この記事は「Really Right StuffがReally Right Stuffじゃなくなった日」の続きとなります。
まずは前回の記事の内容を簡単に振り返ります。
2019年9月9日…S・SさんがReally Right Stuffの三脚「TVC-24 Mk2」を購入。一番細い脚を伸縮する際に異音がするため、私に問い合わせ。
2019年9月11日…不具合の三脚を確認。不具合の原因が樹脂パーツを入れるための穴がズレていることが判明する。Really Right Stuff社のサポートに交換品を送るように連絡する。
2019年9月30日…交換品が届く。しかし届いたものはまったく同じ不具合を抱えた不良品だった。苦情のメールを送るも、いまいち不具合の状況を理解していないご様子。
2019年10月5日…私の持っている正常な脚と、不具合の脚を並べて撮影。私の拙い英文では伝えきれていないのかもしれないのでTakeshi Kuriyama氏に英文を依頼。
2019年10月11日…ようやく事態の重大性を理解したのか、丁寧な謝罪メールが届く。
2019年10月29日…新たに作り直したという交換品が届く。確かに新たに作り直したのかもしれないが、穴は汚く歪み毛羽立っており、相変わらず位置もズレており、3本のうち1本はシリーズ1の脚を流用して加工しているという、最初のものより粗悪なものが届く。
追記
一度は諦めかけるも、私の前回記事を読んで、再度戦うことを決意。改めて苦情のメールを送る。
2019年10月31日…Really Right Stuffから改めて謝罪と次こそきちんとした交換品を送ると返信。
ここまでが前回記事の内容です。今回はこのトラブルの事の顛末を報告したいと思います。
さてReally Right StuffはReally Right Stuffの名を取り戻すことはできたのでしょうか?
2019年12月22日
待つこと1ヶ月半ちょっと、ついにReally Right StuffからUSPSで交換品が届きました。

※画像はS・S氏より提供
在庫の他の脚と区別するためなのか、黄色い紙がパイプの中に入っています。

※画像はS・S氏より提供
S・S氏が計測したところ、あらかじめ送っていたデータ通りの仕上げになっていたそうです。ようやく完璧な交換品が届いた!と喜べるかと思いましたが

※画像はS・S氏より提供
三脚の操作には関係ない部分ではありますが、カットの断面はお世辞にも美しいとは言えません。私の三脚を確認したところ、断面は綺麗でしたので、まだきちんとした生産及び管理体制が整っていないのかもしれません。

※画像はS・S氏より提供
樹脂パーツも綺麗に作られていません。まぁこういう部品に関してはGitzoも、大概いい加減ですので、いかにも海外製品の部品といった感じです。ただこういうトラブルがあった場合はちょっとしたことでも神経質に目を光らせてしまうものです。S・S氏が気になってしまうのも無理ありません。
2019年12月23日
Really Right Stuffに今回のパーツで機能的に問題ないとのメールを入れられたとのことです。今回の問題はこれで終了です。5年保証により無償で不具合は解消しました。S・S氏も一応納得はされたとのことで、3ヶ月以上に渡る長い戦いは幕を閉じました。
しかしTFC-14 Mk2の購入を検討していたのに、結局このサポートの結果で、Gitzoのトラベラーに変更されるとのこと。Really Right Stuffにとってはたった一人かもしれません。しかしこのひとりのファンを失ったことを真摯に受け止めなければいけません。
この一連の件についてReally Right Stuffに意見を求めたところ「スタッフの管理が上手くいっていない」という回答がありました。
2018年7月10日、Really Right Stuff社は本社をユタ州に移しました。メルマガ登録をしていた方々には、その移転理由が長々と書かれたメールが届いたかと思います。移転理由はいくつかありましたが、その中に「今の給料ではスタッフはマイホームを買えない」と書いてありました。
スタッフのために…という想いが本心であったのであれば皮肉な話である。


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ハクさん、あけましておめでとうございます。旧年もいろいろありがとうございました。よい一年になりますよう。実は、kaniフィルターさんのサイトでも売ってますが、LeofotoのG2を買い、kirkアルカスイス互換クランプつきのp0にkirkプレートをつけた下につけて、なんちゃってp0ハイブリッドにして楽しんでいます。下につけると安定感が増します。それに比べてp0ハイブリッドは頭でっかちで不安定に見えますね。実用には問題ないと思いますが。オリジナルが何か分からないのですが、G2はなぜかp0に違和感なく馴染むのが不思議です。それにしてもジッツォからはシステマではなく、センターポールなし三脚は出ないのでしょうか。荷物を減らしたいので2型の4段が欲しいのですが。ではご機嫌よう。
philotripusさん、新年、そして新しい機材のご購入おめでとうございます。本年もよろしくお願いします。P0ハイブリッドが頭でっかちの構造になっている理由は、こうしないと上部のパンニングでパノラマ撮影時に狂いが生じるからです。また微動で微調整する際に軸上で回転するため傾きだけを補正できるというメリットもあります。もしこの程度の構造で剛性に問題が出るのであれば、フラッグシップ機を載せるとすべての雲台が剛性を保てなくなるという事になってしまいます。ですので適正な耐荷重で運用する分には何ら問題ないと思います。ただ気分的に気になるという方は、philotripusさん以外にも結構いらっしゃいますよ。