カメラボディに付属しているカメラストラップはあまり格好良いとは言えませんが、市販品の中では魅力的なデザインの製品が増えてきました。しかし私は基本的にカメラストラップ反対派です。
なぜなら強風が吹いている日に、ストラップを付けたまま三脚にセッティグすると、ストラップが風になびいてブレの原因になるからです。
たったそれだけの理由ですので、すぐに脱着できるストラップであれば問題ありません。いえ、むしろそれなら率先して使いたいくらいです。
そんな訳で簡単に脱着できる最高のカメラストラップ探しはスタートしました。これは今から5年前の話です。
まず検討したのは当時人気急上昇だったピークデザイン(Peak Design)でした。
しかしすごく悩んだ結果、結局、ピークデザインは使うことはありませんでした。一番の理由はクイックシュープレートがボディ専用では無かったからです。あとアンカーからストラップを外したあと、残ったストラップが首に掛けておけなかったため、紛失するリスクもあり却下しました。
ピークデザインを諦めた私が次に向かったのは速写ストラップ「キャリースピード」でした。速写ストラップという新ジャンルのストラップをどうしても試してみたくて、ヨドバシカメラで試しに触ってみた時に、ネオプレン製の肩パットの出来が非常に良かったことと、リングを引っ張るだけでタイトに長さを絞れる操作性の良さに惹かれて購入しました。しかしこちらもボディ専用のプレートがないという理由で数ヶ月後に手放しました。ストラップとしては一番使いやすかったです。
※画像はアマゾンより
結局、どんなに優れたクイックシューシステムであっても、機種毎に設計されたボディ専用のアルカスイス互換プレートの剛性には敵いません。特にReally Right Stuffのボディ専用Lブラケットは非常に満足度の高い製品でした。KIRK社も素晴らしい製品ですがReally Right Stuff社の方がいつも一歩先を行っています。
ストラップのためにこのシステムを手放すのはナンセンスだと言うことを、一旦離れてみて改めて気づきました。
改心した私はボディ専用Lブラケットを付けたまま、簡単に脱着できるカメラストラップを探すことにしました。この時点で気持ちはストラップのみピークデザインに戻りつつありました。しかしある製品発見します。それがKIRKのセキュリティストラップSS-1でした。
※画像はKIRKより
何とアルカスイス互換のクランプがストラップに付いています。これなら着脱も容易ですし、外した後も普通に首に掛けたままにしておけるため、処遇に困ることはありません。すぐに購入しました。
しかし残念ながらクランプ部は使いやすいものの、ストラップは「クランプのおまけ程度という作り」で最低レベル。これまで使った中でもっとも酷いものでした。
そんな中、速写ストラップの雄「ブラックラピッド」がヤフオクで安く出品されていました。物は試しにと思い購入してみることにしました。
使い心地は可もなく不可もなく、まぁまぁでした。しかし、ファステンというカメラボディに取り付ける金具が通常、ボディの三脚ネジ穴(Lブラケットのネジ穴)を利用するためいちいち脱着するのが面倒くさい。使い始めて1時間も経たずして「こんなシステム使ってられない」と使用をやめてしまいました。
完全に行き詰まったなと思っていたのですが、その二つを組み合わせてみたら?という神(スタジオJin)の声が聞こえてきました。ああなるほど、KIRK SS-1のクランプとブラックラピッドを組み合わせれば良いのか!
これが個人的に大当たりでした。ただ金具(ファステン)に付いているゴムが分厚すぎて、上手くクランプに固定できず、緩んでしまいます。ゴムを外すと緩まないのですが、ゴムの空転止めが十字に出っ張っており、クランプを傷つけてしまいます。ここが難点でしたが、目を瞑りつつ、つい最近までこのシステムを使っていました。
上記システムを使用中も、ちょくちょく浮気はしました。RRSがマグプル社のストラップシステムを利用できるB2-FABN-MICROがその一つです。
これにQDスイベルを取り付けて、ブラックラピッドに取り付けるという方法です。ファステンと違ってクランプが傷つかず、見た目も格好良かったのですが、肝心のクランプがノブが細過ぎるせいで使いにくく、結局防湿庫の肥やしとなりました。。
そんな感じでモヤモヤしながら数年過ごしてきましたが、ずっと気になりつつ見送ってきた製品を、ついに先日導入しました。それがアクラテックのスイフトクランプです。
程よいクランプ幅、スピーディな操作性を実現するレバータイプ、ブラックラピッドと相性の良いリング式と明らかに良い感じです。価格が150ドルとネックで、なかなか踏み切れずにいたのですが、とうとう誘惑に負け手を出してしまいました。
そして使ってみるとこれがなかなか秀逸でして、欠点はあるものの、これまで使った中ではもっとも良い製品でした。
クランプヘッドはこれに決まりです。
これで「ストラップ問題は解決だ!」と思っていましたが、しかし思わぬ邪魔が入ります。
それはバックパック(リュック)を背負っている時は斜めがけ式のストラップは使いにくいということです。
思わぬ盲点でした。いちいちリュックを下ろして使うのも面倒なので、バックパックを使うときは結局ストラップは持っていかないという事が多かったのです。しかし実際の撮影現場ではストラップがない不便さを何度も味わいました。
しかし世の中同じように困っている人が多くいらっしゃったのでしょう。すでにブラックラピッドからバックパック ブリーズという製品が販売されていました。
