はじめに
皆様、初めまして。この度初めて寄稿させていただきます、Naoki Fujihara(@Naoki_Fujihara)です。自身は、建築を主な被写体としたファインアートを作品の主体としています。
まだ写真の枚数は少ないのですが、Instagram、500px、Your Shotにまとめていますので、ご覧いただけましたら嬉しいです。
本寄稿では、ジンバル雲台を利用した撮影方法の概要と、レタッチ概要をご紹介します。また、ジンバル雲台についてまず知りたいという方は、ハクさんが記事を執筆していらっしゃいます。以下の記事が参考になろうかと思いますので、合わせてご覧ください。
撮影方法概要
今回は、ハクさんからお借りしたRRSのPG-02のジンバル雲台を利用して撮影しました。
下の画像は撮影時のものです。
写真のとおり、撮影する被写体は建築なのですが、カメラを空に向けて撮影しています。これは「Look Up Shot」と呼ばれるもので、空を背景として建築を撮影するものです。
Look Up Shotのメリットは、空が背景になりますので、構図に入れたくない背景の被写体を排除しやすいというメリットがあります。
ジンバル雲台のメリット
微調整が容易
Look Up Shotの撮影時にジンバル雲台を利用するメリットとして、カメラを空に向ける際の角度を微調整しやすく、その分緻密に構図を追い込むことが出来ます。下の画像の赤枠箇所で角度を調整します。
ジンバル雲台以外の雲台、例えば自由雲台や3way雲台でのLook Up Shotも可能です。ただその場合、三脚・雲台・カメラ同士が干渉する可能性があります。そのため、構図の自由度という点においては、ジンバル雲台が圧倒的に有利です。
撮影データを確認しやすい
その他にも、ジンバル雲台を利用するメリットとして、ジンバル雲台にカメラを固定した状態で、撮影データを確認しやすいということも挙げられます。これは、ティルト液晶やバリアングル液晶を持たないカメラの場合、特に有効です。特に今回の撮影では、ジンバル雲台による構図の自由度の高さと、ジンバル雲台にカメラを固定した状態での撮影データ確認のしやすさに助けられて、納得のいくデータを撮影することができました。
ジンバル雲台のデメリット
一方で、ジンバル雲台のデメリットについても触れたいと思います。自身が感じたデメリットは、以下の2点です。
重量・可搬性
PG-02の重量は約1.6kgです。RRSにおける最も大きい自由雲台であるBH-55は約900gですので、自由雲台と比較すると重量があります。特に機材を長時間持ち歩いて撮影する際には、幾分疲労感がありました。
機動性
被写体を撮影する前には、ジンバル機材一式を組み上げる必要があります。下の画像がジンバル機材一式です。
撮影する度にこの機材を組み上げる必要がありますので、自由雲台と比較すると、ジンバル雲台の方が機動性は劣る印象がありました。
撮影
PG-02を使用して撮影したのは以下の2枚です。
画像①
画像②
それでは、レタッチ後の写真をご覧ください。タイトルは「The Wall」です。
The Wall
今回、作品作りにあたり、レタッチ時に2枚の画像を1枚に合成しています。
細かなレタッチ方法は割愛しますが、レタッチ時におけるLook Up Shotのメリットとして、建物と空の境界におけるコントラストが高いので、建築と空とを別々に選択しやすく、その分レタッチしやすい点が挙げられます。
また、レタッチからは少し話が逸れるのですが、自身は本番撮影前にロケハンやテスト撮影を行い、完成時のイメージを掴みます。掴んだイメージをレタッチで再現するのが自身の写真のスタイルです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本寄稿では、撮影方法概要やレタッチ概要のみで恐縮ですが、建築写真の撮影時にジンバル雲台を利用することで、撮影時のワークフローが快適になったり、場合によってはレタッチのしやすさが向上します。
また、ジンバル雲台を利用した撮影は、建築だけではなく、風景写真にも有効です。ジンバル雲台を利用して垂直パノラマやマルチローパノラマを利用することで、レンズの画角制約にとらわれない写真表現が可能です。
本寄稿が、皆様の写真表現の可能性を広げる一助になれば幸いです。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
● 撮影時の使用機材
- 雲台:Really Right Stuff PG-02
- レベリングベース:Really Right Stuff UNIVERSAL LEVELING BASE
- 三脚:GITZO GT5543XLS
- カメラ:Canon EOS 6D
- レンズ:Tamron SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD
● 焦点距離及び露出
- 画像1:18mm、露出:F/8、1/100sec
- 画像2:22mm、露出:F8、1/30sec
管理人より
こんにちは、hakuです。いかがだったでしょうか?今回はご縁があって「カメラと三脚とアルカスイスと ときどきMac」に寄稿していただきました。Naoki Fujiharaさんのファインアートの魅力が、存分に盛り込まれた作品と内容だったと思います。
Naoki Fujiharaさんは国際的なフォトコンテストであるMIFA(Moscow International Foto Awards)のArchitecture部門において入賞。東京カメラ部日本の47枚2018に選出されるなど、新進気鋭の若手写真家です。Twitter、Instagram、500px、Your Shotw
などで精力的に活動中ですのでぜひチェックしてみてください!
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