突然ですが、皆さまは三脚やカメラをどのように持ち運んでいますか?
私の長年のテーマというか解決したい問題というものが幾つかありまして、そのうちのひとつがこの「三脚とカメラをどう持ち歩くか?」なんです。
三脚ならカメラバッグの三脚収納スペースに取り付けて?
それとも三脚ストラップ?はたまた三脚バッグなんて方もいらっしゃるでしょうか?
カメラならカメラストラップ・ハンドストラップ・カメラバッグなどが定番ですね。
あとはたまにピークデザインなどのキャプチャーシステムを使っている方を見かけますね。
このように三脚やカメラを持ち運ぶためのアクセサリーはたくさん選択肢があって、個々のスタイルに合ったものを選べるのですが、私は未だに「これがベスト!」と断言できる物に出会えていません。
もう十数年もあれこれ試しては納得がいかないという繰り返しで、その悩みは今も現在進行形で変わりません。
もしかすると、一生出会えないのかもしれませんし、いつか100点満点と思える物に出会えるかもしれません。
そんな試行錯誤の中で「100点満点」には程遠いものの「60点」くらいはあるんじゃないかなと思う方法に辿り着きましたので報告したいと思います。
対象ユーザーは限定的
まず本題に入る前に、お伝えしておかないといけない事があります。
それは、今回ご紹介するカメラ・三脚の持ち運び方法はすべての方が使える方法ではなく、ごくごく限られたユーザー向けの方法という事です。
対象となるユーザーは以下2点の条件を満たした方です。
①MAGPUL社のQD(Quick Disconnect)ソケットが採用されたクイックリリースシステムをカメラプレート、三脚共に装備されている方。
②リュックタイプ・ザックタイプのカメラバッグを使われている方。
ショルダーストラップ(肩ベルト)にはPPベルトが付いているものが理想的です。
一般ユーザーにはレアな条件かもしれませんが、当ブログの熱心な読者様であれば、結構該当される方がいらっしゃると思います!(そう信じてます!)
それでは当てはまった方、もしくは将来採用してみても良いかなって方は、このまま読み進めてください。もちろんお時間がある方もぜひぜひご覧ください。
カメラストラップ・三脚ストラップの概要・使い方
作り方は後に回すとして、まずはどんなストラップシステムなのかご紹介します。
■撮影のON・OFF
PPベルト伸ばして撮影ON。撮影が終わればベルト縮めるだけ。操作は簡単で一瞬です。
■カメラの脱着
カメラの脱着はMAGPUL社のQD(Quick Disconnect)を利用します。
ボタンを押すだけワンタッチでカメラボディから脱着できるため、カメラストラップから三脚への取り付けもスピーディ&スムースです。
■ブラブラしない
ブラブラしないので周囲の物にカメラをぶつけて傷つけることがありません。
またカメラストラップをボディから切り離せるため、三脚に設置した場合にストラップが風に煽られて起こる微ブレを排除できます。
■三脚の脱着
三脚もカメラと同じくQDを採用しているため、片側の脱着はワンタッチ。
もう片側はポーチに収納するだけなので一瞬です。
■肩からズレ落ちない
三脚バッグや三脚ストラップの一番のストレスって、肩からズレてしまう事だと思いますが、このシステムなら絶対にズレないので、もっとも大きなストレスから開放されます。
また靴紐が解けた時、腰をかがめたとしてもご安心ください。三脚は安定したままです。
■周囲への安全性が高い
三脚をカメラバッグのサイドポケットやサイドストラップに取り付けていると、周囲の人にぶつかったり、壁やドアに三脚や雲台をぶつけてしまう事があります。
三脚は重く固い金属の塊ですから、時に凶器にもなり得ます。
このストラップシステムであればもっとも危険性の高い雲台部分は自分の胸元にありますから、周囲への安全性は非常に高いと言えます。
ただし自分への攻撃性は高まりますから、その点は注意してくださいね。
■三脚を持っていかない日はポーチが小物入れになる
今日は三脚を持っていかないぞ、という日はポーチがドリンクホルダーや小物入れとして利用できます。
レンズキャップや予備バッテリーなどを収納しておくと非常に便利です。
