既製品の三脚ストラップは不満だらけ
私は現在ReallyRightStuffの三脚ストラップ(正確にはマグプルのストラップ)を使っています。このストラップはとても格好良くて気に入っているのですが、結構不満もあります。
- 金具が多用されている。
- 滑りやすい素材
- 大して使いやすくない
- 微妙に価格が高い
- 金具がサビやすい
とまぁ悪い部分が目白押しです。特に困るのが5番のサビやすいところで、いちいちサビ止めをするのが面倒臭いです。また肩から滑り落ちやすく、たいして使いやすくもないので、格好良くなかったら多分とっくの昔に売却していたでしょう。しかし格好良さもだんだん目が慣れて、そして飽きてくるものです。そうです。格好良さよりも不満が勝ってしまった訳です。
とは言っても三脚ストラップはこれまであれこれ試してきました。しかし納得できる三脚ストラップなど一本もありませんでした。
無いなら作れば良いじゃない
またむくむくと「自作したい」という気持ちが、つい先日から高まってきました。しかしこれまでの自作とはレベルが違います。何となく宣言しておかないと途中放棄してしまいそうなので、宣言することにしました。私は本格的な三脚ストラップを作ります!今回はたとえ時間が掛かっても良いから最高のものを作ろうと思います。ああ言っちゃった。
構想
まず現時点で私自身が欲しいと思っている三脚ストラップは以下の通りです。
- なで肩でもズレにくいこと
- 三脚から脱着が容易なこと
- 格好良いこと
- 色々な三脚に取り付け可能なこと
- 金具で脚を傷付けないこと
日本人はなで肩の方が多いので、ズレに悩んでいる人は多いと思います。私もそうです。ですからズレにくい仕様は絶対条件のひとつです。肩パットの裏側にDOMKEのベルトの裏地のような滑り止め処理しておくと良いかもしれません。
風によるブレ対策の観点から、ストラップが三脚から脱着できるのも重要項目です。というよりも、既存のRRSのQDマウントのシステムは、システム自体は最高だと思っています。しかしマグプル社のQD金具はスチール製で、水に濡れると錆びてしまうのが最大の難点です。仕様は良いので錆びにくく強い品番のアルミ合金製で互換品を作りたいです。
格好良いことは外せない絶対条件です。いくら使い勝手がよくても、デザインが良くないと使う気が起こりません。逆に格好いいとちょっとくらい使いにくくても我慢できてしまうものです。今回は使い勝手もデザインも良いものを目指します。ミリタリー調を希望されている方もいますが、それだとRRSのコピーになってしまうため、今回はオリジナリティを追求したいと思います。ただしRRS同様、マグプルのQDシステムを利用しますので、RRSのストラップとも互換性を持たせたいと思っています。ミリタリー調が好みの方はRRSのストラップを選べば良いという訳です。
ミニ三脚を除く、ほぼ全ての三脚に取り付け可能なストラップが理想です。例えば一世代前のGitzoシステマティックのストラップホール、新しいGitzoシステマティックのイージーリンクコネクター、ハスキー三脚、ReallyRightStuffの三脚、またそういった取り付ける先が一切ない三脚にも取り付けができる三脚を作りたいですね。これに関しては実現可能なのではないかと思っています。
RRSのストラップシステムは金具が多用されているため、脚に当たると傷がついてしまう可能性があります。また使用中、肩や脇腹に金具が当たり痛い時もあります。できる限り金具は使わず身体と脚に負担がないようにしたいです。
以上が私の考えていた構想です。
ツイッターフォロワーさんのご意見
また今回の製作に当たって、先にツイッターで三脚ストラップについての意見を募りました。ご協力くださった方々に心より感謝いたします。以下、ご意見の一部をご紹介させていただきます。
- ザックを背負ってても使いやすいこと
- ピークデザインのストラップが伸縮が自在で使いやすい。
- ストラップを使ってるとよく雲台が下に下がって来るのでそこら辺工夫できたら!
- ザックの真後ろにストラップと留め具を使って運べるものがあれば!
