脱三脚初心者!安くて使える次の一本を各メーカーに聞いてみたよ②

三脚難民の皆さまごきげんよう。今回はいよいよ「脱三脚初心者!安くて使える次の一本を各メーカーに聞いてみたよ」のつづき、シリーズ第2弾となります。

それでは早速各メーカー・代理店様から推薦していただいた三脚を実際に大型カメラ店へ見に行き、触ってみて、その中からもっとも良いと思った製品を選んでみたいと思います。

各メーカー(代理店)の中の方のオススメ製品をチェック

まずハクバとK&F conceptの三脚は置いてませんでした。ただハクバの三脚は商品写真から推察するに、一眼レフカメラを支えるにはちょっと頼りないと思います。K&F conceptはちょっと触ってみたかったので残念でした。

ヴァイテックイメージング<Manfrotto>

探し始めて1本目Manfrottoコーナーで「MKCOMPACTADV-BK」を発見しました。価格は8000円でしたが価格に相応しい品質ではありませんでした。平たいアルミパイプは頼りなく、雲台もちゃちでとても一眼レフを安心して任せられるスペックではないと思います。

次に「MKELES5BK-BH」です。予想ではこれを買うんだろうなぁと思っていました。昨日までは。しかし実際に見てショックを受けたというか、呆然としました。なぜって確かにメーカーの画像はこんなですが…

画像はManfrottoより

まさかこの伸びきったセンターポールが通常の状態だったなんて!
センターポールが下がらないのですよ。想像の域を超えててビビりました。自由雲台の構造も安っぽくてこれはちょっと無いかなぁと思いました。Manfrottoは3万円あたりの価格帯から性能が急に良くなるので、どうしてもManfrottoに憧れがあるなら055シリーズが良いのではないかと思います。

ワイドトレード <Leofoto>

次はレオフォトです。まずは「LX-224CT」を見ました。トラベル三脚なので一般撮影用途としては少し使いにくいかなと思います。今回の三脚選びは初心者のステップアップが目的ですので、もう少しオールマイティに使えるレンジャーシリーズ「LS-224C」を見てみたいと…って脚だけで価格約2万7千円はちょっと高い気がします。(すいません最初約6万円と書いていましたが、Amazonの価格を見て勘違いしてました。訂正しました。)

この価格帯までOKにしちゃうと不公平感が出てしまうので、今回は除外したいと思います。

ガードフォースジャパン <VANGUARD>

次にManfrottoがダメだったらこれかな?と予想していたバンガード「VESTA TB 235CB」。でもトラベル三脚だから細っそい!しかも5段なので一番下の脚は割り箸かな?と思うくらい細くて(失礼)、いくらエントリー機でも一眼レフカメラを任せるには役不足かなと思いました。また展示機の雲台が、キツく固定すると次に緩めても、ノブが固まってしまうという不具合?が起こっていました。こういうトラブルが起こると初心者は焦ってしまって、指詰めなど思わぬ事故に発展する可能性があります。

ケンコートキナー <SLIK>

残るはとうとう日本メーカーのみになってしまいました。まずはスリックの「スプリント 240」。はっきり言ってスリックは期待していませんでした(本当にごめんなさい)。が、え?結構悪くないんじゃない?高さもそこそこありますし、思った以上に使いやすい。特に3WAY雲台の出来が良くて、一眼レフエントリー機クラスであれば使えそうな気がします。

ベルボン <Velbon>

最後はベルボンの「シェルパ535III」。スリックは健闘しましたが、ベルボンはどうでしょうか?

Velbon ベルボン シェルパ535III

するとどうでしょう!こちらも驚くほど悪くありません。いえ、脚だけならこれが一番でしょう。日本メーカーやりますね!

SLIKもVelbonもデザインが野暮ったいのでイマイチ「欲しい!」という欲求はわきませんが、この価格帯のモデルで比較すると他国のメーカーの三脚よりもレベルが高いのではないかと思います。正直、思ってもみない展開でした。

他のメーカーはどうか?

今回エントリーされていないSIRUIやkingなど、他のメーカーも一応見てきました。正直なかなか良いと思う製品もありました。ただ代理店さんにお勧めモデルを問い合わせした際に、回答をいただけなかったのが引っかかりました。だって購入を検討しているユーザーからお勧めを聞かれたのに返事をしないって、ちょっとどうかと思うのです。たとえば不具合があったときにきちんと対応してくれるのか?改善してほしいという要望を伝えてもメーカーにフィードバックしてくれないのではないか?と不安になってしまいます。

そういった面も考慮した時に自信をもって勧めにくいなと思い、今回は除外させていただきました。

※3/24にコメット様(BENRO)より回答をいただきました。「脱三脚初心者!安くて使える次の一本を各メーカーに聞いてみた に回答内容を追記しました。今回の検証に間に合いませんでしたが、問い合わせに丁寧に回答してくれる信頼できる代理店です。

三脚初心者のステップアップとしてどれを選ぶべきか考えてみた

ここで今一度三脚初心者の気持ちになってみましょう。

アルカスイス互換である必要はあるか?