ただし前に使った三脚が雨や泥で汚れた状態で使ったままになっていて、ポーチの内部が汚れている場合は注意が必要です。
カメラストラップの材料・作り方
まずは材料を揃えます。
●20mm巾1.2mm圧のPPベルト 2m
●コキカン 20mm巾用 2個
●マグプル QD ストラップ スイベル 2個
●ライター
●綿手縫い糸
●縫い針
①PPベルトを長さ100〜250mm(以下短ベルト)と400mm(以下長ベルト)の2本に切り分け、切った端の毛羽ちをライターで炙って処理します。
②短ベルトの片側にコキカンに通し縫い付けます。
③カメラバッグの左腕側のショルダーストラップのPPベルトに、短ベルトのコキカン側が下に向くように縫い付けます。
私はEndurance(エンデュランス)Extに取り付けました。
使いやすい取り付け位置は人それぞれ異なると思いますが、参考までに私の場合コキカンが胸の高さ辺りに取り付けています。
まずは仮縫いで丁度いい高さを確認しながら作業を進めてください。
④次に長PPテープの端を、QD ストラップ スイベルを通し縫い付けます。
⑤逆側からコキカンを通します。
④QDスイベルの反対側端を親指が通る程度(私の場合120mmほど)輪っかを作るような感じで折り返し、縫い付けます。
⑥これでカメラストラップ側が完成です。
三脚ストラップの材料・作り方
①まず反対側のショルダーストラップにもここまでとまったく同じ物を完成させます。
②次に三脚ストラップだけに必要な材料を用意します。
●雲台ポーチか、クライミング用チョークバッグ
●ウェビングベルト用のグリムロック
●1.2mm圧のPPベルト 15〜20cm程度
●モンベル(mont-bell) テープクリップ38mm
●ライター
●綿手縫い糸
●縫い針
③まずはカメラバッグのショルダーストラップの下部のPPベルトに、ウェビングベルト用のグリムロックを取り付けます。
④グリムロックの下側にモンベル(mont-bell) テープクリップ38mmを取り付けます。
もしテープクリップがスカスカで止まらないようでしたら、1.2mm厚PPベルト黒を3cmほど短く切り両端を縫い合わせ、輪っかを作り通すなどすれば、ちょうど良くなると思います。
⑤用意したポーチに縦方向に5cmほどのPPベルトを縫い付けます。
⑥取り付けたベルトにグリムロックを通せば完成です。
上の写真ではベルトの色や長さが違いますが、素材や長さによる利便性の違いなど試行錯誤の結果です。ただし構造自体はほぼ一緒です。
動画
問題点・懸念点
一番の問題点・懸念点は安全性。
雲台やカメラが胸元や顔付近にあることで、転倒時などに深刻な怪我に繋がる可能性は否めません。
次に使う材料の耐荷重や耐久性。
重い機材をぶら下げ続けて大丈夫なのか、よく調べた上で材料を選定する必要があります。
今回私が材料のメーカーを公表していない理由は、まだ自信をもっておすすめできる物が決まっていないからです。
QDシステム自体が不安という方もいらっしゃると思います。
私はすでに5〜6年はQDシステムの三脚ストラップを使っており、外れるといった事故は一度も起こっていないため気にしていませんが、最初は「これ外れないかなぁ?」と不安を感じていました。
マグプル社のパーツを使えば大丈夫だと思いますが、巷に溢れる互換品を使う場合は今でもちょっと不安です。
あえてもうひとつ不満を追加するなら、ジャラジャラとしたストラップシステムが邪魔に感じる。ということです。
特にポーチはバッグを床に置く際に邪魔に感じます。
まとめ
さて長々とご紹介しましたが、如何でしたでしょうか?
すでに3ヶ月ほどテスト使用していますが、個人的には結構使いやすいなと思っています。
ニッチな機能なので難しいと思いますが、いつか既製品のカメラバッグにこのシステムが採用されれば嬉しいなぁと思います。
最新記事 by haku (全て見る)
- 新たな中華製 Nikon Zf専用のLブラケットを発見! JLwin JL-Zf レビュー&カスタム - 9月 18, 2024
- note はじめました - 7月 2, 2024
- うずまきのひびき 〜流体のダイナミズムと美学〜 - 6月 24, 2024