うそ!?今日撮った写真を全部削除しちゃった!
こんな経験、皆様はありますか?私は一度だけあります。Illustratorで作業をしていた時に、SDカードのFinderが開いていて、どうやらイラレの操作と間違えてSDカードから写真をごっそり削除してしまったようです。ただバックアップ記録を取っていたため事なきを得ましたが、仕事のデータでしたので、ものすごく焦りました。
しかし仕事以外ではバックアップは取っていませんし、何よりシングルスロットのカメラもあります。この場合にやっちゃった場合、データ復旧ソフトが必要となります。そんな悲惨な末路を迎えないためにも今回、データ復旧ソフトというものを試してみることにしました。試すのはイージスのMac用のデータリカバリーソフト「EaseUS Data Recovery Wizard for Mac 11.2 」です。
復旧できるのはSDカードだけじゃない
削除、フォーマットなどで消失したデータを、迅速かつ簡単にiMac、Macbook、デジタル装置、記憶メディア(SDカード、USBメモリ、外付けHDDなど)から復元してくれるソフトウェアで、フォーマット、ウイルス感染、クラッシュ、OSエラーなど、あらゆるシチュエーションに対応しているそうです。私は何重にもバックアップを取っていますので、これまで幸いデータが完全に無くなったことは無いのですが、こういうソフトを持っておくと心強いです。
macOS High Sierraではちょっと作業が面倒臭い
OS XエルキャピタンからSIP(System Integrity Protection)という新機能によって、セキュリティは強固になりました。しかしこのSIPによって一部のアプリケーションが正常に動作しなくなりました。このソフトも例に漏れずブロックされてしまいますので、SIPの無効化しないとソフトが正常に動作しません。
ですので、データ復旧を行う前に、MacのSIPの無効化をしておく必要があります。ちょっと面倒くさい作業ですが、データ復旧なんてそう何度もするものではありません。手順自体は簡単ですので、下の通りにやってみてください。
SIPの無効化
- Macを再起動して起動時に【command】+【R】キーを押しながら起動して、リカバリモードを立ち上げる。
- 【shift】+【command】+【U】キーを押し「ターミナル」を立ち上げる。
- 「csrutil disable」と入力しReturnキーを押す。
- macを再起動する。
これでSIPの無効化は完了です。SIPを無効にするのと同様に『csrutil enable』を入力し、returnキー、再起動で、再びSIPをオンにできます。復元後は必ず戻すようにしましょう。
SIPを無効化すると言語を変更できる
言語はデフォルトではEnglishになっていますが、SIP無効化後に言語選択で日本語に変更できます。
検証
SDカードを用意します。トランセンド32GBでSDカードの中身は一度バックアップを取っておき、後で完全に復旧できているか確認します。 尚、今回の検証用のSDカードの中身は以下の通りです。
総ファイル数 339個 (MOV 21個 / JPG 243個 / NEF 75個)
これを全部パソコン上で削除します。
データ · リカバリ · ウィザード を立ち上げます。場所はFinder→アプリケーション内にあると思います。
こいつです。
復元したい場所(今回はSDカード)を選択し、スキャンを押します。
スキャンします。容量により多少時間がかかります。今回は15〜20分くらいでした。
3034個のファイルが復元されたようです。合計65.31GBだとSDカードの容量を超えているので、ファイルが重複しているという事でしょうか?ひとまず全部チェックを入れて復元してみましょう。
復元もファイルの容量により、そこそこ時間がかかります。
完了したのでバックアップと見比べてみましょう。まずはフォルダ名が若干違いますね。でもフォルダの数、ファイルの数は全く同じ状態です。次にひとつひとつフォルダも調べてみます。
D750の撮影データです。171枚すべて問題なく復元されています。他のフォルダに関しても完璧に復元されていました。次にファイル自体も見てみましょう。
ファイル名や撮影日時など、完璧に復元できています。また違う階層にはもっと古いデータも残っていました。
2年以上前のデータです。他にも色々と新旧合わせて1700枚ほどjpgデータが出てきました。
今回はパソコンで削除しましたが、カメラボディの「カードの初期化」ではどうでしょうか?試してみましょう。
早速スキャンしてみます。
さっきは3034個ファイルでしたが、今回は2547個になっています。487個は初期化によって消えてしまったのでしょうか?さっそく中身を確認してみます。
しかし、バックアップデータの内容はすべて復旧できました。古い画像データも残っていました。何かしらのデータは消失したようですが、画像や映像に関しては一切消えていませんでした。
データ復旧、一体どういう原理なのか?
これらの検証から導き出される答えは、SDカードやハードディスクなどでデータを消去しても、おそらく実際には消えていないのだと思います。
SDカードに保存された画像が上のように入っているとします。そしてこれを消去やフォーマットしたとします。
しかし実際は消えたのではなく、見えなくなっただけなんだと思います。復旧ソフトはこの見えなくなったファイルの可視化ソフトなのでしょう。
そしておそらく新しい写真が保存される時に、古いファイルの上書きが行われるのだと思います。これも検証してみます。
まずはさっきの初期化したSDカードに長めの動画ファイルを何本か撮ってた後、スキャンしてみます。
さっきは2547個だったファイルが1725個に減りました。中身はどうなったのでしょう?
明らかにバックアップファイルと内容が変わっています。フォルダの中も確認します。
ひとつはフォルダ名が変わっただけで中は「112NIKON」と一緒でした。
次に「111ND810」の中を確認したところ、やっぱり中身が後で撮ったムービーファイルに上書きされて古いファイルが消えていました!また単独のjpgファイルと「106ND750」のフォルダはまるまる消えて無くなっていました。
まとめ
今回初めてデータ復旧ソフトを使ってみましたが、まず完璧に復旧できると思っていなかったので素直に驚きました。操作も非常に簡単で、SIPの無効化さえなければ、本当に楽だと思います。Windowsをお持ちの方ならWindows版を買われた方が良いかもしれませんね。
10回ほどしか試していませんが、データは削除した直後なら、100%復旧できました。つまりうっかり撮影中に消してしまっても、別のカードに差し替えて、消したままの状態でカードを持って帰れば、復旧が可能という訳です。上書きさえしなければOKという訳ですね。これを知れただけでも、今回の検証は私にとって有意義でした。
もしデータ消去でお困りでしたら、無料体験版もあります。これは復元はできませんが、スキャンまでは可能です。取り戻せるかどうかの確認ができますので、ぜひ一度試してみてください。
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コメント
MACのユーザー名にお名前が出てしまっていますよ
通りすがりさん、ありがとうございます!