三脚ケース・三脚バッグ、あるいは三脚ストラップというカテゴリーの製品を、当ブログではこれまでたくさん扱ってきました。
しかしいまだに「コレだ!」というモノに出会っていません。今回はあのEnduranceから三脚ケースが出たので、三脚マニアの視点から第一印象をレビューしたいと思います!
一般的な三脚ケースと違うこと
一般的な三脚ケースは当然ですが【三脚を入れるためだけ】を想定して作られていますが、Enduranceマルチケースは製作者である中原さん曰く「三脚しか入らない三脚ケースからの脱却」をコンセプトに作られています。
なるほど!三脚収納にこだわらない三脚ケースなんですね。つまり雲台だけを入れたり…
カップヌードルを入れても良いわけですね!
さていつも通り颯爽とスベったところで本題に戻りましょう。
Endurance マルチケースの特徴
Endurance マルチケースの特徴は以下、大きく五つ。
- 仕切りが3枚付いているので、機材の長さに合わせて区切ることができる
- 六角レンチなどを収納できる内部ポケット付き
- 三脚を傷から守る程良いクッション素材
- ハンギング用ホルダーを利用したり、ケースを丸めたり出来るので、風でケースが飛んでいくのを防げる
- 高級感がある
三脚ケースにレンチなど小物を入れられるポケットの付いたケースはこれまでもありましたが、仕切りで内部を区切るというアイデアはこれまで無かった新しい機能だと思います。
またくるくる丸められるケースはペラペラな薄い生地のケースばかりでしたが、このマルチケースは保護性の高いクッション素材なのに丸められます。
ハンギング目的のホルダーが付いているので、リュックのサイドストラップなどに取り付けておくことで邪魔にならず、また強風でケースが飛んで行くという惨事を回避できそうです。
他の三脚ケースと比較すると、このマルチケースは質感・素材・柄・形状が価格に見合った高級感があると思います。
外観
カラーは黒で薄い迷彩柄が施されています。部分的にPUレザーが使われています。
PUレザーはいわゆる合成皮革で、PUは「ポリウレタン(Polyurethane)」の略です。ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂を塗布することで、皮革に似せている人工素材で、通気性に優れ、合皮の中では高級品です。
生地には撥水加工が施されているそうですが、防水ではないので定期的に撥水スプレーを使うことを推奨されています。
もっともダメージを受けやすい底部の生地は1680デニール。デニールとは糸の太さ(重さ)を表す単位で、タイツで足が透けない糸の太さ(重さ)が確か100デニールくらいだったと思うので、もう何に例えたいのか自分でも分かりません。ごめんなさい。
ストラップ(ショルダーベルト)、ホルダー、ハンドル(持ち手)
ストラップ(ショルダーベルト)の肩に当たる部分は約45〜57mmくらいの幅(体格や担ぎ方によって当たる部分の幅は異なります)がありますので、肩への負担を軽減してくれます。
ストラップの裏側(肩に当たる部分)は滑り止め加工された合成皮革で、非常に滑りにくくなっています。
上部には持ち手が付いているので、電車など公共機関の移動でケースを肩から下ろした時に便利。ただ手の小さい私にはちょうど良いですが、手が大きい方には少し窮屈に感じるかもしれません。
他のカメラバッグにハンギングすることを目的に作られたホルダー。これをバッグのストラップなどに通せばケースが風で飛ばされる恐怖から解放されそうです。でもこの部分はもっと良い方法がありそうな気がします。
内観
さて次は内側です。滑らかなYKK製ファスナーを開くと、眼が染まるほど鮮やかな赤。仕切り用パッドが3枚付属し、小物収納用のポケットが見えます。
サイズ
スタジオ9のブログ記事によると、バッグの外寸は65.5×9.7x9cm(WxDxH)で重さは約300g。縮長で63cmまでの三脚、ライトスタンドを収納可能とのことです。
数値だといまいち分かりづらいので色々試してみましょう。
まずノボフレックスとReally Right StuffのTVC-34Lは入りませんでした。残念。
雲台を取り外せばReally Right Stuff TFC-24L Mk2はギリギリ入りました。雲台込みでぴったり入ったのはGitzo2型トラベラー(反転しない状態)。雲台は自由雲台ならよほど大きくない限り入りそうです。Really Right StuffのBH-55も入りました。
しかし3WAY雲台はほぼ全滅っぽいです。かなりコンパクトなプロスパイン改でもギリギリ無理でした。
ARCA-SWISSのギア雲台はC1 CUBEを除いて入りました。Manfrottoのギア雲台は入らないと思います。
自由雲台以外をお使いの方はちょっと注意が必要です。届いてからガッカリ…とならないために、購入前にしっかりとサイズを測ってくださいね。
丸めてみた
思ったより簡単に丸められます。…がこの通り、丸めたところでそこそこ大きいです。また留め具のゴムはケースと分離していますので紛失しないように注意が必要です。
一旦ゴムを分解してストラップのカンに通しておくと便利だと思います。
実際の使用感
まだ今日届いたばかりで、担いだ時間も1時間ほど。なので、ほぼ第一印象と思って読んでください。使ううちに思うことがあったら追記したいと思います。
担ぎ心地…まず担ぎ心地ですが、これまで買ってきた三脚ケースの中では間違いなく一番良いです。リュックのショルダーハーネスの間に通してロックすれば、ほぼ肩から落ちることはないと思います。
ただ肩にかかる負担は無いと言えば嘘になります。ケースに入れずにリュックに取り付けてしまった方が肩の負担は少ないです。
取り出しやすさ…三脚の取り出しやすさは普通です。ファスナーが滑らかなので、基本的操作の上でのストレスは感じません。
気になった点
一番気になったのはサイズです。ほぼ自由雲台しか入らないのは三脚雲台マニアの私としては不満です。
また長さがもう少し長かったら良かったと思います。その理由はこのマルチケースに入る三脚であれば、普通にEnduranceのサイド部分に取り付けられるからです。Enduranceにつけるには大きい三脚を持っていきたい時に使いたかったので、あと15cmほど長かったら良かったのになぁと思いました。
あとはEnduranceと言えば高機能なのに非常に価格が安い。というイメージがあります。しかしこのマルチケースは他の三脚ケースと比較しても、リーズナブルな感じがしません。またオンライン限定販売ですので高級感が伝わりにくいのもつらいところ。もう少し価格が安ければ買うのにな…と思っている人が多いのではないかな?と思います。
まとめ:アイデアで可能性は無限大!所有満足度は高い
というわけで簡単ですがEnduranceの新製品、マルチケースのご紹介でした。昔友人が三脚ケースにドールを入れているを見て、ああそういう使い方もあるのだな!と感心しましたが、他にも工夫次第であっと驚く使い方を発見できるかもしれません。また今の三脚ケースに不満がある方は一考の価値があると思います。
最新記事 by haku (全て見る)
- note はじめました - 7月 2, 2024
- うずまきのひびき 〜流体のダイナミズムと美学〜 - 6月 24, 2024
- シルバーアクセサリーを格好良く撮影しよう - 6月 12, 2024