- 肩当ての内側に滑り止め的なものを。
- ブレ対策で外した時に無くさないような工夫を。
- 外したストラップを綺麗にまとめられたら嬉しい。
- 屈んだ時に意図せずフルスイングしてしまう事があるので安全対策を。
- Gitzoに合うRRSのようなミリタリー調の格好良いやつを。
- 旧型Gitzoのストラップホールを活用出来るストラップが欲しい。
- RRSのQDストラップみたいな形状のストラップが希望。
- 長さ調節用のバックル兼アルカクランプとかどうか?
- 雲台側の固定にアルカプレートを使うとか?
- 編み込みの革製が滑りにくくて、良いのではないか?
etc…です。
これもひとつひとつ考えてみましょう。
確かにザックを背負っていると三脚ストラップが使用しにくくなりますね。ザックの厚みにより三脚が体から離れてしまうため、油断するとすぐに肩から滑り落ちそうになります。肩パットの形状を工夫し、裏側に滑り止め加工を施すことで、滑りに関しては多少改善するかもしれません。またオプションで、ザックと固定できるようなベルトをつければ体から離れにくくなり、運搬が楽にならないでしょうか?またストラップを外した際にザックに付けておけば、紛失防止にもなります。ベルトは収納の際にストラップを巻いて束ねておけるようにすれば、14567の意見は反映できそうです。
3番の「雲台が下に下がって来る」という悩みがありますが、実は三脚ストラップ使用時は雲台は下に向けるものです。とはいえ、私も以前は雲台を上向きにして使っていました。雲台を下にすると岩場で雲台をぶつけてしまうことがあるからです。しかし雲台が上向きだとバランスが悪くなり、肩への負担が大きくなります。また重いものは重力によって下に落ちるものです。バランスを崩すとあっという間に上下逆転してしまうため、周囲の人に怪我をさせる可能性もあり、非常に危険です。巻き込み事故防止のためにも必ず三脚ストラップは雲台を下向きにして使いましょう。8番に関しても雲台が下向きだとフルスイングはしないと思います。また長距離移動はザック固定を採用すれば、問題は解決できると思います。ザック限定ですが…。
13番。これに関しては実は以前試したことがあります。しかし雲台にかかる負荷が大きく故障の原因となる可能性が高いばかりか、三脚使用時は必ず外す必要があるので、それが面倒臭いなと思いました。
12番のアルカクランプが装着されているというのは、ピークデザインのように一時的にカメラボディを保持できたりして良いかなと思ったのですが、重くなりますし、何より先に書いた「なるべく金属パーツを使わない」というコンセプトからも外れてしまうため、悩ましいところです。今回は見送るかもしれません。
14番の編み込みの革製というのは滑りにくくて良いかなと思いました。しかしある程度の数を作るとなるとワンオフ製作では厳しいかもしれません。しかし革製というのはとても魅力的なので、できれば革製でいきたいなと思っています。ただし革製であればデザイン面でダサくならないように、それなりのショップに依頼することになるかもしれません。そうなると価格が結構高くなりそうです。また2番12番の「長さ調節」。もし総革製にするとなると、ここが一番の問題点になりそうです。
QDマウント
ステンレスかアルミ合金(強度や耐食性が優れている6000番、7000番台)にしたいと思っています。RRSはネジ止めする仕組みですが、それだと1/4インチネジしか通りません。3/8ネジに固定する場合、変換アダプターで装着する必要があり、三脚ストラップなど荷重が掛かる部分に使うには剛性に不安を感じます。(実際には大丈夫だとは思いますが)
ですので1/4インチ、3/8インチの両方とも使えるように設計したいと思います。これによりGitzoとManfrottoのイージーリンクコネクター、RRS Apex両方に対応することができます。また仮に緩んでしまった際も工具が必要ないようにしたいですね。
ロープ
ストラップホール用の紐。Gitzoの旧システマティックのように、ストラップホールの空いている三脚に取り付ける用のロープです。しかしロープ式ですと素早い着脱はできないので、この取り付けはしないようにします。旧システマティックには何らかの金具を取り付ける事で使えるようにしたいと思います。
脚側の取り付け金具
