「カメラネジ変換アダプター」というアクセサリーをご存知でしょうか?
名前ではピンと来なかった方も、上の画像を見て「あー知ってる知ってる」と思った方が多いのではないでしょうか。
簡単に説明しますと、細ネジのカメラネジに被せるだけで、太ネジのカメラネジに変えちゃうっていう素敵なアクセサリーです。
この「カメラネジ変換アダプター」には、大きく分けて3種類の形状があります。
形状が合っていないと、機材同士の間に隙間が生じて上手く装着できなかったり、大切な機材に傷が付いてしまったり、最悪機材が故障してしまう原因につながる可能性があります。
ぜひ最後まで読んで適切なカメラネジ変換アダプターをご使用ください。
カメラネジ変換アダプターの種類
カメラネジ変換アダプターは大きく分けて「ストッパー付き・ストレート(貫通)・ストレート(キャップ付き)」の3種類あります。
もっとも多く普及しているのが「ストッパー付き」です。
ストッパーが付いており、機材のネジ穴の端で止まってくれるため、ネジが奥へ潜り込まないというメリットがあります。
デメリットはネジ穴の処理によっては、ストッパーが機材の外側に飛び出してしまうことがあり、これが原因で機材同士の間に隙間が生じてしまいます。
三脚と雲台が密着していない場合は機材本来の剛性を発揮できません。
また隙間があるとその一点に負荷がかかってしまうため、ネジが変形したり折れたりする可能性があります。
ストッパー付きのカメラネジ変換アダプターを使う場合は、お持ちの機材のネジ穴の端がストッパーが入り込めるように処理されているかどうか、必ず確認しましょう。
次に多く出回っているカメラネジ変換アダプターはストレートの貫通タイプです。
こちらのメリットはネジ穴からカメラネジ変換アダプターが飛び出さないことです。
しかしストッパーが無いということは、イコール端で固定できないということですので、ネジ穴の奥へ奥へと潜り込んでしまうことがあります。
アダプターが潜り込んでいて、十分にネジとアダプターが噛み合っていない。という危険な状態になっていることも!
そこで産み出されたのが、ストレートのキャップ付きです。
このタイプは太ネジ側に入れるのではなく、細ネジ側に被せて使用します。
デメリットはネジ全体の長さが1mmほど長くなってしまうことです。
ネジ穴の深さが浅い機材の場合は、この1mmが原因でネジ穴の奥に干渉するという致命的な問題になります。
短いカメラネジ変換アダプターが少ない
ちょっと話はそれますが、以前ブログの読者様から以下のような相談を受けたことがありました。
その相談内容というのが

クイックリリースクランプB2-LRⅡの中央のネジ穴に、皿ネジで蓋をしたい!
というものでした。簡単に図で説明しますと、こういうことです。↓↓↓↓↓↓
このクランプの中央の穴は3/8”つまり太ネジが入っています。しかし一般的に出回っている3/8”の皿ネジは頭部が大きく、この皿もみでは大きさや深さが足りず、皿ネジの頭部がはみ出してしまいます。

※通常の3/8”皿ネジは「ちょっと削れば…」というレベルの大きさではないくらい、頭部が大きい。
止めネジなら簡単に問題が解決できますが、見た目が好みではなく、どうしても皿ネジが良いという事でした。

※止めネジならゴミの混入を防ぎ、見た目も悪くなく、追加工の必要もない。価格も500円程度と大変リーズナブル。
まず真っ先に思いつく方法としましては、ネジを作ってしまうこと。
一般的に流通していないネジというのはワンオフで作るしかありません。
しかし今回の場合は既製のネジを加工するのではなく、完全に一から作る必要があります。
そのため、おそらく一本作るのに1万円以上かかってしまうと思います。
そこで私が思いついた方法としては、ARCA-SWISS(またはLeofoto)のクイックリンクのディスクに付いている皿ネジを流用するという方法。
クイックリンクのディスクはARCA-SWISS製ですと17,610円と鼻血ものですが、Leofoto製ですと2,000円くらいで購入できます。
また、ARCA-SWISS版クイックリンクのネジは全長約15mmと少し長いため4mmほど削る必要がありますが、Leofoto版クイックリンクのネジは全長約13.5mmと、ARCA-SWISS版より1.5mmほど削る長さが短く済むのも良いですね。

※ARCA-SWISS クイックリンク ディスクのネジで固定したもの。仕上げは抜群に美しい。
化粧ネジというのは品質・強度・耐久性を重視しないただ単にネジ穴に蓋をするというだけの目的のネジです。
1万円以上も出してワンオフで作らないと入手できないはずのネジを、たった2,000円で入手できるのですから、割と現実的な解決方法ではないかと思います。

※Leofoto クイックリンク ディスクのネジで固定したもの。六角穴はいじり防止キャップを施してあります。
もうひとつの解決策
もうひとつの解決策として、カメラネジ変換アダプターを付けた1/4”皿ネジで蓋をする、という方法があります。
実際に試してみたところ、6mmくらいまでの短いカメラネジ変換アダプターであればクランプの底からはみ出さずに蓋をすることできました。
私が知る限り、6mmという極端に短いカメラネジ変換アダプターはスタジオJinで売っているもの(品番QRB-6S)と、sunwayfotoのTN-3の2種類存在します。
スタジオJinのQRB-6Sは1個入りで990円(税込)、送料198円で実質1,188円。
使いやすい工具付きで、私はこの工具をとても気に入ってます。

sunwayfotoのTN-3は全長5mm〜5.5mmのストレートタイプのキャップ付きで、5個入り送料込み1,212円。下のリンクの商品ページでは100円OFFクーポン付きですので、実質1,112円。1個あたり222.4円ですのでコスパ重視の方、複数個必要な方はこちらをお勧めします。
在庫1個となっていますので、欲しい人はお早めに。(ちなみに私が買ったときも在庫は残り1個でした)
現在、あちこちのネットショップを探しても在庫がほぼ無い状況ですので、もしかすると廃番なのかもしれません。
蓋をする皿ネジはネジの呼びが1/4”、頭部を含めた長さが3/8”。
案外ネジのほうが、ネジ変換アダプターよりも入手が難しいかもしれません。
法人であれば国内でも結構見つかりますが、一般的なホームセンターではまず見かけることがなく、ネットショップでも簡単には見つかりません。
ReallyRightStuffからB207というネジが販売されていますが、直販でしか買えないので、送料がク●高いのがネックです。

※ReallyRightStuffのB207を装着したところ。
とはいえ、1/4”皿ネジの国内販売価格は1本200円〜500円程度ですから、カメラネジ変換アダプターとの合計金額は500円〜1,600円となり、クイックリンクを購入するよりも安く済みそうです。
またクイックリンクのネジのように短く切削する必要がないので、相談者様には「カメラネジ変換アダプターと皿ネジ」の組み合わせをお勧めしました。
まとめ
いつも通りまとまりのないマニアックな記事になりましたが、無理矢理まとめますと、以下の通りです。
●カメラネジ変換アダプターには大きく分けて「ストッパー付き・ストレート(貫通)・ストレート(キャップ付き)」の3種類ある。
●それぞれにメリット・デメリットがあり、使用する機材に合わせて選ぶ必要がある。
●ストレートタイプの短いカメラネジ変換アダプターは種類が少ない。
ご使用の機材とカメラネジ変換アダプターを確認してみて、もし適切な組み合わせでないようであれば、ぜひこの機会に交換してみてください。



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