今日はC-PLフィルターについて書きたいと思います。できるだけ初心者の方に分かりやすく書きたいと思います。
C-PLフィルターとサーキュラーPLフィルターは同じものです。しかし、PLフィルターとC-PLフィルターは違うものです。まずはその違いから説明します。
PLフィルターとC-PLフィルターの違い
PLフィルターと、C-PLフィルターの違いは「1/4λ位相差板」の有無だけです。反射を除去するという性能に関しては「C-PL」も普通の「PL」と同じです。C-PLフィルターは図の通り、偏光膜と1/4λ位相差板を2枚のガラスで張り合わせたものです。当然ガラスが分厚くなってしまうため、削って磨いて薄くしているそうです。
1/4λ位相差板(よんぶんのいちらむざいそうさばん)は、一眼レフカメラのミラー部分に組み込まれている「ハーフミラー」の機能に干渉しないようにするためのフィルムです。現在のほとんどすべての一眼レフカメラには、C-PLフィルターじゃないと、この干渉によって、露出やオートフォーカスに狂いが生じる可能性があります。1/4λ位相差板を入れることによって、フィルターとカメラセンサーとの干渉を防ぎ、オートフォーカスや露出計を正常に動かすことができます。
だったらミラーのないミラーレスカメラなら通常のPLが使用できるんじゃないか?と思いますが、デジタルカメラの撮像素子に対してもC-PLでないと、画質に何らかの影響を受ける恐れがあるそうです。(Kenko Tokina Q&Aより)そのためミラーレスカメラでもC-PLの使用が推奨されています。
C-PLフィルターとは
PLフィルターとは、ポラライズドライトフィルターの略で、日本語訳するなら偏光フィルターということになります。効果としては反射をコントロールし、被写体の本来の色を引き出すフィルターです。
C-PLフィルターの使い方
例えばNDフィルターをつければ暗くなりますし、カラーフィルターをつければ色が付きます。クローズアップフィルターをつければ接写が可能になりますし、クロスフィルターをつければ光がクロスになります。このように、通常フィルターは付けるだけで効果が出ます。
※NDフィルターは付けるだけで暗くなります。
※クローズアップフィルターは付けるだけで接写撮影が可能となります。
※ソフトフィルターは付けるだけで、光をにじませ、写真の雰囲気がソフトになります。
しかしC-PLフィルターは付けただけでは効果が出ません。C-PLフィルターは回転出来るように設計させており、効果のある位置に回転させて、効果のある角度に合わせることで、偏光の調整ができます。無知識のまま使用しても上手に撮影できませんので、ある程度、基礎知識を身につけてから使用した方が良いでしょう。
※C-PLフィルターは付けるだけでは効果が出ない。
※効果の高い角度(30〜40度)で、効果の出る角度に回転させることで効果を発揮する。
C-PLフィルターはどんな効果があるか
C-PLフィルターを使って効果を効かせると空が青くなります。
空を撮ると青空なのに白っぽく写る事があります。空には水蒸気やチリがたくさん浮いており、その水蒸気やチリに太陽の光が当たり、光が乱反射することが、白っぽく写る原因です。C-PLフィルターでその乱反射を除去することで空の色が本来の青さになる訳です。
空の青みが増し、わい雑な反射が除去されることでメリハリがつきます。これを色彩コントラスト効果などと言ったりしますね。これもC-PLフィルターがもたらす効果です。
そしてC-PLフィルターの最大の効果は偏光のコントロールです。光波は波の中でも特殊な波で、さまざまな方向に振動する光が混合しています。その中のある特定の方向にのみ振動する光のことを偏光といいます。つまり、規則性のある波のことです。
さっきと同じ画像の使い回しですが、この偏光膜のスリットを偏光の向きに合わせて傾けることによって、その規則性のある波、つまり偏光をコントロールできるのです。多くの丸型フィルター枠に付いている三角や丸のマークを真上にセットすると、このスリットが横に向く位置となります。つまり角度指標です。
C-PLフィルターをつけると暗くなる
C-PLフィルターには色がついています。そのため絞りが2段分暗くなります。2段分暗くなるという事は2倍暗くなるということです。この2段暗くなるというのは、明るい日中では問題になりにくいのですが、暗い場所・時間帯ではかなり見難くなります。NDフィルターと重ねて使う場合はさらに暗くなりますので、ピントを先に合わせておく必要があります。