雲台側は色々と金具が異なりますが、地面側の金具は一種類にしようと思っています。アルミ合金(強度や耐食性が優れている6000番、7000番台)で、QDマウントを搭載。脚のパイプ径に合わせて、サイズを5mm程度調整できるようにしたいですね。この部品さえ上手く作れればほぼ完成は見えてきますが、最大の難所となりそう。
QDスイベル
RRSの三脚ストラップで採用しているマグプル社のQDスイベルはスチール製のため、雨に濡れて放置しておくとすぐに錆びてしまいます。この部品を流用しても不満が残るだけですので、他社製の錆びない上位互換品を探したいと思います。
ストラップ
今回は最初から革製で制作したいという強い気持ちがあります。滑り止めという目的で生成り1枚物のヌメ革製が良いのではないかと思っています。また完全に金具を使わないようにすると、長さ調整ができなくなるため、最小限の金具は使用します。しかし金具には革でカバーを作り、身体にも三脚にも優しい設計にしたいと考えています。ストラップの幅は30mm程度と考えていますが、肩の部分は重量がかなり掛かってきます。30mmでは痛くなりそうですので、分離型の肩パットを作り負荷の分散を図りたいと思います。
彼を知り己を知れば百戦殆からず
敵と味方の実情を熟知していれば、百回戦っても負けることはない。なにか問題を解決するとき、その内容を吟味し、自分の力量を認識したうえで対処すれば、うまくいくものです。
自分やユーザーの意見ばかりに目を向けるのではなく、他社の三脚ストラップを使ってみて、良い部分・悪い部分を見つけながら、ストラップ製作に反映したいと思います。
Velbon トライポッド バンドDX
かなり昔の布製のストラップです。取り付けがロープ式になっており、ストラップホールがある三脚に取り付けが可能となっています。現在廃番のため入手は困難だと思います。シンプルでそこそこ使いやすく、軽く扱いやすいため、私も何年も愛用していました。しかしロープの取り付け部品が経年劣化により割れ始めてしまいました。また自分の作るストラップ手本にする部分はあるか?と考えますと、特にないという感じです。
Gitzo GC5210
※画像はManfrottoより
私は左肩に担ぐ派なのですが、この製品は肩パットが右肩用なのかちょっとしっくりきませんでした。クッション性は良かったのですが、他には特筆して良いところが見つからず、中途半端なポケットもあまり意味がないなと気づかせてくれた点は評価できます。ただしストラップを担いだ状態でパンツのポケットを探るのは大変ですので、ここにスマホが入るポケットがあるなら便利かもしれませんね。一応検討の一つには加えたいと思います。
Velbon 三脚プロストラップII
※画像はアマゾンより
価格が安いので失敗しても良いかと思い購入しました。ネオプレン製の肩パットのおかげで肩が痛くならない点は評価できます。しかし重い三脚だと伸びてしまい、歩くと振動でゴムのように伸縮し、かなり使いにくいです。1kg程度の軽量三脚なら良いですが、2kgを超える三脚には不向きと言えます。この製品のおかげで、私の製作するストラップにもネオプレンは採用しないと決まりました。また3本脚を束ねて止める方式は立てる際に必ず外す必要があり、これが結構面倒臭いです。一本脚に止める方式の方がセッティングが楽で良いと思います。
ReallyRightStuff POD QD STRAP SET
※画像はReallyRightStuffより
布製ストラップなのに16000円超えの高級三脚ストラップです。実は結構使いづらいのに格好良いがために使い続けてしまいます。見た目の格好良さは大事だと痛感させたれた製品です。私もデザインにはこだわりたいと思います。
またストラップはカメラにせよ三脚にせよ、風の影響を受けやすく、それがブレの原因となります。簡単に着脱できるマグプル社のQDシステムを採用したことは英断だったと思います。私もこのQDシステムを採用しRRSストラップと互換性を持たせたいと思います。
長さ調整をスムーズにするために滑りやすい素材を使用していますが、この素材がとにかく滑りやすいです。日本人は特になで肩の人が多いので、さぞかし滑りまくっていると予想されます。また金属製の金具が多用されており、脚にぶつかると傷がついてしまいます。正直身体に当たっても痛いです。これも精神的に嫌だという意見が結構聞こえてきました。
なで肩対策と、金具を極力使わないという基本方針はこのストラップを使ったからこそ出てきたものです。私の三脚ストラップ制作にもっとも影響を受けた製品と言えます。