まずアルカスイス互換が良いと言われてもよく分からない。将来きっと買って良かったと思う日が来るよと言われても、私ならおそらく納得できません。最悪、クイックシューにアルカスイス互換クランプを付ければ良いので、アルカスイス互換にこだわって選ぶ必要はないと思います。

カメラを固定すること。それが一番大事

機材を載せた時にお辞儀しちゃったら目も当てられません。思いっきり力を込めて締め込まないと、しっかり固定できないというのはストレスです。2〜3kgの重さで脚はそう簡単に壊れてしまうことはないと思いますが、雲台は固定力が足りない場合があります。固定力に不安に感じる製品は残念ですが、候補から外しましょう。また今回見た自由雲台はいずれも、3WAY雲台ほど快適に操作できるものはありませんでした。

ローアングル?ハイアングル?

三脚初心者ですと構図の変更のために、いちいち脚で調整するのは面倒臭いでしょう。センターポールがあると便利ですし、高さを稼げるので、きっと撮影しやすいと感じるはずです。慣れてきたらきっとローアングルも使いたくなると思うので、段ロックセレクターが付いていて、低くセッティングできると尚良いと思います。

トラベル三脚は所詮トラベル用

旅行によく行く人で、必ず三脚を持っていくという方は、どのくらいいらっしゃるでしょうか?多分そんなに多くないと思います。三脚のステップアップとして選ぶには、使用シーンが限定されてしまいますし、剛性などのスペックも低くなります。分かりやすくステップアップを実感してもらうために、今回はトラベル三脚を除外したいと思います。

値段は1万円台が良いのではないか?

人によって金銭感覚は違いますし、価格に関しては悩みました。でも2〜3000円くらいの三脚を買っちゃって失敗したという設定ですから、次の一本は1万円台くらいが妥当な価格設定ではないか?と考えました。きっと三脚以外にも欲しいアクセサリーがたくさんあると思いますしね。

と、いう訳でいよいよ、私が勧めるならコレ!という三脚を発表したいと思います。

三脚の剛性を優先するならベルボン、雲台で選ぶならSLIK

三脚の剛性で選ぶならベルボンのシェルパ535IIIです(Leofoto LS-224C以外で)。そこそこ使いやすい3WAY雲台付きで約13800円はお買い得だと思いました。スペックは以下の通りです。

全高:1730mm、最低高 : 282mm、縮長 : 635mm、脚径 : 26mm / 段数 : 3段、本体質量 : 1990g

雲台の完成度で選ぶならスリックのスプリント 240です。そこそこ性能の高い三脚で、約14200円はお買い得だと思いました。スペックは以下の通りです。

全高:1640mm、最低高 : 290mm、縮長 : 555mm、脚径 : 24mm / 段数 : 4段、本体質量 : 1900g

私は スリック スプリント 240にした

シェルパ535Ⅲと比較して、スプリント240の方が優れた三脚だという訳ではありません。もし私が本当に1000円の三脚からステップアップするのであれば、三脚のスペックを重視してシェルパ535Ⅲを選んでいたかもしれません。

私が選んだ理由はヨドバシ梅田に置いてあった展示機の、雲台の操作性が良かったという点です。三脚の操作性の快適さって、きっと三脚の剛性よりも、雲台の操作性の良さの方が圧倒的に実感できると思います。三脚初心者の方なら尚更でしょう。

そんな訳で私はスリックのスプリント240を選びたいと思います。ぱちぱち。

実際に使ってみた

可搬性

まずは可搬性。Endurance Extに取り付けて10kmほど歩いてみました。トラベル三脚と比べるとずっしり重さを感じます。が、そこまで負担には感じませんでした。

高さ

センターポールを伸ばさない状態だと1350mmしかないので、一般成人男性のアイレベル(目の高さ)の平均には達しませんが、ごく一般的な撮影用途ですと特にアイレベルって必要ないと思います。ただ観光地などで柵が高い場所ではセンターポールを伸ばさないと高さが足りないかもしれません。センターポールを伸ばしすぎるとブレやすくなりますので注意が必要です。

クイックシュー

クイックシューはSLIK独自のDIN規格。正方形のプレートなので、どの方向でもセットできるのは良い点です。が上の写真の通り、手回し式のネジであるため、2kgを超える機材の場合、重さでズレてしまう可能性があります。手回しでも良いのですが、六角レンチでしっかり固定できるように、六角穴もつけてほしかったです。

またロックレバーの返りの勢いが強く、指に当たると猛烈に痛いです。冬場ですと100%涙が出るレベルです。逆にちょっとでも装着の角度が悪いと、今度はロックが甘くなり、ガタ付きます。クイックシューはダメだと昔から言われてきましたが、それを代表するようなクイックシューです。

