スピンナハンドルとは?
今回は私が一番好きな工具「スピンナハンドル」をご紹介します。
スピンナハンドルはメーカーによって呼び名が異なり「スピンナーハンドル 」「スピナーハンドル 」「ブレーカーバー」「フレックスハンドル」とも呼ばれます。
いずれの呼び名であっても仕事で使っている人や工具好きでもない限り、あまり耳馴染みのない工具だと思います。まずはどんな工具なのか見てみましょう。
上のイラストのように、ソケットを差し込むヘッドとグリップのみで構成されたシンプルな機構の工具です。
単体では使う事ができず、ソケットと組み合わせて使用します。
スピンナハンドルの特長・使い方
スピンナハンドルはグリップの太さ・長さを利用して大きなトルク(回す力)が出せる工具です。
ヘッドにある差込角を任意に角度変更でき、グリップを立てることで早回しすることができます。
グリップエンドがソケットになっている物は、エクステンションバーを差し込むことで、さらにグリップを延長することができます。
スピンナハンドルの欠点・短所
ラチェット機能がないため、グリップを立てられないような狭い作業場所では早回しができません。
三脚雲台で扱うためのスピンナハンドルの選び方
差込角は 1/2”・3/8”・1/4” と3種類あります。
一般的には3/8”が一番流通していますので、ホームセンターなどで安価に入手しやすいです。しかし、六角レンチと比較すると3/8”のグリップは太すぎるため、工具に慣れない人にはオーバートルク(ネジ径に対して大き過ぎるトルク)になりやすいという傾向があります。
そしてグリップ長が長いほど大きい力をかけられます。
例えばアルカスイス純正クランプのM6ネジの六角穴は3mmです。そして3mmの六角ビットの破壊トルク(ビットが折れるトルク)はボンダス製で約12N.m。
12N.mなんてグリップが長いもの(30cm〜)ですとあっという間に超えてしまいます。
三脚・雲台で使用するのであれば、差込角は1/4”(6.35sq)、グリップ長は15〜20cmのものが良いと思います。
HAKUが使っているスピンナハンドル
私が持っているスピンナハンドルは全部で5本。三脚雲台のメンテナンスで使ってみた感想などもご紹介したいと思います。
①アストロプロダクツ AP 3/8DR ダブルスクエアスピンナハンドル 300mm
グリップエンドに3/8″(9.5mm)の差込が設けられているので、エクステンションとして、またはエクステンションバーを差し込んでさらに長いスピンナハンドルとして使用可能※です。※メーカーは推奨していません。私はネプロスのロングエクステンションバー300mmを接続して600mmのロングスピンナハンドルとして使っています。
三脚・雲台用としては少し太過ぎて、長すぎると思います。
細かいことですが、グリップエンドの差込がヘッドの差込角に対して平行に作られていないのが少し不満。あとはずっしり重いので細かい作業での取り回しには向いていません。
お求めやすい価格がとても嬉しいですね。
<商品仕様>
・全長:303mm(90度倒し時)・重量:400g・差込角:3/8″(9.5mm)・可動範囲:180°

②Snap-on 3/8 ブレーカーバー FHBB12A
滑りにくく握りやすいソフトグリップ。デザインも格好良く所有満足度が高い。欲を言えばグリップエンドに差込があればさらに良かったです。
価格が9000円〜とかなり高いですが、そこはスナップオンなので諦めてください。バンで購入するともう少し価格は高いですが、永久保証つきですので、使用頻度が高い方はバンから購入することをお勧めします。
ただし三脚・雲台用としては少し太過ぎて、長すぎるのでお勧めはしません。バイク弄りが趣味の方にぜひ。
<商品仕様>
・全長:303mm・重量:333g・差込角:3/8″(9.5mm)・可動範囲:180°

③京都機械工具(KTC) 6.3mm (1/4ンチ) スピンナハンドル BS2E
とっても軽量コンパクトで、お求めやすい価格がgood! 三脚・雲台用のスピンナハンドルとして適切な太さ、長さだと思います。
オーバートルクになりにくく、スペック不足でもなく、品質も悪くありません。
ただしグリップが細く、またツルッとした鏡面仕上げのため、グリスなどが手についているとめちゃくちゃ滑って使いにくいです。クランプ換装などの作業ではグリースが手に付着する機会が多いですから、その点、注意が必要です。
ヘッドのリペアキットが設定されていましたが、メーカーサイトでは販売終了となっています。(在庫が残っている店舗がまだあるようです)でも本体1500円に対してリペアキットが1000円くらいしますので、部分的に直すよりも買い換えた方が結局は長持ちするでしょう。
<商品仕様>
・全長:142mm(90度倒し時)・重量:79g・差込角:1/4″(6.35mm)・可動範囲:180°

④Bahco(バーコ) ブレーカーバー 6958
グリップに厚みがあり、グリスなどが手についていても滑りにくく握りやすいです。またシャフトが四角形になっているため、力を入れる親指が掛かりやすいのも操作性を高めています。
三脚・雲台用のスピンナハンドルとして適切な太さ・長さで、オーバートルクになりにくく、スペック不足でもありません。新品購入時から小傷が多く、決して仕上げは良いとは言えませんが、工具としての品質は悪くありません。デザインも格好可愛いです。
首振り角が240°と範囲が広いのが、好みが分かれるところかもしれません。スピンナハンドルは力を入れて使うことが多いため、180°の方が操作性が安定し扱いやすく感じます。もちろん奥まった場所など振り角が有利に働くこともあると思いますが、三脚・雲台用途としては特にメリットはなさそうです。
価格が5000円弱〜と高いところもマイナス点ですね。
<商品仕様>
・全長:151mm(90度倒し時)・重量:78g・差込角:1/4″(6.35mm)・可動範囲:240°

⑤ネプロス 6.3sq.ロングスピンナハンドル NBS2L
適度な厚みと指がかかる窪みがあるので、鏡面仕上げですが手に馴染むグリップです。ただしグリースなどが手についていると滑りやすいです。
三脚・雲台用のスピンナハンドルとしては少し長いかな?という感じですが、1/4”で20cmというのはなかなか無くて、それなりにトルクが掛けられるので個人的に気に入っています。トルク管理ができる方なら満足度が高いでしょう。
価格が4000円〜とやや高めですが、同じネプロスの300mmのエクステンションバーと変わらない価格なので、むしろ安い気さえしています(麻痺)。
<商品仕様>
・全長:190mm(90度倒し時)・重量:118g・差込角:1/4″(6.35mm)・可動範囲:180°

まとめ
5つ私が使っているスピンナハンドルをご紹介しましたが、実際に三脚・雲台に使ってみて思ったことをまとめます。
三脚・雲台のメンテナンスで扱いやすいスピンナハンドルは、差込角が1/4”(6.35sq)、グリップ長は15〜20cmのものがお勧め。
ご紹介した5つの中から選ぶとすると…
お値段がお手頃で、必要なスペックを有しており、なおかつオーバートルクも抑えられる理想のスピンナハンドルは「京都機械工具(KTC) 6.3mm (1/4ンチ) スピンナハンドル BS2E」に決定したいと思います!



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