【KANI】三脚 ストラップ
※画像はアマゾンより
素材は値段なりというところですが、実際使ってみると軽量三脚ならそこそこ使いやすいです。センターポールに取り付け金具を挟み込むタイプで、パイプ径は30mmまで。非常に軽くシンプルな作りなので、背負っていても疲れにくいと思いました。意外とシンプルで軽量というのは大事な要素なのかもしれません。安価でGitzoなら2型くらいまでの三脚に使う三脚ストラップを探している方ならお勧めできます。長さの調整方法が非常にシンプルで金具も最小限で済むので、この方式なら革製でも流用できるかもしれません。
まとめ
他社の既製品を使用して得られたヒントは、以下の通りです。
- ロープ式は劣化が早いかもしれない。
- 肩パットは向きが決まっていると人によっては不便
- 小物が入るポケットはあまり便利とは思えないがスマホが入るなら便利かも
- 脚を束ねるタイプは面倒臭い
- ネオプレン製は軽量三脚向け
- デザインは大事
- QDシステムはすごく便利
- 金属製の金具が多いと脚や身体に負担が大きい
- 滑りやすい素材だと肩から滑り落ちる
- 極力シンプルで軽量な方が良いのかもしれない。
- 便利そうな機能はオプションで追加できるようにすれば良いのではないか?
プロトタイプを作ることにした
机の上でどんなに良さそうと考えてみても、結局使ってみないと良いも悪いも分かりません。とにかくまずはシンプルに一本試作品を作ってみることにしました。今回、調べたいことは以下の5つです。
- 革でいいのか?
- 長さ調節はできた方が良いか?
- 金属パーツはむき出しにしない方が良いか?
- 雲台の向きは上か下、どちらが良いか?
- 肩パットは必要か?
どれもこれも検証を避けては通れないものですので、プロトタイプを作って実際に使ってみて検証したいと思います。
プロトタイプを注文してみた
といいましても、私が革製品を手作りで作れる訳ではありません。ですので地元で制作してくれそうなショップを回ることにしました。その中で腕が良く、信頼できそうなショップがありましたので、早速依頼することにしました。それが確か先週の土曜日です。そして何とたった3日間で仕上ったよと連絡が入りました。仕事早すぎです。
プロトタイプ完成!
そんな訳でお披露目です。
私の要望通り、いや要望以上の物を作っていただきました。
ヌメ革はやっぱりめちゃくちゃ格好良いです。Twitterで上の画像をアップしたところ「重そう」という意見や「水に弱そう」という意見がありました。重さは148gで、250gのRRSのストラップに比べたらかなり軽量です。水には弱いと思います。しかしヌメ革はきちんと手入れしてやれば、汚れやシミも「味」となります。またMAGPUL社のQDシステムを採用していますので、ストラップは瞬時に着脱できます。水に浸かる時や雨の日はさっと外すことができます。
長さ調整は意外と難しく、肩パットを分離型にしないと、5cmほどしか調整できないと言われました。それは試作品としては困るかな?と思い、今回は肩パットを分離型にしました。それでも何とか20cmほど調整幅を持たせることができませんでした。さて調整幅を取るか、はたまた一体型肩当てにするのか、ここは非常に悩むところです。夏と冬ではアウターが変わるので、おそらく長さも変わるでしょう。その時にたった5cmの調整幅でいけるのか?そもそも最初のオーダー時に長さを失敗した場合、調整幅が5cmだと選択をミスる方が続出しそうな気もします。ただどちらにしても肩パットがないと凄く肩が痛くなります。三脚はそこそこ重たいので、肩にかかる負担は軽視できません。今回は肩パットが必須だと分かっただけでも良しとしましょう。
金具をなるべく使わないというコンセプトは良かったと思います。何より身体と脚への負担が非常に少ないです。簡易の金具カバーも作ってもらいましたが、このくらいの金具であれば、そこまで神経質になるほどでも無いかな?と個人的には思いました。
雲台の向きは上か下、どちらが良いか?に関してですが、やはり周囲の方に対する安全面への配慮から、雲台は下向きが良いという結論に至りました。しかしQDシステムですので実質どちらでも使用可能です。安全性が確保できるのであれば、どちらでも使用可能です。
課題は山積
プロトタイプを制作したことにより、いくつか問題点が見つかりました。
- QDスイベル(ストラップ側の取り付け金具)はスチール製で良いか?高価なステンレス製にするか?
