適当に撮影したら写真は真実を写さない
興味がある新製品や、何か商品を探す時に、その商品がどんな外観をしているのか?が、購入者にとってとても気になると思います。ブツ撮りは格好良く撮影する「作品性」よりも、綺麗に正確に撮影する「再現性」の方が重要と言えます。
しかし適当にカメラを向けて、撮影しただけでは【正確な】商品写真にならない可能性があります。ブツ撮りを始める前に、まずはそれを知っておいた方が良いでしょう。
広角だと歪む
焦点距離が広角になるほど、写真に歪みが生じやすくなります。
80mmからとても自然に写り始める
標準ズームレンズでも、もっとも広角側、いわゆる「ワイド端」で撮影すると、歪んで写ってしまいます。この歪みは50mmを超えた辺りからこの歪みは軽減されていき、80mmから非常に自然になり、90mmになるとほぼ解消されます。
90mmなら上のように歪みが少なく、かつ「立体感を残した」描写が得られます。85〜120mmくらいの焦点域がブツ撮りにはもっとも適しています。
そして焦点距離が長くなればなるほど、歪みが減っていき、180~200mm付近になるとほぼ歪みはなくなります。
ただしこの辺りから立体感はなくなっていきます。上の画像は200mmで撮影したものです。かなりのっぺりとした描写になっていますね。また望遠で撮るということは「ブレやすい」と言えます。ブツ撮りにおいてブレはもっとも避けたいことですから、ストロボを持っていない場合は特に、200mmを超える焦点距離は避けた方が良いでしょう。
そして望遠レンズの場合、最短撮影距離がかなり長くなる傾向があります。ほとんどの方が自室で撮影すると思いますので、その辺りも注意しておく必要があります。
焦点距離が変われば背景の見え方も変わる
一見、90mmと200mmでは、あまり撮影結果が変わらないように見えるかもしれません。しかしそれはこれまでの写真が【ひとつの商品】を撮影していたからです。たとえば90mmの撮影したこちらの画像をご覧ください。
同じように200mmの望遠で撮るとこうなります。
後の花がかなりキッチンブリーチに近づいてきたように見えませんか?分かりやすいように比較してみましょう。
もちろんふたつの位置関係は変わっていません。この現象を「圧縮効果」と言います。
背景に周囲の風景や小物を取り入れたい場合のブツ撮りなら、この圧縮効果によって、随分イメージが変わってしまいますので自宅の撮影環境や、仕上がりイメージなどをしっかり考えてレンズ選びをすることが大切です。参考になれば幸いです。
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