【雲台レビュー】Really Right Stuff Anvil-30 Ballhead

愛用してきたGitzoのSafari2型トラベラーを、ついに引退させる時がきました。引退の一番の理由は脚のロックナットの空転です。使えないことはありませんが、ストレスを抱えながらの撮影の日々でした。

代替機種は、Gitzoの現行トラベラー2型かRRSのTQC-14 Mk2でどちらにするか悩んでいました。

しかし手前に高い柵があったり、生えっぱなしの雑草が邪魔になる事が多い日本の撮影条件において、ある程度の高さがあった方が撮影に有利なのは事実です。

GitzoやRRSでは高さに不満があるという事と、純粋に「飽きた」という理由で、今回初めてNovoflexを購入したという訳です。Novoflexなら旅行の時には縮長の短い脚を、普段は段数が少なく長い脚を、と言った感じでシーンに合わせて選ぶことができます。

この写真はReally Right StuffのTFC-24Lと、Novoflex三脚と、Gitzo2型Safariトラベラーを各々、目一杯伸ばした状態です。おそらくこのパイプ径(28mm)でここまで高さを出せる三脚はそうそう無いと思います。3段ですので携行性は良くないですが、実用性の高い三脚だと思います。

構造上の弱点

しかし使ってみて気づいたのですが、レベリングベースとパノラマローテーターが搭載された基部は、思った以上に【頭でっかち】でした。この上に雲台を載せるのですが、見た目が良くないのはもちろん、安定性も損なわれてしまいます。

私の持っている中でもっとも軽量なアクラテックのNomadがもっともしっくり来ましたが、欲を言えばもう少し高さを抑えたいのが本音です。

そして固定力は最低でもアクラテック 雲台程度は欲しいところです。何か無いかな?と手持ちの機材の中から探していたところ、BC-18なんかが結構良いのではないかと思いつきました。

おお!悪くないです。

BC-18の可変角度は40度、Novoflexのレベラーの可変角度は10度のため、50度まで角度調整が可能です。これだけあれば実際の撮影で困ることは、ほとんど無いでしょう。

問題は細すぎるステム、小さすぎるボール径、狭すぎるクランプ幅です。一眼レフ機を支えるには頼りない。と言わざるを得ないと思います。

あれ?そういえばこんな雲台、もうひとつ発売されてなかったっけ?


という訳で、その雲台にたどり着いたのは2018年から2019年に切り替わる、まさにちょうどその瞬間でした。0時の時報が鳴り、世の中が「明けましておめでとうございます!」の「明け」くらいのタイミングでポチッと押して注文したのでした。

バックオーダーとなっていたので「また1ヶ月以上掛かるかな?」と覚悟していたのですが、たった5日で発送通知が来ました。もしかすると作っているラインが違うのかもしれません。

買ったのはReallyRightStuff Anvil-30 Ballhead

今年一発目の購入機材はReallyRightStuffでした。ただしカメラ用ではなくSOARラインの製品「Anvil-30 Ballhead」です。ミニ三脚のヘッドのBC-18によく似た機構でボールサイズが大きいバージョンです。SOARのページをよく見ていたので存在は前から知っていましたが、マウントの構造がカメラ用三脚と異なるため敬遠していました。

しかし製品ページのユーザーガイドを見てみますと、上のような図が掲載されており、説明文には

The Platform adapters are also threaded 3/8”-16 for users that would like to directly thread a wider base to the top of their tripod platform

と記載されています。これなら先日買ったKIRKのダブテールアダプターに合わせたら、めちゃくちゃロープロファイル(低頭)な雲台になるのではー?


雲台ポーチがついていました。付属品が無さそうなイメージでしたので、ちょっと得した気分です。

恐る恐る底をみて一安心。ちゃんと3/8インチネジ穴が空いていました。結構奥深くまで空いていますので、長めのネジでも大丈夫そうです。

KIRKとの相性はまずまず。半分ほど止めネジが掛かってくれたので、空転の心配はなさそうです。

いざ装着!想像通り、持っていたどの雲台よりも一番ブレに強そうです。固定力も申し分ありません。

ライフルはこのように操作レバーをハンドルとして操作するようです。ただレバーが泣くほど固い。。と思って調べたら、なるほど裏側のネジを外して固さを調整できるのですね。良かった良かった。おそらく固めにしてあるのは重いライフルをハンドルで扱うためなのでしょうね。

操作レバーは快適な固さになりましたが、クランプのレバーは結構固いです。Really Right Stuff純正プレートでも少し固さを感じます。ただ前に買った「SC-LR」も同じくらい固いので、そういう仕様なんだと思います。

可動範囲は全方向に40度ずつです。Novoflexのレベリングベースの角度も合わせたら50度まで使えるため、おそらく実際の撮影で困ることは少ないでしょう。

実際に使ってみた感想としては、すごくブレに強いなと思いました。「BC-18の大きいサイズがあればなぁ」と常々思ってましたが、まさにそんな感じです。また他の自由雲台と比較して非常にコンパクトに作られていますので、持ち歩きも軽快です。操作性は癖があり慣れが必要ですが、使いにくいという程ではありません。難をあげるならクランプレバーの固さです。カメラ用クランプのレバーを採用して欲しかったと思います。

Novoflex用に買ったのですが、TFC-24L Mk2との相性が良すぎて、結局こちらで使ってしまいそうな気がします。

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haku
こんにちは三脚フォトグラファー「ハク」です。 当ブログのキャッチフレーズは「探していた三脚と雲台の情報がきっと見つかる!三脚雲台沼ブログ」です。 当ブログを読めば大抵の三脚雲台の悩みは解決できるようになるはずです。 どうぞよろしくお願いいたします!
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