- 肩パットを一体型にするか?もしくは分離型にするか?
- 付いていたら便利そうな機能を盛り込むべきかどうか?
以上、3点です。今回はこの3点について考えたいと思います。
QDスイベル(ストラップ側の取り付け金具)はスチール製で良いか?高価なステンレス製にするか?
これに関しては一時はワンオフで作ろうと考えていました。しかしプロトタイプの制作が進行していくに従って、安価なスチール製で良いのではないか?と考えるようになりました。
それはなぜかと言うと、第一に経費が掛かりすぎるからです。掛かった経費は商品代に上乗せされます。これを良しとしない方も多くいらっしゃると思います。しかし私のように錆が怖いと思う人もいると思います。だったら金具を取り外し可能にして、選択できるようにすれば良いのではないか?と思うようになったのです。ちなみにこれは友人のえのき君の案です。取り外し可能にするにはボタンなど若干金属パーツが増えてしまいますが、ここは仕方がないと思います。
ステンレス製であれば最低5000円ですが、スチール製であれば1500円程度で入手可能です。(いずれも2個1セットとして)その中でもマグプル社のものよりも錆びにくい処理がされたものを選びたいと思います。
肩パットを一体型にするか?分離型にするか?
これは今でも悩んでいるのですが、今のプロトタイプをベースに制作を進めるのであれば、自然と分離型となります。そもそも一体型のデメリットは肩パットの位置が固定されてしまうため、体格による誤差が出やすく、上着の厚さによっても快適な位置が変わってしまいます。デザイン重視で制作するなら一体型なのかもしれませんが、それはRRSで懲りているので、今回は機能重視で考えたいと思います。
ただし機能面、デザイン面で今のプロトタイプのシンプルな肩パットとは全く違うものをもうひとつ作って、オプション選択で変更できるように考えています。
付いていたら便利そうな機能を盛り込むべきか?
これは「盛り込むべき」と考えています。特に「なで肩対策」に便利そうな機能は最低限付けておきたいと思っています。具体的にすでに試作品は完成しています。
ストラップ中央にあるD環の付いた部品が今回新たに作った試作品です。レバーナスカン付きのベルトなどをリュックやザックのベルトに装着し、このアクセサリーのD環に接続することで、ストラップの肩ズレを防ぐことができます。必要ない場合は取り外しも可能です。
またこのアクセサリーに既製品のベルトに通すタイプのスマホホルダーなどを装着することもできます。三脚ストラップを担いでいるとポケットのスマホを取り出しにくいなぁと思っていたので、これも一度試してみて、使用感などをレビューしたいと思います。
汎用性を考えて少し長めに制作しましたが、ストラップ幅に合わせて、再度試作品を作って、使い勝手を試して最終決定したいと思います。
動画
ここまでの流れを動画に撮りました。ご興味がある方はぜひご覧ください。
ここで試作品は一旦私の手を離れ、モニターの方々に実際に触っていただき、意見をいただいています。これによってさらに完成度が高まると思います。
そんな訳で手元にストラップがないのですが、プロジェクトはガンガン進めなければいけません。D環パーツは付属品でしたが、今回はオプション品でスマホケースを製作しました。
試作品なのでベルト通しを設けましたが、これは製品版では残すかどうか微妙です。
ですので製品版のイメージはこちらです。
裏側にストラップを通す穴が空いてあり、ヌメ革で補強してあります。
このようにストラップを通して装着します。このスマホケースを後で取り付けるためには、金具や肩パットを一旦外して装着する必要があります。
最初はボタン留めのフタをするタイプで考えていましたが、スマホを片手で取り出しにくかったので検討した結果、ファスナーに変更しました。L字ファスナーを採用した理由はより取り出しやすいことと、通常の片面ファスナーだと金具分だけ幅の小さなスマホしか入らないためです。
