カメラボディに雲台のクイックシュープレートを取り付ける時のカメラネジの締め付け方

カメラボディとクイックシュープレートを締結するネジがしっかり締まっていない場合、一体どういった事が起こるのでしょうか?

答えは 緩んでしまう可能性が高まります。

三脚や雲台がどんなに強くても、クイックシュープレートのネジが緩んでしまったら意味がありません。

しかし、しかしです。じゃあ強く締めれば良いのか?というと、ネジの締め過ぎは、ネジ穴を壊したりカメラボディの変形などといった故障の原因となることがあります。

でもカメラネジって一体どのくらいの力で締めたら良いの?

今回はそんな疑問を調査・検証したいと思います。

各メーカー公表の締め付けトルク

ネジの締結は緩すぎても締めすぎても問題が発生します。そのため「この素材でこの太さのネジだと、この力で締め付けましょうね」という目安となる数値があります。

カメラネジは大抵の場合、雄側も雌側もネジの材質はステンレスや鉄製です。

しかしインサートボルト(雌ネジ穴)が埋め込まれているカメラボディ本体はプラスチック製など柔らかい素材だったりする場合があります。

そのためあまり高トルクで締めると割れや変形の可能性が出てきてしまうのです。

安全のために、各メーカーに締め付けトルクの設計数値を問い合わせてみました。

KIRK は「締め過ぎに注意してください」とし、締め付けトルクの設定は無しとのこと。ヴァイテック は非公表ということでした。ケンコートキナー ハクバ は現在問い合わせ中です。また回答が届き次第、追記したいと思います。

現時点で唯一数値で回答が得られたのは ReallyRightStuff で 2.25N.mで締めて使うよう設計している。とのことです。

プラスチック製ボディも想定した数値だと思いますが、たとえマグネシウム合金ボディであっても、一般強度区分の半分である「0.5系列0.5T)」くらいまでに抑えておいた方が良さそうです。

1/4”ネジの一般強度区分の締め付けトルクは5.43N.mですので、0.5Tですと2.71N.mとなります。

多くの付属レンチが5〜6cmと短い理由は、コスト面だけではなく、あまり強く締めすぎないように。という配慮なのかもしれませんね。

コインでネジ止めした場合、締め付け力は足りているか?

さて締め付けトルクが決まったところで、疑問がわいてきました。

コインで2.25N.mもトルクを掛けられるものだろうか?」と。

まずはトルクレンチで2.25N.mで締結します。そこから戻しトルクを計測します。これを10回計測し、平均値を割り出します。

割り出された数値は 1.71 N.m

この戻しトルク値を基準にコイン締めした場合に、締め付け力は足りているのか判別したいと思います。

目一杯、力を込めて10円玉を使用してネジを締めます。

それでは戻しトルクを計測しましょう。

・・・・。

0 N.mで緩んでしまいました。もちろん本当にゼロではありません。KTCのデジラチェは1.5N.m以下は計測できないので、1.5N.m以下という結果です。

では500円玉だったらどうでしょうか?

手応えは十分あります。なんかイケそう!

戻しトルクを計測したところ、予想通り、規定トルクに達していたようです。

「コイン締め」でも500円玉くらい大きなコインなら2.25N.mの締め付けトルクに達する。と結論付けたいと思います。

※人それぞれ力は違います。非力な人だと500円玉でも力が足りなかったり、怪力の人なら1円玉でもオーバートルクになる可能性があります。

PBスタビードライバーでネジ止めした場合、締め付け力は足りているか?

さて次は、PBのスタビードライバーでも試してみましょう。グリップをしっかり握り込んで回しました。でもコインの時ほど思いっきりは回していません。

それでは戻しトルクを計測しましょう。

余裕です!むしろ締まり過ぎでしたね。マイナスのカメラネジには、コインよりもPBのスタビードライバーの方が楽に締結できます。

六角レンチで手締めする場合、どのくらいの力で締めるべきか?

先ほども書きましたが、ひとそれぞれ力は違います。そのため表現が難しいのですが、まずは短めのレンチを使用するだけでも、かなりオーバートルクを抑えられます。

次に持ち方。端の方は使わず短めに持ちましょう。具体的には六角穴から3〜4cmの位置に人差し指をかけて、親指を曲がり角に添える感じです。

そして一番重要なことは指2本だけで締め付けること。これでかなり力を抑えられますので、ボディ側が故障してしまうようなオーバートルクを防止できるはずです。

指2本だと力強く回しても、オーバートルクになりにくいです。

戻しトルクは1.68N.m。思った以上に良い結果でした。個人差のある工法ですが、ご自身が力が強いか弱いかくらいは分かると思いますので、それを考慮の上、力加減を調整されると良いと思います。

やっぱりあると便利!トルクレンチ

きちんとトルク管理をするなら、やっぱりトルクレンチはあった方が便利です。

私は小トルク用(2〜30N·m)トルクレンチは、KTCのデジラチェを使っています。戻しトルクも計測できるので大変気に入っています。

もっと安いトルクレンチもあります。ただトルクレンチは測定範囲が様々です。戻しトルクも計測不可のものも多いので、欲しいスペックが一致しているかをきちんと確認してから購入しましょう。

2.25N.m ってちょっと弱くない?実際に検証してみた

これまでカメラネジを強めに締め付けていた人(私です)にとって、2.25N.mは不安に感じるかもしれません。

こんなに弱い締め付けだと緩んでしまうのでは?と。

そこで「ゴムシート貼り」「面積の小さい」「空転防止機能なし」のクイックリリースプレート「peek dezain standard plate」をNikon Z6Ⅱに2.25N.mで固定して検証してみることにしました。

いかにも「ズレてください」と言わんばかりの設置具合です。

ネジの緩み方向に負荷がかかるようにレンズを斜め上方向、約27度に固定しました。

この状態で放置し、1時間後に再計測してズレていないかを確認したいと思います。

1時間後。0.1度ズレた結果となりましたが、誤差の範囲内だと思います。もしネジが緩んだのだとしたら、0.1度で済むとは思えませんし。

一応念のためにもう30分だけ追検証しましたが、変わらず26.8°という結果になりました。やはり計測誤差でしょう。

まとめ

今回はカメラボディに雲台のクイックシュープレートを取り付ける時のカメラネジの締め付け力について考えてみました。

以下、内容をまとめます。

●締め付けトルクは2.25〜2.71N.mを規定トルクとする。
●コインでネジ締めする場合は500円玉を使用する。
●六角レンチで手締めする場合は柄を短く持ち、指2本で締める

もちろんこれが正解とは断言はできませんが、こちらで運用してみたいと思います。

また問題点などが見つかった場合は加筆・修正させていただきます。

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haku
こんにちは三脚フォトグラファー「ハク」です。 当ブログのキャッチフレーズは「探していた三脚と雲台の情報がきっと見つかる!三脚雲台沼ブログ」です。 当ブログを読めば大抵の三脚雲台の悩みは解決できるようになるはずです。 どうぞよろしくお願いいたします!
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