛けておきましょう。また重りは宙にぶら下げるのではなく、ロープなどを使って地面に置いたバッグに固定すると、突然の天候の変更による風の影響も受けにくいです。

 

おすすめアクセサリー

ロープはナイトアイズのカムジャムを使っています。シンプルで操作が簡単で、強く安価です。1本バッグに忍ばせておくと、いざという時にいつでも三脚に荷重をかけることができるので便利。参考になりましたら幸いです。

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haku
こんにちは三脚フォトグラファー「ハク」です。 当ブログのキャッチフレーズは「探していた三脚と雲台の情報がきっと見つかる!三脚雲台沼ブログ」です。 当ブログを読めば大抵の三脚雲台の悩みは解決できるようになるはずです。 どうぞよろしくお願いいたします!

コメント

  1. タケシ クリヤマ より:

    ハクさんこんにちは。タケシです。
    素材よりも重さがブレに影響するという記事を拝見して以来、僕も撮影の際はストーンバッグにカバンを乗せています。
    質問があるのですが、エンドフックにロープを繋いでカバンを掛ける時はどの程度のテンションがロープにかかっていればいいのでしょうか。カバンが軽く地面に付く程度で良いですか?
    それと、近々TFC-34Lを購入予定です。ハンドストラップは外すつもりですが、こちらのFixed Apexにはロープを掛けることは可能でしょうか?

    • haku haku より:

      タケシくん、コメントありがとうございます!
      ロープにかかるテンションは文字で説明は難しいのですが、バッグに触れても動かない程度かけています。ちょっとぶつかった程度で動いてしまっては意味がないからです。またバッグが軽い時はほとんど意味がないので、そんな時はスーパーのビニール袋に石を詰めると良いですよ。
      fixedにはエンドフックが付いていないので、3ヶ所あるネジ穴を利用して自作のフックを使っています。それまではハンドストラップを極端に短くしたものに差し替えて、それにロープを通して使っていました。
      あまり難しく考えず長めのロープを雲台の近くにクルッと巻き付けて張っても大丈夫です。

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