スマホケースに入れたまま充電できたほうが便利かなと思い、ケーブル用の穴を下部に設けました。ホームボタンまでは必要ないので、製品版はもう少し小さな穴になると思います。
あとはケースのサイズ。それが結構頭を悩ませます。縦15.8cm×横7.7 ×厚0.7cmののサイズが無理なく入るくらいが限界かなと思います。大きくなると逆に小さいスマホが取り出しにくくなるので、L字ファスナーをもう少し大きく開閉できるようにする必要もあります。
もうすぐストラップが手元に戻ってくるので、戻ってき次第、スマホケースを装着して、使用感をみてみたいと思います。
ストラップ製作の進捗状況
肩パット
若干幅広になっている目的は摩擦抵抗が大きくなることで肩ズレを防ぐ事です。固めの革を使用しているのはベルトが肩に食い込んで負担にならないようにするためです。クッション素材も少し固めにしていますが、これは耐久性を高める目的ですが、耐久性よりも快適性を重視して少し柔らかいものに変更するかどうかを、今も悩んでいます。また肩パットが大きいと風の影響を受けやすいので、その点も懸念しています。
取り付け方式
RRSと互換性を持たせるためにマグプル社のQDシステムを採用する予定です。が、D環とナスカンの組み合わせも検討しています。取り付け金具が最終的にどうなるかによって変わってくると思います。ただどちらにしてもストラップは簡単に脱着可能にしたいと思っています。風の影響が出そうな日は取り外せるように出来ています。また金具自体も交換可能となっており、万が一、金具が故障したり錆びた場合には容易に交換可能です。
長さ調節機能
ショルダーバッグなどで多用されている移動カンを採用しました。この試作品では長さの調節幅が30cm程度なので、肩掛けと斜め掛けの併用は難しいかもしれません。あくまでも肩掛けの長さを調整する目的です。当初革カバーで保護しようと考えてましたが、見た目が良くないので却下しようかなと思っています。
コバ処理をするか否か
革は切りっぱなしですので、使っていると毛羽立ってしまいます。それも革の味といえますが、見た目が良くないと思う方もいると思います。この毛羽立ちを抑えるためにコバ処理というものがあります。しかしそれも価格に影響するので悩ましいところです。
スマホケース
試作品の全体像です。スマホケースは基本装備ではなく、オプション予定です。スマホケースはちょっと凝りすぎて使いづらいところがあるので、もっとシンプルに使いやすくしたいと思っています。
D環パーツとの併用
以前作ったD環パーツに装着して使います。スマホの重みでズレることはありません。肩パットの下くらいに取り付けると非常にアクセスしやすいです。
取り付け金具
ずっと止まっていた三脚への取り付け金具の製作が、ようやく動き始めました。と言ってもようやく請け負ってくれるメーカーが見つかったという程度で、まだまだこれからです。もちろん私が設計をしましたので、上手くいくかどうか微妙なところです。まったく新しいタイプの取り付け金具ですので、現段階での詳細は伏せますが、また試作品が完成したらお見せしたいと思います。ReallyRightStuffだけじゃなく、ManfrottoやGitzo三脚にも使えるような、つまり調整幅のある金具にしたいと思っています。
まとめ
試作品としてはこれが最終形態です。しかしカメラストラップの専門家に見ていただいたところ、革の劣化によって次第に伸びてゆき、そう遠くない将来切れてしまう可能性があるということでした。
そのため、このプロジェクトは一旦終了させていただきます。楽しみに待っていてくれた皆様には申し訳なく思います。またいつか今度こそ納得できる三脚ストラップを制作したいと思います。
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