クイックシューのロックって、雲台で一番重要だと思うので「上手く装着出来なかったら、ちゃんとロックできてないですよ」ではダメだと思います。特に初心者が使うような雲台なら手間が掛かってもしっかりと固定できるシステムにすべきかな、と思います。

ただしこれはスプリント240に限った話ではなく、ベルボンのシェルパ535Ⅲのクイックシューもたいがい良くなかったです。

剛性

剛性に関しては、シェルパ535Ⅲには及ばないものの、同価格帯の他の三脚と比較すると良い方だと思いました。しかし脚の強度、たわみ、振動に関して、自信をもって良いと言えるか?と聞かれると「言えない」というのが本音です。

雲台

雲台はロック時のズレが少なく固定力もあり、使いやすいと思います。個体差はあるかもしれませんが、水準器の精度も良いですね。ただし気泡の動きが遅いので合わせにくいです。

段ロックセレクター(ハライチロック)

ハライチロックは一見安っぽいですが、機能としては結構使いやすいです。開脚角度を変更することによって、脚を欄干などに立てかけたり、高さを低くセッティングできます。

手すりや欄干に立てかける場合は、通行の邪魔にならないようにマナーを守ってください。

もっとも低くセッティングするにはセンターポールを分離する必要があります。

センターポール

センターポールの下端にエンドフックがあるのはGOODですね。フックにバッグを吊って重さを増すことで安定性を高めることができます。しかし風が吹いているとバッグが揺れて逆効果になりますので、使い方に注意が必要です。

センターポールは分離式で、ネジを緩めることで、短くすることができます。短くした状態でもエンドフックを付けられるのが良いなと思いました。

センターポールで面白いのがフリクションコントロール搭載だということ。「ゆるむ しまる」と書かれているロックナットを回すことでセンターポールに負荷をかけることができるので、ロックを緩めても急激に機材が落下することがなくなります。お世辞にもスムーズな感じではありませんが、事故防止の観点から良い機能だと思います。

デザイン

デザインは正直あまり良いとは言えませんね。機能さえ良ければ良いじゃないか!?と言われそうですが、どうせなら格好良い方が良いと思います。ManfrottoやGitzo、RRSのようにデザインが洗練されれば、ちょっと触ってみようかな?と思う人も増えると思いますし、触ってもらえれば操作性の良さも伝わると思います。

実際に使ってみた

アーモンドの花がいい感じに咲いていたので、ちょっと変わったフィルターシステム「OMNI」を使って撮ってみました。

OMNIは逆光を利用して反射効果を出すフィルターシステムで、良い光の方向やフィルターの角度を少しずつ変えて確認しながら使うため、三脚は必須と言えます。マグネットがそこそこ固いので、三脚が弱かったり雲台の固定力が弱いと、構図が変わってしまいます。スプリント240ではストレスなく使用できました。


 

三脚と言えばマクロ!マクロといえば花!という訳でド定番の薔薇やガーベラをマクロで撮ってみたいと思います。

画角に入りきらないくらい寄って撮るのがマクロの醍醐味。ライトスタンドでストロボもセッティングしており、レンズもマニュアルレンズなので、三脚がないと初心者には難しい。

よくあるパターンの滴の中にもう一輪の花の写り込み。三脚があれば簡単に再現できます。

スプリント240付属の3WAY雲台は操作性が良いので、初心者の方でもマクロ撮影をしやすいと思います。


 

お次も三脚使用のド定番、夜景です。シャッタースピード20秒の長秒露光をテストしたいと思います。

これではよく分からないので、一部トリミングしてみましょう。

何十枚か撮った中に数枚、若干甘いかな?と思ったカットもありましたが、十分ブレを抑えられているように見えます。

70mm望遠端でのスローシャッターでも特にブレは気になりませんでした。無風ではなかったですが、そんなに風は強くなかったので、今度は風が強い日に試してみたいと思います。

まとめ

シリーズと言いながら、たった2回で終わってしまいましたね。

1万円台の三脚でも、三脚として最低限の実用レベルは満たしていることが分かって良かったです。

今回は私個人の独断と偏見で選びましたが、使う人によっては他の三脚の方が良い場合もあるでしょう。私の意見は参考程度にしてもらって、実際に店舗に行ってみて、ご自身の目で見て、手で触って、自分に合った一本を選んでほしいと思います。

ご協力いただきましたメーカー様・代理店様、本当にありがとうございました!

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haku
こんにちは三脚フォトグラファー「ハク」です。 当ブログのキャッチフレーズは「探していた三脚と雲台の情報がきっと見つかる!三脚雲台沼ブログ」です。 当ブログを読めば大抵の三脚雲台の悩みは解決できるようになるはずです。 どうぞよろしくお願いいたします!
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