何とこの製品、お手持ちのリュックやバックパックにスリングストラップの機能を追加できます。バックパックのショルダーパッドにあるDリングまたはウエビングループに取り付けて使います。
これにアクラテックのスイフトクランプを装着すれば、リュック使用時でも快適にカメラを携行・撮影できそうです。早速購入してみました。
結果としてはストラップは使いやすくて良い感じです。しかし斜めがけにすると、リュックを下ろす時に面倒くさいなと思いました。片掛けにするとちょっと肩への負担は大きいですが、面倒くささがありません。先にカラビナが付いていますので斜めがけにしたい時だけ付け替えるというのがベストな使い方だと思います。
という訳でカメラストラップ迷路に迷い込んではや数年。100点満点にはまだまだ遠いですが、70点くらいのシステムにようやくたどり着いたのではないかと思います。
- プレート Really Right Stuffのボディ専用プレート
- ストラップ ブラックラピッド スポーツブリーズ
- ストラップ ブラックラピッド バックパックブリーズ
- ストラップヘッド アクラテック スイフトクランプ
参考になりましたら幸いです。
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コメント
ハクさん、お世話になります。こんばんは。カメラストラップいろいろ試されてますね。凄い探究心ですね。感心します。軽量なカメラならどんなストラップでも良さそうですが、重たいレンズをつけたカメラだと斜めがけでないと首を痛めるので、私もブラックラピッドを使っていた時期があります。でもハクさんと同じように、三脚に固定するとき外すのが面倒くさいですね。かといってストラップなしだと、ちょっとした手持ち撮影で持ちっ放しにするのもしんどいですし。私はハクさんのようにいろいろ試すのが億劫でしたので、今はシンクタンクフォトやロープロのデジタルカメラホルスターにストラップなしのカメラを突っ込んでますが、カメラを使っているときの空のホルスターは結構邪魔になりますので、私もまだまだ答が見つかっていません。
ところで、お勧めのロッキングプライヤー、あれから何度か使っていますが、こんな便利な工具があったのですね。教えてもらいながら、諸事情があり、アフィリエイトで買わなくて申し訳なかったのですが、とにかく安くて軽くて便利。お目が高いと感心しました。欠点があるとすれば、開口部に合う直径のものでなければロックできないことですかね。
philotripusさん、コメントありがとうございます!カメラストラップは昔から終着点が見えず彷徨い続けています。ホルスターも試したことがあるのですが、あれもイマイチうまく使いこなせず、新品同様のまま転がっています。お互い早く答えにたどり着きたいものですね。
ロッキングプライヤー、気に入っていただけたようで良かったです。色々とオススメ工具がありますが、トップ10に入るものです。
いつも楽しくブログ拝見しております。
こういったカメラの底面でカメラを吊り下げるタイプだと収まり感悪くないですか?
収まり感という表現でいいのか分かりませんが…ブラブラしやすいというか回転しやすいというかなんというか…
通常のストラップ位置の2点で保持するタイプよりも捻れやすい(カメラが左右に振られやすい、意図しない方向に向いてしまう)のでは?と思うのですがその辺の使い心地はいかがですか?
ブラブラ揺れて周りに当たったりするのが不安で(特に長めのレンズ装着時)この手のタイプに踏み切れずここ1年はPeakDesignのSLIDEで妥協してます。
PeakDesignも色々買ってしまって結果アンカーが大量に余ってるのでバッグの付け根に余ってるアンカーを付けて
三脚に乗せる時はストラップをカメラからバッグに移すという運用です。
強風の時はアンカーが風で揺れてるのが気になるのでそういう時はパーマセルで止めたりしてます。
私も中々「これぞ!」といえるストラップに出会えず彷徨い続けてます…
Gouさん、おっしゃる通り収まり感はあまり良くありません。キュッと絞れるタイプが理想的と言えます。ただブラブラしているとは言いましても、収まる場所が脇の下方ですので思ったほども振られません。あとブラックラピッドは撮影に入るタイミングだけは何の抵抗もないため、すごく楽です。この三連休で記事のストラップをたっぷり使いましたが、リュックに取り付けるという点で、下ろす際など面倒な部分が結構ありました。反対にアクラテックのSwiftCLAMPはとても良く、悩ましい限りです。
hakuさん返信ありがとうございます。
自分も試してみようとAcratechのSwiftClampを買おうかと思っていた所、
知り合いがKirkのセキュリティストラップSS-1を持っていて使わないとの事だったので超格安で譲ってもらいました。
おっしゃる通りこのストラップは…
うーん、Kirkともあろうものがこれでいいんでしょうか…っていうストラップですね…
まぁ、ともかくブラックラピッドRS-4と組み合わせて暫く試してみる事にします。
ふと思ったのですがブラックラピッドバックパックブリーズ無くてもブラックラピッドのストラップした上からそのままリュック背負ってはいかがですか?
リュック背負った時に背中にくるプラスチックパーツがどの位痛いかでも変わるとは思いますけど…
Gouさん、SS-1購入、おめでとうございます。
クランプは確りしていますので、格安であれば良い買い物をされたと思います。
ストラップの上からリュックを背負うのが嫌な理由はリュックのチェストストラップが周辺が猥雑になるからなのです。
バックパックブリーズはその点は大丈夫でしたが、肝心の機能がストラップタイプよりも使いにくく、なんだかなぁと思っているところです。