今年の春頃だったと思うのですが、それまで不可能だと思っていたアルカスイスP0のフリクションコントロールが可能だという報告がある読者様から情報を頂きました。情報ソースは海外のブログで私は久しぶりに食い入るように読みました。
ただその方法は非常に簡単ながらも、故障を起こしたり、メーカーの保証を受けられなくなる危険性を孕んでおり、ブログで紹介することは見送ろうと思っていました。
しかしこのところ、この情報が結構流れてきており、Twitterでもフォロワーさんがツイートするようになりました。情報ソースでは書かれていない注意点もあるため、そろそろきちんと書いておいた方が良いのではないかと思い、書くことにしました。
もしこの方法で故障したり、元に戻せなくなったとしても、当方は一切責任を追えません。チャレンジされる場合は自己責任の上、細心の注意を払って作業してください。尚、この方法はP0・P0 Hybrid、共に調整可能です。
手順1:4本のネジを外す
P0を逆さまにして脚を倒すとネジが4本現れます。これをドライバーで外すのですが、ここで注意が必要です。
実はこのネジ、よく見ると、ちょっと普通のプラスネジと違いますよね。十字の溝にバツ印がが入っています。これはポジドライブといってイギリスのEIS社が特許を持つネジで、プラスネジと似て非なるものです。
P0に使われているネジにもっとも適したポジドライバーのサイズはPZ1です。安物では品質に問題があるものが多いので、最低でも500円程度のものを選ぶようにしましょう。ベッセルなら安くて品質も良いです。
ちなみに私はPB SWISS TOOLSのPB 8192 1-80 YGを使っています。
手順2:スカートを外す
スカートを外すという何とも淫靡な表現になってしまいましたが、雲台のこの部分を、たしかSLIKはスカートと呼んでいたと思うので、使わせていただきました。ちなみにメインロックが締まっている状態ではスカートは外せませんので、緩めた状態で作業してください。ネジを外すとスカートを外すことができ、3つの歯車が現れます。
手順3:歯車にマーキングする
この歯車の位置が変わるとフリクション具合が変わるという仕組みです。すべて均等に回す必要があり、適当に回すと白目を剥くほど後悔しますのでご注意ください(体験談)。最初の位置を忘れないためにも必ず、ピンの間に油性ペンで印を付けておいてください。
手順4:ピンを外す
ピンは釘のような形状です。マイナスの精密ドライバーを使って頭を浮かせて抜き取ることができます。上の画像では分かりやすいように3本とも抜いてありますが、実際の作業では1本ずつ作業された方が良いと思います。
手順5:歯車を回す
千枚通しを使って、3つの歯車を同じ数だけ「反時計回り」に回します。P0 Hybridの場合1つでそこそこ、2つでかなりキツく掛かりますので、2つまでにしておいた方が良さそうです。動かしたらピンを戻し、スカートを履かせたら調整終了です。
まとめ
もともと非常に使いやすい雲台ですが、この調整によって完璧にまた一歩近づきました。
以下動画です。
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コメント
Funny!
三脚、雲台の非常に参考になる情報をいつもありがとうございます。
P0のクランプを接続する際の空転防止用の2穴にはめこむピンがありますが、そのピンを購入できるところご存知ですか?
教えていただけると幸いです。
tetsuさん、はじめまして。P0のピンはワンオフで制作しました。結構余っていますのでお譲りすることは可能です。もしご希望でしたらronron.me@gmail.comまでメールしてください。ただここ数年のリニューアルによって変更になったピンを元に制作しています。リニューアル前の製品でしたら、若干細いのでおそらく適合しません。詳しく知りたい場合はメールにてご質問ください。