【三脚レビュー】「Mk.2」を控えて。Really Right Stuff TVC-34Lを1年間使ってみて思ったこと

満を辞して発売されたReallyRightStuffのNEW三脚「Mk.2」。私ももちろん注文しましたが、なかなか生産が間に合っていないようで、まだ手元に届いていません。現在使っているTVC-34Lは買って1年で早くも旧型になってしまった訳ですが、1年間使ってきた感想などを書きたいと思います。

TVC-34L

とにかく軽い!高い!

Gitzoと比較したら、とにかく軽い!実際の重さは2146gです。トップチューブのパイプ径(一番太い脚のパイプ径)が36.65mmとほぼGitzoの4型相当ですから、もっとも近いモデル「GT4542LS」は2310g。しかもTVC-34Lは高さが1746mmであるのに対して、GT4542LSは1565mmです。18cm高いのに164g軽い訳ですから、それは随分軽く感じる訳です。ただ三脚は軽ければ良いと言う物ではありません。むしろ私の過去のテスト結果では、ブレに対して重さは撮影結果に非常に大きな影響を及ぼす事が分かっています。背が高く軽いのですから、風等の影響は大きくなる事は想定しておいた方が良いでしょう。とは言え、この高さでこの軽さ、魅力的ではないと言えば嘘になります。凄く有り難いです。

TVC-34L

TVC-34Lのもっとも良い点は全高長が高い所ですね。実際には雲台も付きますので、目一杯伸ばせば約190cmくらいの高さから撮影が可能となります。私の身長は172cmですが、上の画像のように手を伸ばさないとシャッターに届きません。ファインダーを覗くにはそれなりの高さの脚立が必要です。

三脚の性能も優秀!

TVC-34L

三脚としての性能は非常に高いです。叩きつける雨、嵐のような暴風の中、揺れる歩道橋の上、あらゆる過酷なシーンで使ってきましたが、Gitzoと比較しても、劣っていると感じたことは一度もありませんでした。

デザインが最高に格好いい!

TVC-34L

派手でギラついた柄のカーボン模様は、妖艶で見るものを魅了します。しかし質感は思ったより乾いた感じでザラザラした手触りです。脚の伸縮がスムーズではない理由はこの質感が原因だと思います。

プラットフォームは課題あり。だが改善策もあり。

プラットフォームはGitzoよりもコンパクトです。水準器の精度も良く、仕上げも文句がありません。ただし工具が無いと他のアクセサリーに交換できないという点は面倒臭いですね。これはGitzoのシステマティックの方が圧倒的に便利です。1/8インチの六角レンチを持ち歩いておかなければならず、頻繁に交換する人にとっては不便です。開脚セレクターの動作は非常に心地よく、Gitzoよりも使いやすいです。

Really Right Stuff の FIXED APEX CONVERSION KIT というオプションアクセサリーに交換することが可能で、約200g軽量化できる上に、剛性アップも計れます。

APEX-CONVERSION-KIT6

Mk.2では最初からこのAPEXに換装された製品を選ぶことが可能となりました。ハーフボール型のレベリングベースやセンターポールが必要ないという方は、断然こちらをお勧めします。型番「TFC」から始まるタイプです。

ロックナットもちょっと難あり

ロックナットは少し固く、質感も安っぽい印象です。クイッと捻って伸ばす際、脚がちょっと引っかかる感じで、スムーズに伸びないところも、ロックナットの印象を悪くさせている一因となっています。

この部分が改善されるかどうかは分かりませんが、Mk.2では防塵防滴仕様にリニューアルされています。回しやすくなっていると良いのですが…。

最大の弱点、石突

屋内使用が多い私にとっての一番の不満、それは脚の滑りです。

この可愛らしい丸いゴム石突が、素材が原因なのか、フローリングでかなり滑ります。これはGitzoとは比較にならないほど滑ります。体育館シューズ用の滑り止めスプレーを塗布することによって、一時的に改善はされますが、ここは素材を見直してほしいです。

価格が高い

Gitzoと比較しても、かなり高いです。アメリカから直輸入しても高いです。Gitzoよりもずば抜けて良いのであれば文句はありませんが、決してそうではないので悩ましいところです。

オプションの三脚ストラップは最高にクール!

オプションの三脚ストラップ「RRS ‘Pod QD Strap Set」は非常に良く出来た三脚ストラップです。

このような部品を三脚に取り付けるだけで着脱が可能となります。外す時もボタンを押しながらワンタッチ。デザインもミリタリーっぽくて最高に格好いいです。

実際に長く使っていて気付いたこと、知ったことは、思ったよりもストラップの生地がツルツルしていて滑ります。何らかの対策をされた方が良いと思います。私はETSUMI のエアースルー肩パッド E-6179を付けています。
E-6179

金具の部分はスチール製ですからメンテナンスしないと、すぐに錆びてしまいます。あらかじめサビ止め剤などを塗布しておきましょう。

まとめ

TVC-34L

良い部分、悪い部分、ありますが買って後悔したことはありません。きっとMk.2はさらに良くなっていると思います。ちょっとお財布には打撃が大きいですが、長く戦っていける相棒になると思いますので、血の涙を流しながらお勧めしたいと思います!参考になりましたら幸いです。

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haku
こんにちは三脚フォトグラファー「ハク」です。 当ブログのキャッチフレーズは「探していた三脚と雲台の情報がきっと見つかる!三脚雲台沼ブログ」です。 当ブログを読めば大抵の三脚雲台の悩みは解決できるようになるはずです。 どうぞよろしくお願いいたします!

コメント

  1. 西村成勲 より:

    ハクさま

    はじめまして札幌のカメラ初級コースのおぢさんです。

    ハクさまのブログを見て三脚が欲しくなり無謀にもRRS SHOP

    に発注しました。RR Sのスタッフからすぐメールがきて下記の3点の注文に

    不具合があるとのメールをもらいましたが、しかし内容がよく分かりませんでした。

    ハクさまにご教授賜りたくお願い致します。

    注文がペンディング状態にになっております。

    BH-55 PCLR BH-55 Ballhead with lever-release style panning clamp

    RRS ‘Pod QD Strap Set Series 3 QD Set with Brown Strap

    TFC-34L Mk2 FIXED APEX

    • haku haku より:

      西村様、こんばんは。メールの原文があると確実なのですが、内容を私のメール「ronron.me@gmail.com」まで送ってもらうことは可能ですか?現在RRSは本社の引っ越しが終わって業務を再開したばかりですので、注文はかなり止まっている状態です。大半の方がペンディング状態ですので、その点は大丈夫です。おそらくストラップの部品に不具合があり、再開発中と聞いていますので、それが原因でメールを送ってきたのではないかと推察します。

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