便利アイテムPLファインダー
「PLファインダー」という商品がKenkoから販売されています。
このようにカメラのホットシューにつけて、ファインダーを覗いて偏光の効果を確認するためのアクセサリーです。
C-PLフィルターと同じような角度指標マークがついています。このファインダーで効果の位置を合わせて、角度指標マークの示す方向にフィルターを傾ければ望む効果を得ることができます。これはすごく便利ですので重ね付けされる方には超お勧めです。
C-PLフィルターの上手な使い方
水面やガラス面の反射を除去するには、偏光面に対して斜め30度〜40度の方向から撮影するともっとも除去効果を発揮します。
このようにガラス面の反射が起こっていて、内部がまったく見えない状態です。
C-PLフィルターを使うことで反射を除去し、内部が見えるようになります。
青空に対して最大に効果を発揮するのは「太陽を背にして、太陽と撮影者の直角方向、とその左右の方向」です。
便利なC-PLフィルター。でも弱点もたくさんある
鏡面や金属面の反射には効果がない
先の使い方の説明で「水面やガラス面の反射を除去するには…」とあえて素材を書いた理由は鏡面や金属面の反射には効果がない、など素材によって除去できないものがあるからです。とはいえ、塗装面やコーティングの種類によっては、かなり効果が期待できます。
※フロントガラスやボンネットの映り込みは除去できました。しかし角度が異なるサイドウインドウやドアの塗装部分はむしろ映り込みが激しくなってしまいます。こういう場合はフロント側とサイド側を撮っておけば、あとで合成できます。
真正面の反射は除去できない
偏光面から角度が必要なため、真正面の反射は除去できません。
逆光では効果がない
「太陽を背にして、太陽と撮影者の直角方向、とその左右の方向」で効果を発揮すると書きましたが、それでは逆光ではどうか?ご想像通り、逆光では空は青くなりません。
シャッタースピードが低下する
2段分暗くなると書きましたので、感度を上げない限り、シャッタースピードが低下します。三脚が必要となりますね!
偏光ムラが起こる
太陽の方向によって偏光ムラが起こる。こればかりは仕方がないので、撮影する方向や角度を変えるか、撮影の時間帯を変えて、太陽が良い方向にくるまで待つしかありません。
※1枚の写真の中に、太陽の位置の影響で、偏光が効く場所と効かない場所ができてしまう。
熱・紫外線に弱く、寿命がある
偏光膜は高温に弱いです。特に夏場の車内に放置しないように注意してください。
そして最大の短所は寿命があるということです。一般的には7年、よく使う方は2〜3年と言われています。偏光膜は熱と紫外線に弱いので、保管に気を使うと寿命が伸びます。使い方によって大きく寿命は変わってきます。
白い紙の上にPLフィルターを置き、ニュートラルグレー色なら正常、黄色っぽく変色していたら寿命です。あーめん
以上7つがC-PLフィルターを買う前の心構えです。長所ばかりではなく、短所も知っておくことが大切です。
C-PLフィルターは偏光を除去するだけではない
偏光に対してもっとも効果の高い位置にまずセッティングしてください。その場所からC-PLフィルターを90度回すと、フィルター未装着時よりも光が反射が増えます。
上のように、ほんの少しフィルター未装着時よりも反射が増えます。リフレクションや虹の撮影では、この効果を利用して、より鮮やかに写すことができます。
フィルターを重ねる時の順番
これはもうC-PLフィルターの話ではなくなってくるので、書こうかどうか悩みましたが、C-PLフィルターとNDフィルターを重ねることも多いと思いますので書くことにしました。これは濃いフィルターが前です。理由はフィルター内で反射が起こってしまうためで、この反射がフレアやゴーストの原因になります。なるべく絞り段数の大きいフィルター、つまり暗いフィルターを被写体側へ配置しましょう。
まとめ
昔から丸型フィルターは散々使ってきたのですが、最近KANIの角形フィルターを色々と揃えて、使用機会が増えてきたので、フィルター熱が再燃してきました。この勢いで角形のC-PLも買っちゃおうかな?と思い、自分に必要だと言い聞かせるためにこの記事を書いたというのが本音です。自己満足にお付き合いいただきありがとうございました。参考になりましたら幸いです。ではではー
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